SSブログ

天皇のお気持ちを拝察する [皇室典範改正]

20220819blogDSC_2140.JPG
わが家の庭で育った初ミョウガです。馬の顔みたい、といつも思います。


皇統継承を論じることについて、知人が次のような意見を述べました。

「天皇陛下の皇統継承は、天皇ご自身がお決めになることで、国民があれこれ議論する問題ではない」

この知人は、Y染色体などを持ち出すのはもってのほかという健全な常識を持ち合わせており、男系固執派の意見には批判的です。だから天皇陛下が女系で良いと思われるなら御心のままにという考えであると推測されます。

国民があれこれ議論する問題ではないというのは、国民が黙っていても、政府が天皇陛下のお気持ちのままに「安定的な皇統継承」を実現してくれるのなら、その通りです。しかし黙っていたら、天皇陛下のお気持ちを無視して皇室の存続を危うくする人々の思いのままになってしまい、陛下の御憂慮(ご懸念)を無くすことができないから、黙っていられないのです。

現に政府は、皇室典範改正を悠仁様ご即位まで先延ばししよう、先延ばししようとグズグズしています。88歳になられた上皇陛下がどれほど御心を痛めておられるか、一向に気に掛ける様子がありません。御譲位のお気持ちをにじませた平成28年(2016年)のビデオメッセージで、上皇陛下は次のように述べておられます。

☆☆☆

“始めにも述べましたように,憲法の下もと,天皇は国政に関する権能を有しません。そうした中で,このたび我が国の長い天皇の歴史を改めて振り返りつつ,これからも皇室がどのような時にも国民と共にあり,相たずさえてこの国の未来を築いていけるよう,そして象徴天皇の務めが常に途切れることなく,安定的に続いていくことをひとえに念じ,ここに私の気持ちをお話しいたしました。
国民の理解を得られることを,切に願っています。”
(「象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば」(平成28年8月8日)宮内庁ホームページ」
https://www.kunaicho.go.jp/page/okotoba/detail/12

☆☆☆


「象徴天皇の務めが常に途切れることなく,安定的に続いていくことをひとえに念じ,」というお言葉の中に込められているお気持ちを、政府はどのように受け止めているのでしょうか。

お言葉が発表されてから、早や6年が経過しましたが、「皇位継承の安定」を「皇族の減少対策」にすり替えて、安定継承は何十年も先延ばしにするつもりです。無為無策にもほどがあります。皇室が消滅して、天皇制が無くなっても、気に掛けていないと言っても過言ではありません。そうでなければ、有識者会議と政府は将来の見通しを立てることのできない無能者の集まりとしか思えません。

++++++

“現在、次世代を担う皇位継承者は秋篠宮さまの長男、悠仁さま(15)のみ。報告書は、悠仁さま以降の皇位継承は「機が熟していない」として、悠仁さまの年齢や結婚をめぐる状況を踏まえて、将来議論すべきだとした。皇族数を維持して、公的活動を維持したり、天皇の負担を軽減したりすることに主眼が置かれた。女性・女系天皇の是非などには触れなかった。”
(“女性皇族は結婚しても「皇族のまま」 皇位継承は先送り有識者会議”安倍龍太郎2021年12月22日 20時19分 朝日新聞デジタル)
https://www.asahi.com/articles/ASPDQ6D5NPDQUTFK00J.html

++++++


政府は、悠仁さまがいらっしゃるから、悠仁さまのためにと、もっともらしいことを言いますが、皇位継承者が一人だけで、その一人になられる方が、天皇制度の存続を一身に背負うのと、天皇にならなくても皇室の一員として天皇を御支えするのと、どれだけプレッシャーが違うか、想像力を働かせれば、理解できるはずです。また、典範が改正されても、悠仁様が皇位継承者候補(皇嗣)のお一人であられることに変りはありません。

上皇陛下と天皇陛下、秋篠宮殿下のお気持ちは一致しているはずです。秋篠宮殿下もお近くの方を通じて、そのお気持ちをほのめかされています。最近では、秋篠宮邸に合計37回通ったジャーナリストの江森敬治氏(『秋篠宮』の著者)が、8月7日放送の読売テレビ「そこまで言って委員会NP」で、秋篠宮殿下のお気持ちが拝察できる発言をしています。このことについて、高森明勅氏が、説明されています。


☆☆

“江森氏が、「その中に暮らしている方々が今どうお考えなのか…ということを…踏まえて」と述べておられる以上、ご自身としては“主に”秋篠宮家の方々の「お考え」を「踏まえて」いる、と理解しなければならない。


その上で、そのご意向を「踏まえた結果が」他でもない「将来的には『長子優先』を議論すべき」という問題提起になった-という脈絡になる(そもそも「長子優先」を“現在の”皇室に当てはめると、秋篠宮殿下より敬宮〔としのみや、愛子内親王〕殿下を優先することになるので、長年、秋篠宮家への密着取材を続けて来た江森氏が、そのご意向と無関係にこのような、ある意味では非礼とも言える発言をすることは、考えにくい)。


つまりストレートに言えば、秋篠宮家ご自身がそれを望んでおられることを意味する。

しかし勿論、それをテレビ番組の中で明け透けに語ることは出来ない。“

(“江森敬治氏の「長子優先」提起の背後あるものは何か?”2020年8月18日 高森明勅公式ブログ」https://www.a-takamori.com/post/220817

☆☆


天皇陛下、秋篠宮殿下のお気持ちを拝察するのに、このような間接的で遠回しなやり方しかないことを歯がゆく思います。陛下の後継者のことなのですから、ストレートなお気持ちを表明していただければありがたいと思う国民も少なくないと思います。

前向きに受けとめれば、この逆境は、天皇とは何か、日本の国にとって、国民である自分にとってどのようなご存在であるのか、一人一人が考えなければならない時だと考えることもできます。

上皇陛下のビデオメッセージのお言葉を再掲します。


☆☆☆

“皇室がどのような時にも国民と共にあり,相たずさえてこの国の未来を築いていけるよう,”
(「象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば」(平成28年8月8日)宮内庁ホームページ」
https://www.kunaicho.go.jp/page/okotoba/detail/12

☆☆☆


皇室と国民は、「相たずさえて」この国の未来を築くのであって、お客さんでいてはならない、当事者意識をもつことが、求められているのだと思います。

そういうわけで、私も国民の一人として、天皇陛下のお気持ちに応える為に、安定的な皇統継承を実現する皇室典範改正を強く望み、意見を発信し続けたいと、決意を新たにしています。

今日も読んでいただき、有難うございました。
新しい今日という日が、皆様にとって幸せな一日でありますよう、お祈り申し上げます。


参考資料:

「女性天皇の成立」高森明勅 幻冬舎新書

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。