SSブログ

皇位継承を巡る有識者会議第4回ヒアリング―4人中3人が女系容認 [皇室典範改正]

DSC_168120210607blog.JPG皇位の安定継承の対応について、2004年(平成16年)12月27日に皇室典範に関する有識者会議が設置され、2005年(平成17年)1月より17回の会合を開き、同年11月24日には皇位継承について「女性天皇・女系天皇(母系天皇)の容認、長子優先」を柱とした報告書を提出されました。それ以来、足踏み状態が続いていましたが、今年になって改めて有識者会議が設置され、ようやく事態が動き始めました。

5月31日には、第5回会合が開かれ、第4回目のヒアリングが開かれました。
共同通信によれば、海外王室や歴史の専門家ら4人から意見を聴取し、このうち3人が女性天皇に賛成。女系天皇にも前向きな意見が相次いだとのこと。政府は次回6月7日の会合で専門家からの意見聴取を終了すると明らかにしました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e5e5fa1edae5b80e539557b7ec5adc8d8ebca88e

NHKによれば、来月7日の会合では芥川賞作家の綿矢りささんや漫画家の里中満智子さんらから意見を聴くとのことです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210601/k10013061371000.html

共同通信によれば、ヒアリングを行った4人と各意見の要点は以下の通りです。

○君塚直隆(きみづかなおたか)・関東学院大教授(英国政治外交史)
意見:父方が天皇の血筋を引く男系の男子のみが継承する現行制度を改め、男系女子と女系を認めるべきだと主張。継承順位は男女問わず第1子を優先すべき。

○曽根香奈子(そねかなこ)・日本青年会議所監事
意見:男系女子に関し「一時的に必要な時は可能」とし、女系は「新たな王朝、国家を開くことになる」として反対。

○橋本有生(はしもとゆき)・早稲田大法学学術院准教授(家族法)
意見:天皇の子や孫に当たる女性皇族「内親王」への資格拡大に賛成。「女性天皇は過去にも存在し、伝統の観点からも否定されない」と説明した。女系も「国民意識の変化によっては女系天皇の可能性も十分に論じる余地がある」。

○都倉武之(とくらたけゆき)・慶応大准教授(近現代日本政治史)
意見:男系女子について「法的な条件が整えば容認に賛成」と強調。女系についても「最後の選択肢として継承の道を確保しておくことも今後の在り方だ」。


男系女子について4人が賛成、女系についても3人が賛成又は前向きな意見で、1人が反対です。

反対意見(曽根香奈子氏)の資料は未だ読んでいませんが、『女系は「新たな王朝、国家を開くことになる』との記事の文のままであれば、曽根氏は「皇室に姓が無い」ことの意味を理解していないのだろうと思います。


古代支那、西欧では、王朝があり、それぞれの姓がありました。

漢の姓は「劉」、宋は「趙」、明は「朱」

西欧でも、ロシアのロマノフ王朝、フランスのルイ王朝、オーストリアのハブスブルグ家、ハノーバー家、ヨーク家、ランカスター家など。

しかし日本の天皇には姓がありません。

上皇后・美智子さまは『橋をかける』『バーゼルより』など何冊か素晴らしいご著書を執筆されています。『橋をかける』の表紙をみますと著者名は「美智子」としか書かれていません。
DSC_168420210607blog.JPG

美智子様の旧姓は正田です。皇室に入られて皇族になられると戸籍がなくなり、皇統譜にお名前が記載されます。そのときに姓がなくなります。

男性が女性皇族と結婚され皇室に入られますと同様に姓がなくなります。仮に、田中太郎さんが皇族になられれば「太郎」さまになります。そもそも婿入りするということは自分の姓を妻の姓に変えるということです。その上、皇室には姓がないので、結婚前の「姓」が何らかの影響を及ぼすなど絶対にあり得ないことです。

新たな王朝になるとの意見は日本の皇室に姓がないという特色を理解していない発想です。専門家を名乗るなら不勉強のそしりは免れません。

君塚直隆氏は、昨年11月25日に参加したシンポジウム「皇位の安定継承に向けて」の登壇者のお一人でした。その時の内容を11月28日当ブログに書いています。
https://onkochisin.blog.ss-blog.jp/archive/20201128

[ブログ抜粋]

“皇族の減少(日本)や、「ヨーロッパのほとんどの王室が「絶対的長子相続制」に移行していることを話され、最後に、現イギリス女王エリザベス2世の配偶者であられるエディンバラ公(99歳)のお言葉を引用して、「21世紀は国民の支持あっての王室」で「時代に即した変革も必要」だと話されました。当日渡された君塚直隆氏が用意されたレジュメから、エディンバラ公の言葉を引用します。

「ヨーロッパの君主制の多くは、その最も中核に位置する、熱心な支持者たちによってまさに滅ぼされたのである。彼らは最も反動的な人々であり、何の改革や変革も行わずに、ただただ体制を維持しようとする連中だった」(エディンバラ公の言)”

曽根氏の意見が代表する男系派は、ヨーロッパの君主制を滅ぼした「熱心な支持者」、改革、変革を行わず古い体制を維持しようとする人々だと思います。

明治天皇の五か条の御誓文の4番目、5番目のご文章を思い出します。

☆☆☆

一、旧来の陋習(ろうしゅう)を破り、天地の公道に基づくべし。
一、 智識を世界に求め、大いに皇基(こうき)を振起(しんき)すべし。

[文の意味]

一、 これまでのような、かたくなな習慣を打破して、普遍性のある道理に基づいて進め。
一、 知識を世界の先進国に求めて、天皇の大業を振興せよ。

(『明治天皇御製 教育勅語 謹解』 明治神宮社務所)

☆☆☆


もはや男系男子限定の皇位継承に固執するのは「旧来の陋習」にほかなりません。明治以来のかたくなな習慣「男系男子固執」を打破して、普遍性のある道理「双系継承」に基づいて勇気を出して前進いたしましょう!

「皇基」は「天皇が国を治める基礎」の意味ですが、国民とともに歩まれる皇室であることを思えば、天皇と国民が心を一つにして歩む日本のことであると思います。知識を世界に求め、他国の王室の良いところを取り入れて、天皇と国民が一つになって日本を盛り立てて行きましょう。

そして世界の人々の安らかさと幸せに、益々ますます貢献できる日本を築いて参りましょう!


今日も読んでいただきありがとうございました。
皆様にとって希望に満ちた日でありますようお祈り申し上げます。
タグ:女系天皇
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。