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男系男子維持派との対話(六)―安定的皇位継承を願って [皇室典範改正]

DSC_165120210602blog.JPG*日本アジサイは部分も美しいです。

昨日の続きです。

政府は、男系支持派と女系容認派は対立した意見を持っていて歩み寄る余地はないと考えて、国論が二分されることを極端に恐れているように思えます。

確かにネット上で色々なやりとりを目にしますが、相互の礼を失うことなく、かつ真摯な議論は、少ないように思われます。

しかし意見の違う者同士が、真剣に、本心を披歴して、肝胆相照らして、最良の結果を求めて話し合うとき、新しい価値が生まれることは、歴史の真実です。

ポジショントークでなく、人間が本音で話し合うことの可能性を、私は信じたいと思います。


聖徳太子の憲法十七ヶ条の第十七条が、再び思いおこされます。

「大事をば独り断(さだ)むべからず かならず、衆(もろもろ)と与(とも)に論(あげつら)ふべし。」

過去の歴史を顧みますと、天皇が独断専行でなく、臣下の議論を重視されて、ご自身のお気持ちにそぐわなくても、その結論を受け入れられたことがうかがわれます。聖徳太子の憲法十七ヶ条の精神を、御自ら、実行して来られたのだと思います。

ここに明治天皇と、昭和天皇の実行の例を掲げます。

例1:明治天皇

明治時代1889年(明治22年)2月11日に旧皇室典範が裁定された時、明治19年の明治天皇が希望された「生前退位」、「女系天皇を認める」案が採用されなかった皇室典範の裁定を、明治天皇裁定を認められたのは、伝統的な天皇のあり方、かつ立憲君主のあり方を守られたからだと思います。

産経新聞に、ご譲位(生前退位)について、明治天皇が希望されていた記事がありました。

https://www.sankei.com/article/20161010-23YHWA4TAFJT3MPWGGHQRM326A/

明治天皇が「女系容認」でいらしたことは、先日、当ブログで取り上げました。

https://onkochisin.blog.ss-blog.jp/2021-05-24


明治22年の旧皇室典範は譲位不可、男系男子継承で裁定され、明治天皇のご希望された「譲位」、「女系天皇」は採用されず、この2点は、後世に先送りされた「課題」となりました。


例2:昭和天皇

☆☆

1981年(昭和56年)4月17日・報道各社社長との記者会見[165]
[記者] 八十年間の思い出で一番楽しかったことは?
[天皇] 皇太子時代、英国の立憲政治を見て以来、立憲政治を強く守らねばと感じました。しかしそれにこだわりすぎたために戦争を防止することができませんでした。私が自分で決断したのは二回(二・二六事件と第二次世界大戦の終結)でした。
(Wikipedia 昭和天皇)

☆☆


昭和天皇は「自分で決断したのは二回(二・二六事件と第二次世界大戦の終結)でした。」とおっしゃるように、立憲政治(立憲君主のあり方)を厳守されました。

立憲政治を厳守されたために第二次世界大戦を防止できなかったとのお言葉、これも令和の今、心に留めるべき課題ではないかと思います。

「広く会議を興し万機公論に決すべし」。

国会で議論されることは、雲の上のことのように思われますが、そこに留めるのではなく、庶民の間でも多くの人が関心を持って議論することが大切だと思います。

例え意見が対立しても、対立を恐れず、かつ礼を失うことなく、真剣な議論を交わして、相互理解を深めることにより、可能であれば一致点に到達すること、少なくとも納得し合えること。

それこそが、天皇のお気持ち(大御心)に沿うことになるのであり、日本の歴史が物語る「伝統」の一つではないかと思います。

そうやって国民が真剣に考えたこと、それを明治天皇も、昭和天皇も最大限に尊重してくださいました。そのような歴代の天皇の、国民へのご信頼にお答えできる国民の一人でいたいと思います。

戦前は、もっぱら「臣下」、大臣、閣僚、官僚など社会のエリートが、天皇の御信任を実行する主体でしたが、戦後になって、「国民主権」が日本国憲法の精神だと学校で教えられるようになりました、まだまだ建前上かも知れませんが、国民一人一人が主体となって、国家運営を考え、政治に反映できる時代になりました。

私自身は、国民と天皇が一体になった「国家主権」という言葉が、より適切だと思います。

しかし「民主主義」の国、天皇を戴く「立憲君主国」であると同時に「民主主義」でもある国の理想としては、国民全員が智慧を出し合って、天皇と心を一つにして、力を合わせて、よりよい日本の国と築いていく、そのために実のある議論を大切にするということが、必要なのではないでしょうか。 皇統継承のみならず、憲法など他の問題に関しても言えることだと思います。


ネット上の議論はささやかなことですが、「一隅を照らす」という言葉があるように、小さな議論でも、互いに真剣で誠実であれば、そこに深い意味があると思います。

そのような実のある議論を行い、今後も、男系維持派との対話で、たとえ意見が対立しても、対立をおそれずに、日本の国を良くしようとの思いを持つ人々との間で議論が出来ること、少しでも相互理解の助けになれることを祈り、願っております。


今日も読んでいただき有難うございました。
皆様にとって、心豊かな一日でありますようお祈り申し上げます。

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