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愛子様を天皇に、国民運動 [皇室典範改正]

20221211blogDSC_2258.JPG
昨日20時からニコニコ生放送で配信された小林よしのり氏、泉美木蓮氏の「よしりん、もくれんのオドレら正気か?」を視聴していて、小林よしのり氏の言葉に、眼からウロコが落ちる思いでした。魂が激しくゆさぶられました。


「愛子天皇への道」サイトにもそのことが書かれています。「よしりん先生」は、小林よしのり氏のことです。


☆☆
“その中でよしりん先生は、皇位継承問題について

「政治家に何とかしてもらおう、やってもらおうっていう感覚は、もうやめようや。」

「国民は本当は80%愛子さまがいいのよ。
それならば、国民で団結した方がいいし、国民を我々が引っ張った方がいい。」


「政治家は、票になると思ったら来るんだから。
だからむしろ向こうが、ゴー宣道場で(皇統問題を)やるっていったら「自分も参加させてください」っていうくらいにならなきゃダメなのよ。」

「今の門下生たち、今の公論メンバーを見てたら、(国民運動を作ることは)できる!」

と発破をかけられました。“

(「来年は愛子さま祭り!私たちで国民を引っ張っていこう!」)
https://aiko-sama.com/archives/21063
☆☆


今日のゴー宣ネット道場ブログで、小林よしのり氏は、昨日放送で話したことを文章で、宣言しています。

☆☆
“国会議員を生み出すのは国民だから、我々国民に主権が
あるはずだ。
国会議員を育てる責任も国民にある。

なのに当選した途端に、国民は議員を「先生」とあがめ、
「お上」意識で議員を甘やかす。

「票にならない」から議員は皇統問題には関心を持た
ないと言うが、国家国民の「象徴」が続くか否かのことで、
そんな馬鹿なことが許されるはずがない。“

(「愛子さまを天皇に、国民運動」)
https://www.gosen-dojo.com/blog/37938/
☆☆


この言葉で、国会議員に頼るという、自分の先入観が崩されました。この言葉を聞いたとき、自分は歴史的瞬間に立ち会っているという感じがしました。その感動を、書き留めておきたいと思い、このブログを書いています。


〇国民の80%が、愛子さまに次の天皇になっていただきたい。それは皇室の方々の願いにも一致している。
〇しかし、自民党の「男系派」は、それをかたくなに阻止しようとしている。野党でも愛子さまを天皇にと本気で取り組む党は、一つも無い。
〇現状を打破するには、80%の国民の願いを顕在化して、愛子さまを天皇にすることが、国会議員の得票につながるほどに世論が高まらねばならない。
〇そのために、ゴー宣道場が、全力で取り組む。
〇時間は限られている。後、2年。


なんとスケールの大きい話でしょう。けれども歴史の必然だという思いがひしひしと迫ってきます。

国民主権、民主主義とは何なのかということも、考えさせられます。(国民主権といっても、国民と天皇が一体なのが日本国家ですから、「国家主権」という方が正確かも知れません。ここでは便宜上、国民主権としています)

唐突な感じになり、これまでの経過を説明しないと分かりにくいところがあるかも知れません。けれども、「歴史的瞬間に立ち会った」という思いで、記録を残すために、今日のブログを書かせていただきました。


今日も、読んでいただき、ありがとうございました。
師走になり、雨交じりの寒い1日です。最近は、ゆたんぽとホカロンのお世話になっています。皆様も、お身体にお気をつけて、どうぞ暖かくしてお休みください。

タグ:国民運動
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男子を産めという価値観 [皇室典範改正]

20220917blogDSC_2164.JPG前回は、心の師藤原敏之先生の思い出をつづりました。著書を読み返して、予想しなかった文章に突き当たりました。今取り組んでいることに深く関わりがあるので、そのことを今日は述べたいと思います。

藤原敏之先生は明治41年(1908)生まれです。お姉さんが3人続いた後に生まれた、祖母待望の男の子でした。明治の家庭の空気が感じられる、藤原先生の文章を引用します。


☆☆

”私は姉が三人つづいて生まれた後の四番目に生まれた長男だったのです。今と違って長男は跡取りといって、家の後継ぎ者として大変重宝がられたものですが、ことに私の場合、姉三人でもう跡継ぎはないのではないかと思っていたときだけに(中略)私への期待と歓迎ぶりは大変なものであったというのであります。
(中略)
当時、祖父は亡くなってもういなかったのですが、祖母があり、家の中ではかなり権力を持っておられ、母はいつも遠慮し、気兼ねを強いられていたようです。一人目の姉のときは、それでも初孫ということで一応喜ばれ、祝福されたそうですが、二人目の姉のときから、段々と祖母の機嫌がわるくなり、母への風当たりが厳しくなりはじめたというのです。「三人目こそ男!」と期待していたところ、三人目もまた女の子というので、祖母は母を露骨(あらわ)に責め、病室でまだ寝ている母にわざと聴こえるように、「才吉(私の父)はかわいそうなものだ。かかり子も生まれない女子(おなご)腹でッ……」とどなるのだそうです。(中略)
四人目の私のとき、母は「もしもまた、この子が女の子だったらどうしよう」と処刑を待つ囚人のように、生きた心地がしなかったといっていました。そこへ私が生まれて来たのですから、私の誕生がどんなに喜ばれ、歓迎されたかは御想像にお任せするとして、子供の誕生を喜び、祝福しない家はないと思いますが、私の場合はそんな事情の所へ生まれてきたのですから、母はお産婆さんから「坊ちゃんですよ」ときかされたとき、「やれ助かった!」と手を合わせ、泣いたということです。
それからというもの、祖母はまるで人が変わったように、いつもニコニコしたやさしいおばあちゃんになり、とりわけ私をみるときには、相好(そうごう)をくずして、「よう来た、よう来た」とって喜んでいたそうです。(中略)母はそれ以後、鬼の首でもとったような、まるで凱旋将軍のごとく晴れ晴れとした心持ですごせたと話しておりました。”
(藤原敏之著『あなたは必ず救われる』(pp10~11) 日本教文社)

☆☆


私の身近にも、女の子3人目に生まれた女性があります(昭和初期生まれ)。女の子の父親は、誕生当時、遠隔地にいたのですが、女子誕生を知らせた電報の返信が「マタ オンナカ」だったと、いつまでも語り草になっているそうです。ある時、その女性に「女に生まれて良かったと思いますか?」と聞いたところ、「よかったと思ったことはない。ただ与えられた人生だから精一杯生きようと思った」と聞いて、胸を突かれる思いでした。

藤原敏之先生は、上記の文に続けて、次のように述べています。


☆☆

“人間がこの世に生まれるということは、決して人間業ではなく、人間の力や都合によるものでもなく、すべて神様の御意(みこころ)によるもので、神様の御計画に基づくものですから、人間の都合で喜んだり、厄介扱いするなどはまちがっています。祝福され、喜ばれて生まれて来た子は必ず幸せになります”

(藤原敏之著『あなたは必ず救われる』(p11 日本教文社)

☆☆


男だから、女だからではなく、生まれた子供が等しく祝福される世の中であってほしいと思います。この問題は、私が取り組んでいる女性天皇、女系天皇、女性宮家を認める皇室典範改正にも、深くかかわっています。矢部万紀子さん(1961年生まれ)というコラムニストが、著書『雅子さまの笑顔』で「皇室は、必ず男子を産まなければならないのか」と、述べています。


☆☆

“それは二〇一九年(令和元年)十一月五日の朝だった。テレビを何気なくつけると、「羽鳥慎一モーニングショー」が皇位継承問題を取り上げていた。作家の竹田恒泰さんが神武天皇以来の「男系男子」を守るべきで、「旧宮家の皇籍復帰」で安定継承はできると述べていて、保守派のいつものそれだった(中略)だが、聞こえて来た一人のコメンテーターの意見に驚いた。
弁護士の菅野朋子さんがこう言っていた。
「私が一つ申し上げたいのは、女性・女系天皇を認めないということがどれほど女性にとって苦痛か、女は男を産まなければいけないんですか。そこを強いられることになるんですよ。」(p199)”

“「今は一人の女性だけだが、どこかで(男子が)生まれればいい」ので旧宮家復帰なら大丈夫。そういう趣旨を語る竹田さんに、菅野さんは「女性にとって男子を産まなくては認められない。そのことを突きつけられる。その価値観というものは、今は国民になかなか受け入れられないのではないですか」と反論していた。(p200)”

(矢部万紀子『雅子さまの笑顔 いきづらさを超えて』幻冬舎新書)

☆☆


矢部万紀子さんは、もっと菅野さんの意見を知りたくなって、インタビューに行き、より掘り下げた意見を次のように、記しています。

☆☆

“菅野さんの思いには二つの視点があった。
ひとつは、皇后という立場の人を視る視点。菅野さんは「国民統合の象徴」は天皇だが、皇后という存在は「みんなの憧れ」「お手本」であり、「女性のあるべき姿」のようにとらえられていると、整理した。「あるべき姿」を示す人が男子出産を強いられれば、日本はそういう国なのかと女性たちは思う。そういう価値観があること自体が重たい、と。
もう一つは。隣人としての雅子さまという視点だ。(中略)
「例えば友人から「男の子を生んでほしいと言われた」と聞けば、多くの女性は自分の話のように受け取り、嫌な気持ちにあると思います。それができないと、女性として否定される。直感的にそう思うはずです。」(中略)
「国民統合の象徴が男性だけというのは、「女性差別」。これは男性もわかるだろう。けれども「絶対男の子を生まなくてはならない」ことが、どれだけプレッシャーか。そのことは、おそらく女性にしかわからないだろう、と。
相撲や歌舞伎など「男性だけ」の文化があることは理解する。だが、相撲は「継ぐ」ものでなく、歌舞伎は「継ぐ」人もいるが、そうでない人もたくさんいる。なのに「皇后になる方だけが『男子の後継者』を産む役割を堂々と背負わされている」と菅野さん。(中略)
話は、愛子さまのことにも及んだ。愛子さまは、「お母さんが批判されるのは、自分が女の子だからなんだ」と自分を責めていただろう。菅野さんは、そう見ていた。
二〇一六年(平成二十八年)、十五歳になった愛子さまが極端にやせ、拒食症が心配されたことがあった。(中略)
菅野さんは、自分が摂食障害になったことがあり、始まりは自己否定感だったと語った。愛子さまに自分を否定する理由など見当たらない。だからあの時の愛子さまは、「『男の子でない』」ことの葛藤」があったろう、と菅野さん。
愛子さまが生まれた時のことをよく覚えている。皇太子夫妻(当時)に待望のお子様が生まれたことを喜ぶ気持ちが世の中にあふれたことは間違いないが、それだけではない空気も確かにあった。「男の子」でなかったことをどう消化するのか、それぞれがそれぞれに考えた。(中略)
「男系男子は、それまでして守らなければいけないものでしょうか。」” (pp210~202)

(矢部万紀子『雅子さまの笑顔 いきづらさを超えて』幻冬舎新書)

☆☆


藤原敏之先生の誕生は明治41年(1908)のことです。それから、110年も経ったのに、皇室だけが、時代から取り残されるように「男子を産む」役割を背負わされているのは、おかしくないでしょうか。「女性・女系天皇を認めないということがどれほど女性にとって苦痛か、女は男を産まなければいけないんですか。そこを強いられることになるんですよ。」という菅野さんの言葉が心にひびきます。

「みんなの憧れ」「お手本」「女性のあるべき姿」のようにとらえられている皇后という御存在が、男子出産を強いられれば、日本はそういう国なのかと女性たちは思う、その価値観が重たくのしかかってくる、日本はそういう国でいいのでしょうか。

相撲や歌舞伎など、男子だけという文化はあることは、理解できる。しかし、皇室が必ず跡継ぎの男子を産まなければならない役割を背負わされている。それは、無理が生じている、その役割を保持し続けることは、国の進歩を停滞させ、活気を失わせます。

子供は天からの授かりものです。人間の都合で喜んだり、厄介扱いするなどはまちがっています。祝福され、喜ばれて生まれて来た子は必ず幸せになります。男でも、女でも、五体満足でも、そうでなくても、その子のかけがえのない生誕を祝福するとき、そこに本当の幸わせが表れると思います。

男でも、女でも生まれて来たことを後悔したくない、後悔させたくない、そういう日本であってほしい、そういう国を子孫に引き継ぎたいと、強く思います。


今日も読んでいただき、ありがとうございました。
台風が近づいているようです。皆様、どうぞお気をつけて、平穏な週末をお過ごしくださいますよう、お祈り申し上げます。


タグ:女系天皇
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皇室の眼は世界に開かれている [皇室典範改正]

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猛暑のせいか8月中ほとんど咲かなかった朝顔が、9月になって咲き始めました。今年は咲かないかと思っていたので、うれしいです。

先日は、産経新聞の施光恒(せ・てるひさ)氏の記事“「愛子天皇」待望論の危うさ”
の一部を取り上げ、反論を試みました。
https://onkochisin.blog.ss-blog.jp/archive/202208-1

同氏の記事に次の記述もあります。


“『文藝春秋』の本年7月号でも、歴史学者・小田部雄二氏らの「『愛子天皇』をあきらめない――世界は女王の時代へ。一刻も早い議論を」という鼎談(ていだん)記事が掲載されている。”

“例えば、上記の『文藝春秋』の記事は率直に言って浅薄だった。題目が示すように、欧州王室で女王が増えつつあるから、わが国の皇室もそれにならうべきだという話がほとんどだった。”

「欧州王室で女王が増えつつあるから、わが国の皇室もそれにならうべき」という話は、浅薄であると施氏は言いますが、欧州王室にならうのが果たして「浅薄」といえるのかと、考えて見ました。

昨日、「皇室ご一家」(フジテレビ9月4日(日) 5:45~6:00)の録画を見ました。毎週、録画で楽しみに見ています。

昨日は、佳子内親王殿下の、ガールスカウト日本連盟「100周年インターナショナルキャンプin戸隠」ご参加の話題でした。

☆☆
“7日、「戸隠ガールスカウトセンター」に到着された佳子さま。キャンプ場では8日まで中高生およそ90人が参加し、日本のガールスカウト運動がおととし100周年を迎えたことを記念するキャンプが開かれています。

まず、佳子さまはジェンダー平等の実現をテーマにした生徒たちの発表に、熱心に耳を傾けられました。“
(佳子さま 戸隠でキャンプファイアも ガールスカウト100周年記念で中高生と交流長野放送8/8(月) 21:01配信)
https://news.yahoo.co.jp/articles/6da9351fc3c0cb02c9564ebecea239cf397b990d
☆☆

生徒達の発表に大きな眼をまっすぐ向けて聞いていらっしゃる佳子さまの映像を見ながら、世界に開かれた「ジェンダー平等の実現」という情報に、皇室の方は深い関心をもっていられるのだと思いました。

今年の歌会始の愛子内親王の御歌が脳裏に浮かびました。

☆☆
“愛子内親王殿下
英国の学び舎に立つ時迎へ開かれそむる世界への窓“

“初めて外国の学校をご訪問になり、歴史の重みを感じさせる立派な建物を目の前にされた時、今、ここから世界が開かれようとしているというお心持ちになられました。“
https://www.kunaicho.go.jp/culture/utakai/pdf/utakai-r04.pdf
☆☆

学習院女子高等科二年生の夏休みにイギリスの「イートン・サマースクール」に御参加になられたときを詠まれた御歌です。「開かれそむる世界への窓」にはずむようなお気持ちが感じられます。

御歌から、皇族のご公務、外国の王室の方々との国際親善のご様子が眼に浮かぶ気がいたします。佳子内親王も、愛子内親王も日本の良さを世界の人々に知っていただく、素晴らしいお役目を果たされることと思います。

天皇陛下の御製も、世界を詠われています。

☆☆
“御製
世界との往き来難(がた)かる世はつづき窓開く日を偏(ひとへ)に願ふ“

“今年は、このコロナ禍が収束したその先に、今大きく落ち込んでいる世界との人々の往来が再び盛んになる日の訪れを願われるお気持ちをお詠みになりました。“
https://www.kunaicho.go.jp/culture/utakai/pdf/utakai-r04.pdf
☆☆

天皇、皇室の皆様の思いは日本だけではなく、世界の人々の幸せを願っておられます。皇室は日本国の至宝であると同時に、「世界の中の皇室」がいつも視野にあったのが、天皇であり、皇室であり、皇室をいただいてきた私たちの先祖です。

「欧州王室で女王が増えつつあるから、わが国の皇室もそれにならうべきだという話」が浅薄だと評する施氏の記事の視野の狭さが気の毒になります。

施氏が話題にしている皇室典範は、そもそも「明治十五年伊藤博文が欧州に赴いた際、オーストリアのローレンツ=フォン=シュタインから皇室の家法をつくるようすすめられた。」ことがきっかけで作ることになったものです。
https://japanknowledge.com/introduction/keyword.html?i=132

皇室典範の「男子限定」は、プロイセン、ベルギー、スウェーデンに習ったものです。
https://www.a-takamori.com/post/220221

皇室典範は、当初から、西洋の王室と照らし合わせながら、決められたのです。

それを令和になって、日本独自の皇室だから西洋にならう必要が無いなどと、明治の人より古臭いことを言っていたら、先人に笑われます。

日本の皇室は日本だけの独占物ではありません。世界の中の皇室、それをいつも考えていらっしゃるのが、天皇、皇室の方々です。

長野放送の8/7(日) 19:49配信では、ガールスカウトの生徒の発表「ジェンダー平等の実現」を「性別にとらわれない進路のあり方」と報道しています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/73ae7bd26940453eeeb190292034f580f352b807

性別の多様性が認められることによって、男性も、女性も、マイノリティーとされる人々も、生まれ持った天分を伸び伸びと発揮できる世の中になってほしいと思います。

今日も読んでいただき、有難うございました。
皆様にとってすばらしい日々であることをお祈り申し上げます。

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男系男子維持派との対話(九)―訂正とお詫び「直系の定義」 [皇室典範改正]

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一昨日、私は「直系」の定義が2通りあるとしました。これに対して、読者のTさんから、2番目の定義で、「直系」が奈良時代から使われていたと書いているが、それは誤りではないかという、コメントがありました。Tさんは、双系派です。Tさんは、「直系」を、各辞書で調べたが、明治以前の使用例が見つからなかったというのです。

私は、2番目の定義を以下のように述べました。

+++++
2つ目は、「直系」は、父祖からのものという考え方です。古典に基づく考え方です。

>直系  祖父・親・子・孫と血筋が父祖から子孫へと一直線につながる系統。
父祖〘名〙: 父と祖父。また、先祖。祖先。
※令義解(718)賦役「凡三位以上父祖兄弟子孫、及五位以上父子、並免二課一」
(コトバンク)<
+++++


例文にあげた「令義解(りょうぎのげ)」は、奈良時代の律令の注釈書ですが、説明文中に「父祖」はありますが、「直系」は、確かにありません。

私は、辞書で「直系」を引いた時に、コトバンクで「父祖」と書かれているのをみて、「父祖」をコトバンクで引いて、「父祖」の用例があるのを見て、「直系」の用例があると、すっかり勘違いしていたのでした。

当たり前の話で、「父祖」と「直系」は別の言葉であり、「直系」が奈良時代に使用されていたというのは、明らかな間違いです。読者の皆さんに、間違ったことを書いたことを、お詫び申し上げます。


では、「直系」がいつごろから使われ始めたかと言えば、それは明治の旧皇室典範以来、というのが正解です。明治以前ではありません。「男系」、「女系」が使われ始めたのも、旧皇室典範が検討され始めた時です。

ということで、一昨日の、2つ目の「直系」の説明を以下のように訂正したいと思います。


【訂正後】
+++++
2つ目は、「直系」が父系であるという考え方です。明治の旧皇室典範制定の過程で使われるようになったものと思われます
+++++


「直系」の言葉が、奈良時代から使われていたというのは、全く誤りでした。ここに訂正し、お詫び申し上げます。


Tさんとの直系に関するコメントの中で、男系男子限定思考の始まりについても、話がありました。Tさんの考えでは、確信はないけれども、皇室の皇位継承が、男子に限るとされたのは、江戸時代の「禁中並びに公家衆諸法度」からではないかということです。

かつて、私のブログでも「禁中並びに公家衆諸法度」について、「第108代・後水尾天皇(2)」と題して、取り上げました。
https://onkochisin.blog.ss-blog.jp/2020-10-17

第108代・後水尾天皇(第109代・明正天皇)(1)~(4)のブログは、以下の通りです。「禁中並びに公家衆諸法度」と、その後、「諸法度」にて禁じられていた女帝が即位された話を取り上げています。
https://onkochisin.blog.ss-blog.jp/archive/c2306242764-1


今読み返しても、我ながら力作だったと思います。高森明勅氏著『日本の十代天皇』によれば、徳川家康のブレインだった天海僧正は、天皇を伊勢神宮の宮司にしてしまえばいい、との暴論まで述べたそうです。さすがに、家康はそれを採用しなかったものの、そこまで天皇を押さえつけようという意図が、「禁中並びに公家衆諸法度」にあったわけです。

“「禁中並びに公家衆諸法度」の第六条に「女縁者の家督相続は古今一切これ無き事」”すなわち、「女性の縁者の家督相続を、古今(過去も今も)、一切ないことにする」という、女性が一切、家督相続をしてはいけないという条文がありました。

けれども、徳川家康・秀忠が制定した「女性の家督相続は古今にない」との「法度」を、第108代・後水尾天皇が、突然の譲位と、女のお子様、興子内親王(第109代・明正天皇)の即位により、あっさり破られました。しかし、明正天皇が、徳川将軍・秀忠の直系の御孫であられたため、幕府は何も言いませんでした。

天皇、皇室を抑え込もうとした徳川家康の所業は、自民党政権のそれに重なります。安倍元総理の時から、皇室を権力で抑えつけて、思うままにしようという自民党政権のあり方は、眼に余ります。昨年12月に皇位継承に関する有識者会議が出した結論、悠仁さままでの皇位継承順位は変えない、女性天皇、女系天皇は検討しないという方針は、上皇さまがビデオメッセージで話された皇位の安定継承を切に願われるお気持ちに背くものです。

上皇さまのお気持ちが、天皇陛下の直系長子、愛子さまが皇太子になられ、次の天皇になられること、それが皇室の伝統に照らして最もふさわしいことは、日々明らかになっています。

悠仁さまは、天皇になられなくても、皇嗣であることに変わりありません。皇嗣は、皇位継承資格を表わすものですから、継承順位が変わるだけです。愛子さまが天皇になられることを、殊更に反対する理由は何もありません。

また、養子案は、養子候補者も名乗り出ないし、男系男子にこだわる限り、養子をとっても、その宮家が永続することはなく、2、3代で、行き詰まるのは眼に見えています。生まれつきの血統で、養子の資格を決めるのは、憲法が禁止している門地による差別にも抵触します。どこから考えても無理筋の案です。

男系男子の血統だけが尊いというのは、明治時代の男尊女卑に配慮した旧皇室典範を盲信している人々が作り出した都市伝説です。あるいは、徳川家康の天皇の権威を弱めようとする策謀の一環、「禁中並びに公家衆諸法度」に起因するものです。

つまり、政府が公言し、男系派が強弁する、男系継承が、日本建国以来、祖先が守り続けて来た伝統というのは、まったく事実ではありません。皇室の伝統は、男系も女系も大切にする双系です。皇位継承は、各時代の世相を反映しており、女性の社会進出が求められている現代では、女性天皇、双系に開かれることが自然であり、それこそ、国民と共に歩んでこられた皇室の伝統にかなう皇位継承なのです。


今日も読んでいただき有難うございました。
皆様にとって、幸福な一日でありますよう、お祈り申し上げます。

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男系男子維持派との対話(八)―直系の定義 [皇室典範改正]

20220901blogDSC_0638.JPG再び、男系派の人(仮名Aさん)とネット上で対話(文字の意見交換)するご縁がありました。男系派との対話は、以前は緊張して、敵対心に燃えていたのですが、このごろは余裕が出来ました。「愛子天皇の道」サイトの皆さんが何でもよく知っていて、「男系派」の論理が全く破綻していること、議論が圧倒的に「愛子天皇派」に有利であることが見えて来たからです。

男系派の人と話すと新しい発見があります。

昨日、女系、男系の定義に2通りあると述べましたが、今日は「直系」という言葉にも2通りの意味があると知ったことを述べます。

男系派のAさんは、こう言います。「天皇は、天照大神の直系です。だから、男系継承が正しいのです」

男系派の口癖だった神武天皇の直系と言わないで、天照大神(女神)の直系と言うのは、進歩したと思います。古代人が、天皇を女神の子孫であると考えていたのですから、女系で始まった天皇は、女系天皇で差し支えない、となると思いますが、今日述べたいのは、そのことではありません。

「直系」は、私の頭の中では男系、女系どちらも直系なので、なぜ「天照大神の直系」を「男系」だとAさんは考えるのだろうと、不思議に思いました。

直系というのは、祖父母→子→孫のことです。これに対して傍系というのは、叔父、叔母、いとこなどです。

そこで、直系の言葉を調べ直したところ、新しい発見をしました。直系には、2通りの意味があったのです。

1つは、私の考えと同じで、法律(戸籍法)の考え方です。
https://ka-ju.co.jp/column/a_direct_line/#anc-4

父方と母方、両方の祖父母からの系統が「直系」であるという考え方です。

2つ目は、「直系」は、父祖からのものという考え方です。古典※に基づく考え方です。
※(ここで「古典」と書いたのは誤りです。文末の「追記:2022年9月3日」をご覧ください)
++++
直系  祖父・親・子・孫と血筋が父祖から子孫へと一直線につながる系統。
父祖〘名〙: 父と祖父。また、先祖。祖先。
※令義解(718)賦役「凡三位以上父祖兄弟子孫、及五位以上父子、並免二課一」
(コトバンク)
https://kotobank.jp/word/%E7%9B%B4%E7%B3%BB-98414
https://kotobank.jp/word/%E7%88%B6%E7%A5%96-618603
+++++

これで、Aさんの意見の謎が解けました。Aさんは、直系が、古典にある父祖からの系統だと考え、「天照大神の直系」を天照大神の男系だと、解釈したのでした。

なお、皇室典範は現代の法律ですから、皇室典範改正に当り、古典ではなく、1、の法律の考え方による「直系」で解釈するのが、至当だと思います。

意見の異なる人との対話は、新しい発見をもたらしてくれます。意見の対立する人とも嫌がらずに話し合うことは、大切だとあらためて思いました。

昨日、初めてコオロギの声を聴きました。秋がそこまで来ています。
今日から学校が始まります。学生の皆さん、身体に気をつけて、頑張ってください。


今日も読んでいただき、有難うございました。
皆様、体調にお気をつけて、お健やかにお過ごしください。


※「追記:20222年9月3日」

2つ目の考え方で、「直系」が奈良時代に使用されていたとしましたが、9月2日に、読者から、明治時代以前の「直系」の使用例は無い、一般の使用は明治時代からではないかとのご指摘を受けたので、確認したところ、その通りでした。訂正を9月3日のブログに掲載いたしました。このブログの記述も訂正しようかと思いましたが、後々の反省材料にするために、そのまま残します。くわしくは9月3日の投稿をご参照ください。


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男系、女系の定義とは? [皇室典範改正]

20220830blogDSC_0466.JPG今日は、皇位継承における、男系、女系の定義を考えます。
いつ頃、決められたのか?
決まった定説があるのか?
どういう見方で定義が決められたのか?
などです。

天皇の皇位継承に関連して男系、女系という言葉が口にされ、2021年12月22日の政府の有識者会議報告では、女性天皇、女性宮家(女性が当主の宮家)は認めても良いが、一代限りで、配偶者や子孫は一般国民のままとすることが考えられるとしています。

+++++

“女性皇族が皇族でない男性と婚姻しても皇族の身分を
保持するという新しい制度を導入した場合、その子は皇位継承資格を持たな
いとすることが考えられます。また、配偶者と子は皇族という特別の身分を
有せず、一般国民としての権利・義務を保持し続けるものとすることが考え
られます。”(p10)

(報告 令和3年12月22日「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案
に対する附帯決議」に関する有識者会議)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/taii_tokurei/pdf/houkoku_honbun_20211222.pdf

+++++

産経新聞に“「愛子天皇」待望論の危うさ”というタイトルで、施光恒(せ・てるひさ)氏が、愛子天皇反対の文章を載せています。

+++++
“皇統の系図をみれば、男系でつないできたのは明らかである(宮内庁ホームページにある系図がわかりやすい)。われわれの先祖は時に苦労して男系継承を守ってきた。いくたびか大きな危機もあった。例えば、第25代武烈天皇から第26代継体天皇への継承である。武烈天皇ののちの継承者がなかなか見いだせず、このときは応神天皇(第15代)まで約200年血統をさかのぼり、越前国三国(現在の福井県坂井市)で暮らしていた子孫を見つけ出し、即位願った。”
(中略)
“倫理学者・和辻哲郎がかつて指摘したように、日本の歴史では「国民の統一、国民の総意は、いつも天皇において表現された」(『国民統合の象徴』)。「国民の総意」とは、ある一つの時代を生きる日本国民だけの意思ではない。過去に存在した歴代の日本人の意思も含まれる。われわれは皇室の伝統を学び、先人の思いを汲(く)み取らなければならない。”
(【施光恒の一筆両断】「愛子天皇」待望論の危うさ 産経WEST 2022/8/29 19:26)
https://www.sankei.com/article/20220829-PRW2SF53QNN7PPOVO5OTL7RPZM/
+++++


施氏は、“先祖が苦労して男系継承を守ってきた”と述べますが、果たしてそうでしょうか。施氏の言う「先祖」は、悠久の日本の歴史から見ればつい最近の、明治時代以後の先祖ではないのでしょうか。

男系、女系の定義が一つであるように、多くの人が思っていられるかも知れませんが、実は、学者の間では、大きく分けても2つの定義があります。

男系、女系と、施氏が上げた、いわゆる「男系派」の定義は、平成17年(2005年)以降、世間に広められた定義で、それまで、男系、女系の定義に、学者の間で、定説はありませんでした。

私は施氏の定義とは別の定義を取ります。その定義から見れば、日本が昔から、「男系継承を苦労して守ってきた」のは、[双系=男系+女系で]「皇統継承を苦労して守ってきた」であり、日本建国の頃から、皇統は男性と女性が力を合わせて継承して来たのだと思います。

施氏は、第26代・継体天皇の例をあげていますが、第25代・武烈天皇に直系の内親王(女子)がいらっしゃれば、その方が皇位を継いだ可能性があったという学説もあります。継体天皇御即位に当たって、第24代・仁賢天皇の直系のお子様、手白香皇女(たしらかのひめみこ)とのご結婚がありました。すなわち、仁賢天皇の娘婿になられたから、天皇になれたのであり、男系の血筋だけで天皇になるのは、難しかったと言えます。


男系、女系の定義について、歴史学者の田中卓氏は、著書『愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか』で、次のように述べています。

☆☆

“皇統に関して男系とか女系とか言い出したのは、西洋の学問を摂取した明治以来のことで、管見(私の考え)では、それ以前に議論の対象となったことはないように思う。
 特に旧『皇室典範』でで「男系ノ男子」と見える。”

“この問題は、前例がないため、皇室法の学会でも定説はないようだが、歴史的には、皇祖神の天照大神が「吾が子孫(うみのこ)の王(きみ)たるべき地と神勅されている通り〝天照大神を母系とする子孫〟であれば、男でも女でも、皇位につかれて何の不都合もないのである。”
(田中卓著『愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか』(pp36-38)幻冬舎新書)

☆☆


日本古代史の泰斗、田中卓氏は、「男系、女系とか言い出したのは、西洋の学問を摂取した明治以来のこと」、「この問題は、前例がないため、皇室法の学会でも定説はないようだ」と述べます。

また、神道学者、高森明勅氏は、次のように述べています。双系派の定義です。

☆☆

“「女系天皇」について分かっているつもりの人でも、案外うまく整理できていないことが多い。「男系天皇」はもちろん、男性天皇の血筋をひく天皇だ。一方、女性天皇の血筋を引くのが女系天皇。ここまでは誰でも分かる。では、両親が共に天皇だった場合はどうか。具体的には、たとえば天智天皇・天武天皇のご兄弟は、父親が舒明天皇で母親は皇極天皇。こうしたケースでは〝男性優先〟の観念から、一般に〝男系〟の天皇と見られる。(中略)
ところが、父親が一般皇族で母親が天皇の場合はどうか。(中略この場合は、男女の性別よりも「天皇」という地位を重視して、女系と見るのが当たり前ではないか。そうでなければ〝天皇か皇族か〟という国家の公的秩序の根幹にかかわる区別よりも、「男尊女卑」の考え方を優先することになろう。
そして実際に、文武天皇・持統上皇の時代に制定された『大宝令』(継嗣令)では次のような条文があった。
「皇兄弟・皇子はみな親王とせよ(女帝の子もまた同じ)”
高森明勅『「女性天皇の成立」』pp118-119 幻冬舎新書

☆☆


すなわち、①男系、女系を「天皇の地位」を重視するか、②男女の性別(男尊女卑)を重視するかによって、定義が変わります。①なら、これまでの歴史の中で男系、女系の天皇がいらっしゃったことになり、②なら、すべての天皇が男系だったという、男系派の定義になります。

「皇兄弟・皇子はみな親王とせよ(女帝の子もまた同じ)

は、Aという方が天皇になられたら、A天皇の、御兄弟、皇子(男女)は、親王、内親王になられる。(A天皇が、女帝であっても、その子は親王・内親王になられる)

という意味です。御兄弟は、姉妹も含まれます。吉備内親王がそうです。


今年になって『続日本紀』を毎日少しずつ読んでいます。その中に次の文章を見つけました。

時は、靈亀元年(715年)3月、第44代元明天皇の御代です(『続日本紀』p143)。

☆☆

“丁丑(二十五日)〔天皇の〕勅があって、三品の吉備内親王の子女(父は長屋王)をすべて皇孫と同様に待遇させた。”(p161)

“二九 皇孫 吉備内親王の子女は、父系をたどると曾孫となる(天武―高市皇子―長屋王―子女)。母系をたどって皇孫とする優遇を与えたのである”(p172)
(直木孝次郎 他 訳注 『続日本紀1〔全4巻〕』東洋文庫)

☆☆

715年に、それまで「王」だった方々が、皇孫になられ、皇位継承権が与えられたことが書かれています。
吉備内親王(きびないしんのう)は、草壁皇子と第44代・元明天皇の次女で、第44代元正天皇の妹でした。第44代・聖武天皇(当時は皇太子)が病弱だったため、元明天皇の次女だった吉備内親王の子女にも、皇位継承の可能性があったので、元明天皇の孫として、皇孫とする、すなわち皇位継承権が与えられたと考えられます。

続日本紀に吉備内親王と書かれていますから、お子様方が皇孫になられる前に、内親王だったことが分かります。元明天皇のお子様で、元々皇位継承権があった吉備内親王ですが、715年から、そのお子様方も皇位継承できるように待遇させたということです。女帝の子を親王とする「継嗣令」の準用でしょうか。715年は、元正天皇即位の年ですから、それに合わせた皇孫待遇だと思います。ちなみに聖武天皇の立太子は、714年です。

吉備内親王の姉君、第44代・元正天皇の御歌について、当ブログでは4回、学ばせていただきました。よろしかったら、ご一読ください。拙文ですが、少しは、時代背景を知る手掛かりになると思います。
https://onkochisin.blog.ss-blog.jp/archive/c2306218719-1

歴史を丁寧に見て行くと、施氏の言うように“先祖が苦労して男系継承を守ってきた”(だから女系継承は認めない)ということではなく「先祖は苦労して皇統継承をまもってきた、男系継承優先だったが、女系継承も重要だった」(男系継承が行き詰まったら、女系継承も認めるのが自然の成り行きである)というのが、事実に近いと思います。


今日も読んでいただき、ありがとうございました。
朝晩秋らしく、涼しくなりました。数日前からカネタタキが鳴いています。皆様、夏の疲れで体調を崩されませんよう、お健やかにお過ごしください。

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女系天皇排除は人種差別と同じ [皇室典範改正]

20220823blogPICT1133.JPG男系派は、「女系天皇は絶対ダメ」と言います。そして、国民は男系と女系の違いを理解していないから、女性天皇、女系天皇に賛成するのだと主張します。

実は「男系」と「女系」を歴然と区別し女系を忌み嫌う思想は、2005年小泉内閣の皇位継承を検討する有識者会議の報告に反対した男系派が大声で言い始めたことで、それまでは、専門家以外ほとんど耳にしたことのない区別です。

男系派の言う男系、女系の定義は以下の通りです。

「女性天皇」とは女性の天皇のこと
「女系天皇」とは「父親が皇統(天皇の血統)に属さない天皇」
「母親しか皇統(天皇の血統)に属さない天皇」のこと

実は、この女系の定義は、人種差別の定義と同じ考えに基づくものなのですが、それを指摘する人は、男系派にはいません。

女系反対と声高に言うのは、女性は男性より一段低いと考える女性差別思想であることに、気がついていないようです。

人種差別と、女系天皇の定義を比べて見ます。


白人の黒人差別を例に上げます。人種差別のことを書くのは本当に嫌です。私は、地球上からすべての人種差別が無くなってほしいと強く願っています。人種差別が無くなってほしいとの願いから、書かせていただきます。

ここに祖先がずっと白人で続いて来た家系があるとします。その家系に黒人の先祖が一人でも入ったら、その子孫はすべて「黒人」だとされます。逆を考えて、ずっと黒人で続いて来た家系に白人の先祖が一人あったら、その子孫は「白人」と言えるはずですが、現実はそうなっていません。子孫は「黒人」とみなされます。

なぜそうなるかというと、黒人は白人より一段劣っている、だから黒人の血が一滴でも入ったら、その子孫は「黒人」になるという人種差別があるからです。これをワンドロップ・ルールと言います。


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“ワンドロップ・ルール(one-drop rule)とは、黒人の血が一滴でも混ざっていれば、その人物を「黒人」と分類する法的な人種分類です。アメリカ合衆国の多くの州では1910年代から1960年代までこの制度を採用していました。”

“1924年の「人種純血保全法(Racial Integrity Act)」は白人と非白人の結婚を禁止する目的で作られた法律で、このとき黒人の血が一滴も混ざっていない者が「白人」となりました。”

(「【ワンドロップ・ルールとは】その意味・ジムクロウ法との関係を解説」リベラルアーツガイド)
https://liberal-arts-guide.com/one-drop-rule/

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黒人と白人が先祖であれば、子孫はすべて黒人であるというのは、どう考えても不条理なルールです。

男系派の言うところの「女系反対」は、このワンドロップ・ルールに酷似しています。

男系でずっと続いて来た天皇の家系を、一人でも女系で生まれた方が継げば、その子孫は、すべて女系の子孫であるとする。

もし、ここで男女差別、女性は男性より劣っているという心が無ければ、次のようにも言えるはずです。

女系で続いて来た天皇の家系を、一人でも男系で生まれた方が継げば、その子孫はすべて男系の子孫であるとする。

コトバ遊びのようになってしまいますが、それで初めて平等だと言えると思います。

細かく言えば、黒人の家系に白人が一人いても、白人の家系に黒人が一人いても、その子孫は、いずれも白人と黒人両方の血を継いでいることになります。いずれにしても、平等にものごとを考えてほしいと思います。

肌の色で差別するのはよくないことですが、男女の差別もよくありません。

ところが、男系、女系について、男女差別の概念を持ち込んだのが、男系派です。男系になったり、女系になったりする場合、精確には「双系」だということができます。

そして彼らの言うところの、これまで続いて来た男系継承は、近世以前は、男系→双系→双系→男系というように、両親とも天皇の血筋を引いている場合も多かったのです。


皇位継承において「男系継承は2000年続いた日本の伝統」と考えている人は多いと思います。

けれども、歴史を詳細に学びますと、男系継承は2000年以上続いてきたとしても、それが日本の伝統だったと言い切るのは、精確な表現ではありません。

おおざっぱに整理しますと、皇位継承を支えた社会の変遷は、次のようになります。

1、2600年前 ~ (日本誕生、神武天皇即位)双系社会
2、1400年前(西暦645年)~ 明治22年(1989年) (男女の法制定)男系優先社会
3、133年前(西暦1989年)~ 現在(旧皇室典範制定以後)男系優先社会、皇位について男系男子限定が決められる

1、は神話の時代なので、考古学的に証明されていない伝承ですが、歴史が記録される以前でも1000年以上の長い期間があったとされています。


前回のブログに書いた通り、皇位継承が男系男子に明文化されたのは、明治の皇室典範が始まりです。
https://onkochisin.blog.ss-blog.jp/2022-08-18


男系継承が2000年以上続いたのは、日本人の先祖が男系を何が何でも続けなければと死守して来たのではなく、男系優先社会が長年続いた中で、側室制度に支えられ、男系優先の「慣習」を続けることができたというのが、精確な言い方だと思います。

側室制度が廃止された時、男系限定継承も、いずれ続かなくなる運命だったのです。

明治政府もそれを見越して、女系容認案を皇室典範の原案に盛り込んでいましたが、明治時代には、一夫多妻が珍しくなかったこと、明治天皇に男子の皇太子(後の大正天皇)が既にいらして、その方に皇位を継いでいただくことを想定し、最終的に男系男子限定が採用されたのです。

令和では、一夫多妻などと言ったら、大変なことになります。そして、天皇陛下の直系のお子様の愛子内親王がいらっしゃいます。悠仁親王は、天皇陛下の甥御さまで傍系になります。お父様の礼宮殿下も素晴らしい方ですが、日々、天皇の背中を見て成長された愛子内親王に皇太子になっていただくのが、最も自然なことと、上皇陛下も考えていらっしゃったと、拝察申し上げます。


いずれにしても、男系派が主張する女系天皇絶対反対の考え方は、人種差別のワンドロップ・ルールと同じです。ワンドロップ・ルールに基づく女系天皇拒否の男系派の思想は、なんびとも差別されない天皇陛下の大御心に、ほど遠い思想なのだと思います。


今日も読んでいただき、ありがとうございました。
また暑さがぶり返して来ました。皆様お身体にお気をつけて夏を乗り切ってください。お元気で!


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天皇のお気持ちを拝察する [皇室典範改正]

20220819blogDSC_2140.JPG
わが家の庭で育った初ミョウガです。馬の顔みたい、といつも思います。


皇統継承を論じることについて、知人が次のような意見を述べました。

「天皇陛下の皇統継承は、天皇ご自身がお決めになることで、国民があれこれ議論する問題ではない」

この知人は、Y染色体などを持ち出すのはもってのほかという健全な常識を持ち合わせており、男系固執派の意見には批判的です。だから天皇陛下が女系で良いと思われるなら御心のままにという考えであると推測されます。

国民があれこれ議論する問題ではないというのは、国民が黙っていても、政府が天皇陛下のお気持ちのままに「安定的な皇統継承」を実現してくれるのなら、その通りです。しかし黙っていたら、天皇陛下のお気持ちを無視して皇室の存続を危うくする人々の思いのままになってしまい、陛下の御憂慮(ご懸念)を無くすことができないから、黙っていられないのです。

現に政府は、皇室典範改正を悠仁様ご即位まで先延ばししよう、先延ばししようとグズグズしています。88歳になられた上皇陛下がどれほど御心を痛めておられるか、一向に気に掛ける様子がありません。御譲位のお気持ちをにじませた平成28年(2016年)のビデオメッセージで、上皇陛下は次のように述べておられます。

☆☆☆

“始めにも述べましたように,憲法の下もと,天皇は国政に関する権能を有しません。そうした中で,このたび我が国の長い天皇の歴史を改めて振り返りつつ,これからも皇室がどのような時にも国民と共にあり,相たずさえてこの国の未来を築いていけるよう,そして象徴天皇の務めが常に途切れることなく,安定的に続いていくことをひとえに念じ,ここに私の気持ちをお話しいたしました。
国民の理解を得られることを,切に願っています。”
(「象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば」(平成28年8月8日)宮内庁ホームページ」
https://www.kunaicho.go.jp/page/okotoba/detail/12

☆☆☆


「象徴天皇の務めが常に途切れることなく,安定的に続いていくことをひとえに念じ,」というお言葉の中に込められているお気持ちを、政府はどのように受け止めているのでしょうか。

お言葉が発表されてから、早や6年が経過しましたが、「皇位継承の安定」を「皇族の減少対策」にすり替えて、安定継承は何十年も先延ばしにするつもりです。無為無策にもほどがあります。皇室が消滅して、天皇制が無くなっても、気に掛けていないと言っても過言ではありません。そうでなければ、有識者会議と政府は将来の見通しを立てることのできない無能者の集まりとしか思えません。

++++++

“現在、次世代を担う皇位継承者は秋篠宮さまの長男、悠仁さま(15)のみ。報告書は、悠仁さま以降の皇位継承は「機が熟していない」として、悠仁さまの年齢や結婚をめぐる状況を踏まえて、将来議論すべきだとした。皇族数を維持して、公的活動を維持したり、天皇の負担を軽減したりすることに主眼が置かれた。女性・女系天皇の是非などには触れなかった。”
(“女性皇族は結婚しても「皇族のまま」 皇位継承は先送り有識者会議”安倍龍太郎2021年12月22日 20時19分 朝日新聞デジタル)
https://www.asahi.com/articles/ASPDQ6D5NPDQUTFK00J.html

++++++


政府は、悠仁さまがいらっしゃるから、悠仁さまのためにと、もっともらしいことを言いますが、皇位継承者が一人だけで、その一人になられる方が、天皇制度の存続を一身に背負うのと、天皇にならなくても皇室の一員として天皇を御支えするのと、どれだけプレッシャーが違うか、想像力を働かせれば、理解できるはずです。また、典範が改正されても、悠仁様が皇位継承者候補(皇嗣)のお一人であられることに変りはありません。

上皇陛下と天皇陛下、秋篠宮殿下のお気持ちは一致しているはずです。秋篠宮殿下もお近くの方を通じて、そのお気持ちをほのめかされています。最近では、秋篠宮邸に合計37回通ったジャーナリストの江森敬治氏(『秋篠宮』の著者)が、8月7日放送の読売テレビ「そこまで言って委員会NP」で、秋篠宮殿下のお気持ちが拝察できる発言をしています。このことについて、高森明勅氏が、説明されています。


☆☆

“江森氏が、「その中に暮らしている方々が今どうお考えなのか…ということを…踏まえて」と述べておられる以上、ご自身としては“主に”秋篠宮家の方々の「お考え」を「踏まえて」いる、と理解しなければならない。


その上で、そのご意向を「踏まえた結果が」他でもない「将来的には『長子優先』を議論すべき」という問題提起になった-という脈絡になる(そもそも「長子優先」を“現在の”皇室に当てはめると、秋篠宮殿下より敬宮〔としのみや、愛子内親王〕殿下を優先することになるので、長年、秋篠宮家への密着取材を続けて来た江森氏が、そのご意向と無関係にこのような、ある意味では非礼とも言える発言をすることは、考えにくい)。


つまりストレートに言えば、秋篠宮家ご自身がそれを望んでおられることを意味する。

しかし勿論、それをテレビ番組の中で明け透けに語ることは出来ない。“

(“江森敬治氏の「長子優先」提起の背後あるものは何か?”2020年8月18日 高森明勅公式ブログ」https://www.a-takamori.com/post/220817

☆☆


天皇陛下、秋篠宮殿下のお気持ちを拝察するのに、このような間接的で遠回しなやり方しかないことを歯がゆく思います。陛下の後継者のことなのですから、ストレートなお気持ちを表明していただければありがたいと思う国民も少なくないと思います。

前向きに受けとめれば、この逆境は、天皇とは何か、日本の国にとって、国民である自分にとってどのようなご存在であるのか、一人一人が考えなければならない時だと考えることもできます。

上皇陛下のビデオメッセージのお言葉を再掲します。


☆☆☆

“皇室がどのような時にも国民と共にあり,相たずさえてこの国の未来を築いていけるよう,”
(「象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば」(平成28年8月8日)宮内庁ホームページ」
https://www.kunaicho.go.jp/page/okotoba/detail/12

☆☆☆


皇室と国民は、「相たずさえて」この国の未来を築くのであって、お客さんでいてはならない、当事者意識をもつことが、求められているのだと思います。

そういうわけで、私も国民の一人として、天皇陛下のお気持ちに応える為に、安定的な皇統継承を実現する皇室典範改正を強く望み、意見を発信し続けたいと、決意を新たにしています。

今日も読んでいただき、有難うございました。
新しい今日という日が、皆様にとって幸せな一日でありますよう、お祈り申し上げます。


参考資料:

「女性天皇の成立」高森明勅 幻冬舎新書

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男系男子限定は、日本古来の伝統ではない [皇室典範改正]

20220818blogDSC_2129.JPG一昨日と別な角度からのサルスベリ。ピンクがきれいです。

男系男子限定の皇位継承は、近代の産物で、日本古来の伝統ではありません。

男系固執派は、男系男子による皇統継承を、2000年(神話を含めれば2600年)以上、続いた伝統と言いますが、それは真っ赤なウソ、ウソといって悪ければ、完全な事実誤認です。

皇位継承が男系男子限定になったのは、明治22年(1889年)の皇室典範施行以来のことで、たかだか133年前、2600年の20分の1という、近世の出来事です。

いやいや男子限定は別としても、男系継承は2000年以上続いて来た、だから女系継承はダメと、言われますか?

日本が男性優位の社会になったのは、奈良時代以降のことで1300年前です。その前、1300年間は、女性も男性と肩を並べて活躍していました。女性首長、女性家長は珍しくなく、結婚も妻問い婚で、妻の実家が強い力を持っていました。

奈良時代以降、江戸時代まで、確かに日本は男性優位社会でした。諸条件が重なって、自然な流れとして、男系継承が続いてきました。

けれども男系が女系がと、問題視されるようになったのは、実は、極めて最近のことです。

男系継承が「日本古来の伝統」というのは、現代の人々、正確に言えば皇室典範改正の議論が始まった2005年以降に、男系固執派が作り上げて、大々的に宣伝し、世間に浸透させた幻想です。

これまで諸条件が重なって続いて来たから、未来永劫続けなければならないとは限りません。男系継承は、側室が当たり前だった時代だからこそ、続けられた慣習に過ぎません。

これまで続いて来たから止められないというなら、神武天皇以来、複数の奥様を持つことが、明治天皇まで、当たり前のこととして、続いてきた側室制度も止めてはいけないことになります。しかし、大正天皇から奥様(お后)はお一人になり、昭和天皇の強いご意向により、女官制度も廃止され、お后がお一人という、新しい「伝統」が始まりました。

複数のお后を持たなければ、男系のみの継承が行き詰まるのは、生物たる人間には避けられないことです。当然の帰結として、男系限定の継承も時代とともに変わらざるを得ません。

だからこそ、ヨーロッパの王朝は、次々に、男女問わず長子優先の継承に舵を切ったのです。なぜ、日本だけ、それをためらうのでしょうか?

男系固執派は、なんだかんだと言いますが、説得力のある回答を出すことはできていません。

明治の皇室典範は、何故、男系男子限定に定められたのかということについて、神道学者・高森明勅氏が、分かりやすくブログで書いてくださっています。

高森氏のブログによれば、「男系限定」、「男子限定」はそれぞれ、日本書記とサリカ法にのっとって決められたそうです。

(“皇室典範が「男系男子」限定を採用したのはサリカ法の影響” 2022年2月20日 高森明勅ブログ)
https://www.a-takamori.com/post/220221


高森氏のブログを読んでいただければ一目瞭然ですが、私なりの要約と感想を述べて行きたいと思います。

1、 男子限定の根拠は、西欧(プロイセン、ベルギー、スウェーデン)のサリカ法(キリスト教カトリック思想に則った王位継承の考え方)

2、男系の根拠は、シナ文明の男系優先思想を取り入れた『日本書紀』

どちらも、日本古来の思想ではなく、外来思想です。

日本が外来思想を取り入れて、次々に改革を行ってきた国柄は、美点でもあります。
しかし、それを「日本古来」と思い込んでは、事実を見誤ります。

日本が新しい外来思想を取り入れるときでも、日本本来の個性を失いませんでした。

日本本来の個性は、男系至上主義でも、男子絶対優先でもありません。男性も女性も等しく尊重するのが、日本古来の伝統です。双系継承は、日本古来の伝統に深く根差した改革なのです。


追って続きを書きます。


今日も読んでいただき、有難うございました。
今日も明日も、皆様にとって素晴らしい一日でありますよう、お祈り申し上げます。


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男系固執派論客と統一教会 [皇室典範改正]

20220817blogPICT0572.JPG統一教会については、安倍元総理を狙撃した山上容疑者が、親族が統一教会に入信したために家庭を破壊され、絶望のあまり犯行に及んだこと、統一教会の霊感商法が多くの人々を不幸に陥れていること、与党自民党議員への選挙協力、約100人の秘書が統一教会から送り込まれるという政治家との関係など、多くの問題が報道されています。

全国弁連によれば、統一教会の被害相談は、1987年から2021年の24年間で計3万4537件、被害総額は1237億円、2010年以降でも相談件数2875件、被害額は138億円に及ぶそうです。(毎日新聞)

山上容疑者の家族のように破壊された家庭が、何万件もあると思うと、心が痛みます。

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“全国弁連は、87~21年に全国の消費者センターへの相談と合わせて計3万4537件の被害相談があり、被害額は約1237億円に上るとしている。コンプライアンス宣言後の10年以降でも2875件の被害相談があり、被害額は約138億円に及ぶという。”
(旧統一教会被害「法令遵守宣言後も138億円」 全国弁連指摘 8/15(月) 17:36配信
毎日新聞)
https://news.yahoo.co.jp/articles/11eabd8ab7d458441f848e082e09a4c8cc588a83

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献金の根拠として、統一教会が説く教えは、韓国はアダム国家であり、日本はエバ国家である。エバ国家たる日本は妻として、夫である「アダム国家」韓国に尽くす使命があるというものです。


++++++

“「世界基督教統一神霊協会の関連用語」の記事における「エバ国家」の解説

日本は再臨主である文鮮明とその祖国、韓国を迫害した神にとって最も悪い国であるが、文鮮明が自分がその怨讐である日本を愛すると言って、反対する神を説き伏せて、「エバ国」という使命を与えたと言う。それが、戦後の日本の目覚しい経済発展を遂げた理由だとされる。「エバ国家」は妻として夫である「アダム国家」の韓国に尽くし、さらに「母の国」として、子供である全世界の国々を教育し、経済貢献する使命があるとされ、どこの国よりも大きな献金の要請がされる理由とされている。
(「エバ国家」Weblio)
https://www.weblio.jp/content/%E3%82%A8%E3%83%90%E5%9B%BD%E5%AE%B6

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この教えに基づいて、エバ国たる日本人から搾り取った献金が、男系維持派、自称保守論者の講演料となったのです。

さらに、統一教会は、天皇陛下が文鮮明教祖に拝跪(はいき)する儀式を執り行う、宗教団体です。


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“「文鮮明氏」を「メシア」「王の王」とみなす象徴的な、不愉快な儀式が統一教会にあることも書いておく。統一教会が四大名節と呼ぶ記念日には、早朝五時からの敬礼式という儀式があり、そこでは聖壇に座った「文氏」とその家族に対し、統一教会の主要幹部が三拝の拝礼を行う。場所はだいたい「文氏」の私邸であるアメリカ・ニュ一ヨ一ク州のイ一ストガ一デンである。その際、天皇陛下をはじめ、レ一ガン大統領、全斗換大統領ほか主要国の元首の身代りを、それぞれその国の教会幹部が担当し、文教祖一族に拝跪して全世界の主権者が文教祖に拝礼したという儀式を行うのである。”

(「六マリアの悲劇・真のサタンは文鮮明だ」
11. これが『統一教会』の秘部だ
『文藝春秋』1984年7月 134-151頁
これが『統一教会』の秘部だ – 世界日報事件で『追放』された側の告発)
https://xn--u9j9e9gvb768yqnbn90c.com/%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%8C%E3%80%8E%E7%B5%B1%E4%B8%80%E6%95%99%E4%BC%9A%E3%80%8F%E3%81%AE%E7%A7%98%E9%83%A8%E3%81%A0/

++++++


ここまで、日本国、天皇陛下を侮辱する宗教だったことを知って、驚いています。

さらに驚くべきことは、何人もの男系固執派論客、いわゆる保守派論客が、統一教会で講演を行ったことです。論客の名前と写真が「ゴー宣ネット道場ブログ」に、公開されています。講演内容は確かめていませんが、日ごろ強弁している女性天皇・女系天皇反対を説かないはずはありません。男系固執論は、統一教会の信者の純朴な脳に、浸透したことでしょう。

https://www.gosen-dojo.com/blog/36330/
(「統一教会で講演をした男系固執派論客2022.8.17 10:32」

反日・反天皇の教えを説く統一教会に、日本の皇室の後継者の決め方(皇統継承)という重大事について協力を求めるとは愚かの極みで、開いた口がふさがりません。なりふりかまわない恥ずべき行為だと言えます。

どんな所でも頼まれれば講演するというなら、例えば、反天皇で話題になっている表現の不自由展でも、講演を頼まれたら、顔を出すというのでしょうか。それは無いと思います。

その上、男系固執保守論者は、山下容疑者の母親のような日本人信者から搾取したお金から講演料をもらって、日本の国益を損なう団体の宣伝に協力して来たことにもなります。

統一教会が反日・反天皇を説いていることを知らなかったでは済まされません。本当に知らなかったのなら、お人好し、間抜けの極みです。言論活動を続けるつもりなら、各論者は統一教会との関係を説明すべきではないでしょうか。説明できないのなら、反日・反天皇団体である統一教会の広告塔になったことを恥じて、二度と保守を名乗らないでほしいと思います。

「ゴー宣ネット道場」ブログで、トッキー氏が次のように書いていますが、全く同感です。


+++++

“統一協会が政治に浸透し、
女性天皇の誕生を阻止し、
皇統断絶目前の危機を招いてしまったか。“

(「有田芳生氏も読んだ『集金奴隷』、「空白の30年」は余りにも大きい!」2022.8.17 12:27)
https://www.gosen-dojo.com/blog/36341/

+++++

ネットで、女性天皇、女系天皇を話題にすると、多数の男系固執派が執拗に攻撃してきますが、統一教会の信者が少なからず、参戦しているのでしょう。

日本国民の8割が賛成し、容認している女性天皇の検討が一向に進まない裏に、男系固執論者に扇動された統一教会信者たちの妨害があり、政府案に影響を及ぼしているとは、想像もつきませんでした。油断も隙もありません。

皇室を滅ぼす男系固執派の策謀を打ち砕かなければ、日本の将来はありません。道は困難ですが、希望を持って前進して参りたいと思います。

「愛子天皇への道」サイトでは、【論破祭り】を開催しています。非常識な男系固執論者を論破する庶民の声がさく裂しています。ぜひ、ご一読ください。
https://aiko-sama.com/


今日も読んでいただき、有難うございました。
猛暑が続いています。無理せずに、十分な休養を取って、お元気にお過ごしください。

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万策尽きている男系維持論(2) [皇室典範改正]

20220524blog DSC_2066.JPG一昨日の続きです。一昨日は、「男系男子」の皇統継承を継続するための方策①~④までをあげました。

① 天皇、男性皇族が、側室を持つ
② 妃、皇后は、男子誕生まで、10人でも20人でも子供を産み続ける
③ 男子が産めない妃、皇后は離婚して、男子を産む女性に当たるまで離婚、結婚を繰り返す
④ 男系男子がいなくなる都度、男系の血筋に属する男系男子を、厖大な国民の間から探し出して、養子に迎える

①~③はできないが、④ならできるのではないかという男系論者は考えるでしょう。

実際に、政府有識者会議の報告書では、「皇族には認められていない養子縁組を可能とし、皇統に属する男系の男子を皇族とする」案「皇統に属する男系の男子を法律により直接皇族とすること」という、2つの案が提示されています。

(「皇位継承に関する有識者会議の報告書要旨」日本経済新聞2021年12月22日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2234L0S1A221C2000000/


「男系男子がいなくなる都度、男系の血筋に属する男子を、膨大な国民の間から探し出して、養子に迎える」案について、3つの高いハードルがあります。

男子論者は、そのハードルを越える、現実的な方策を、持ち合わせているのでしょうか。


第1のハードル

男系男子の血筋で、皇室に入りたいという候補者があらわれるでしょうか。この話題が出てから17年経ちましたが、具体的な候補者はただの一人も、確認されていません。
(旧宮家の子孫、竹田恒泰氏も、候補者にならないと言っています。竹田氏によれば、男系男子を続けるために4つの宮家が必要とのことですが、一人さえ、候補者がいないのが現状です)

第2のハードル

第1のハードルをこえて、養子の候補者があらわれたとしても、その養子を迎え入れられる宮家があるでしょうか。様々な条件を考えると、きわめて難しいと思われます。


第3のハードル
2つのハードルを越えて、候補者が4名あらわれて、養子をとってもよいという宮家があらわれたとしても、憲法という第3のハードルがあります。

旧宮家の養子縁組プランは憲法が禁じる「門地による差別」(第14条第1項)に該当します。(門地とは出自、家柄のことです。)憲法違反では、皇統継承を決めることはできません。憲法問題をクリアーできるのでしょうか?


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“政府が唱える旧宮家の養子縁組プランは憲法が禁じる「門地による差別」(第14条第1項)に当たる。よって制度化は無理。”
(「旧宮家「養子縁組」プランは“門地による差別”で一発アウト」2022年4月13日 高森明勅公式ブログ)
https://www.a-takamori.com/post/220413

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「第九十九条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」


第3のハードルを超えなければ、日本国民は、憲法に違反する天皇、皇室を戴くことになります。それは日本国憲法の基盤(第九十九条)を崩壊させることになります。

これは、非常に高いハードルです。

男系論者は、3つのハードルを、現実的に越えられる方策を持っているのでしょうか。

3つのすべてを越えられなければ、④は、①~③と同様、実現不可能だと思います。

「皇統に属する男系の男子を法律により直接皇族とすること」案も、3つ目のハードルを越えられないと思います。

悠仁親王のご即位をゆるがせないことに固執すれば、天皇、皇室の皆様を、不安定な境遇の中に置き続けて、いつまでも苦しめることになります。イデオロギー(頭で考えた理屈)ではなく、人情を大切にする立場で、考えて参りたいと思います。


今日も読んでいただき、ありがとうございました。
緑が日増しに濃くなって、散歩すると花々がよろこんでいるようです。どうぞ、皆様、お身体に気をつけて、お元気にお過ごしください。
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万策尽きている男系維持論 [皇室典範改正]

20220522blog DSC_2067.JPG本年、4月29日のブログ「皇位継承を巡る男系派と女系派の対立は幻想」において、男系論者といわれる学者等、百地章氏、八木秀次氏、新田均氏、宇山卓栄氏も、それぞれの著書で異口同音に「万策尽きれば、女系継承も有り得る」と述べていることを紹介しました。



5月15日に「ゴー宣ネット道場」で『よしりん十番勝負「国家再生会議」』をライブで視聴しました。ゲストの藤井聡氏が、「可能な限り男系、万策尽きたときに直系」と何度も繰り返していました。

「国家再生会議」の白熱した議論の様子は「愛子天皇への道」ブログの感想から伺い知ることが出来ます。(以下は、そのうちの最新の2つの投稿です)

https://aiko-sama.com/archives/11881
https://aiko-sama.com/archives/11871


藤井氏はまだ「万策尽き」ていないと見ているようです。有識者会議の報告書には、「天皇陛下から、秋篠宮さま、悠仁さまという流れをゆるがせにしてはならない」とありますが、果たしてそうでしょうか。

男系維持は、もはや万策尽きており、直系、双系継承公認に舵を切る時が、既に到来しています。遅きに失しているくらいです。

有識者会議の報告書には、「天皇陛下から、秋篠宮さま、悠仁さまという流れをゆるがせにしてはならない」とありますが、果たしてそうでしょうか。

「流れをゆるがせにしない」ことにこだわって、皇族の皆様にしわよせがおよび、不安定で不便な境遇をこれ以上、耐え忍んでいただき、皇族の人間性を踏みにじるような結果になるとしたら、「ゆるがせにしない」ことが、皇族を不幸に陥れるとしたら、それはじわじわと天皇制を危機におとしいれることになります。

過去の歴史にこだわる気持ちはわかりますが、現実をみて、「男系に固執し皇室が消滅」と「女系を認めて存続」の2つの選択しかないのが、明白なのに、改革をためらって、皇族を苦しめて、結果的に「皇室が消滅」を選ぶようなおろかなことは、避けなければならないと思います。

「悠仁様のご即位を待つ」のでは、手遅れなのです。ご即位を待てば、女性皇族の佳子内親王、愛子内親王は、ご結婚のため臣籍降下されて、一般国民になられているでしょう。三笠宮家の彬子女王、瑤子女王、高円宮家の承子女王は、失礼を承知で申し上げれば、ご結婚されないで皇室に残られているかも知れませんが、お子様を持たれるのは難しいご年齢だと思います。

そのような若い皇族がきわめて少ない中で、悠仁親王に嫁がれる女性が現れるでしょうか。薄氷を踏むよりも、あやうい状態で、悠仁親王(天皇)の男子誕生を待つということになります。そのような立場になることが分かっていて、悠仁親王と結婚しようという女性が現れるでしょうか。


有識者会議は女性宮家の案も考えているという体裁をとっていますが、政府案では、女性皇族が皇族のままで、その配偶者とお子様は皇族にしない、一般国民のままということになっています。

このような家族をバラバラに解体する案で、女性皇族に、皇族のままで、とどまっていてくださいというのは、あまりにも厚かましいお願いではないでしょうか。

配偶者とお子様が一般国民であるなら、職業選択の自由、移動の自由など、国民が享受するあらゆる自由を認めなければ、差別になります。天皇、皇族は、憲法第1章の待遇で、基本的人権の制限がありますが、一般国民なら、憲法第3章の一般国民の基本的人権をすべて認めなければ、憲法違反になります。

配偶者とお子様は、議員に立候補してもよいし、企業の社長にもなれます。好きな時に好きな所に旅行に行くことができます。皇族ではないので、職業に皇室の公務を必ず選ばなければならないという義務はありません。選択の自由があります。

国際親善を行おうとしても、配偶者とお子様の待遇は一般国民ですから、海外での席次もそのように配慮されるでしょう。夫婦で待遇の差別を求めるような恥ずかしいことでは、国際親善も安心して行えません。

有識者会議の提案は、非現実的で、実現性がありません。まともな判断ができる人なら、女性皇族と結婚して、そんな不便で、わけのわからない立場になりたいとは、思いません。女性皇族のご結婚は、たいへんな困難に突き当たるでしょう。


男系男子の継承を維持するために、高森明勅氏は、あえてシミュレーションを行いました。その内容は、以下の通りです。

男系派の皇位継承策を実行するには、下記の①~④くらいしか考えられません。

① ~④のどれか一つでも実行したら、国民の尊敬に値する、皇室の神聖性が保たれなくなるでしょう。


「男系男子」の皇統継承を継続するための方策は、

① 天皇、男性皇族が、側室を持つ
② 妃、皇后は、男子誕生まで、10人でも20人でも子供を産み続ける
③ 男子が産めない妃、皇后は離婚して、男子を産む女性に当たるまで離婚、結婚を繰り返す
④ 男系男子がいなくなる都度、男系の血筋に属する男系男子を、厖大な国民の間から探し出して、養子に迎える


これらの方策によって、皇室の聖域性が保たれるでしょうか。どれを実行しても、聖域性が保たれずに、国民の皇室不要論を後押しするだけだと思います。

① ~④以外に、男系男子を継続できる方法はありません。いいかえれば、男系男子維持は、既に、明白に、とっくの昔に、万策尽きているのです。

参考:
『皇室の聖域性を損なう安定策は除外「皇位の安定継承への道」#13』
https://www.nicovideo.jp/watch/so40492805


この問題については、近日中に続きを書きたいと思います。


今日も読んでいただきありがとうございました。
初夏になり、新緑が美しいです。外ではマスクをはずして、思いっきり深呼吸をしましょう!
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皇位継承を巡る男系派と女系派の対立は幻想 [皇室典範改正]

20220429blog DSC_2060.JPG今日は、安定的な皇位継承について、書かせていただきます。

私は、女性天皇の実現について、10年以上念願して参りました。2020年8月からブログをひんぱんに更新するようになったのも、この希望実現のためといっても、過言ではありません。

天皇や皇室について、みなさまはどう思っていらっしゃるのでしょう。大切だと思う方も、必要なのかどうか分からない方もいらっしゃると思います。

私自身、20歳くらいまでは、天皇のことも、皇室のこともよく分かりませんでした。あることをきっかけに、天皇、皇室、そして天皇を中心と仰いできた日本人の歴史を学びはじめました。そして、日本という国は、天皇、皇室がなければ、今の安定した国柄にはならなかったことが少しずつ分かって来て、天皇、皇室を、深く敬愛するようになりました。

天皇、皇室は空気のようなものです。私たちは、物を食べなくても1週間は生きられるし、水を飲まなくても3日くらいは生きられます。しかし、空気がなくなったら、5分くらいでいのちが尽きます。空気はただですが、無くなったらたいへんなことになります。天皇、皇室もそうなのです。呼吸している時、ありがたいとも何とも思いませんが、無くなって初めて、どんなに恩恵を受けていたかと気がつくものです。

その天皇、皇室が、このまま国民が無関心でいたら、無くなってしまう可能性が出て来ました。皇室存続について、日本の歴史上、少なくとも第26代・継体天皇以降では、最大の危機ではないかと思います。

このまま、皇室制度の見直しが無ければ、悠仁親王が即位される頃には、皇室の若い世代がお一人になってしまう可能性が否定できません。万が一、不測の事態が起これば、あっさりと皇室がなくなってもおかしくありません。

それに対して、有識者会議を立ち上げて検討し、①女性皇族がご結婚後も皇室に残る、②皇統に属する男系の男子(一般国民)から養子を迎えるとの2つの案を皇族確保の案としています。ところが、どちらの案でも、それぞれの配偶者、お子様は一般国民のままであるのか、皇族になれるのかがあいまいという、当事者にとって不親切で、ずさんな案です。

日本国憲法で、天皇、皇室の人権は制限されています。だからといって、家族(夫婦・親子)という、人間にとって最も大切な関係において、当事者を不安定なお立場に放置することは、人道的に許されることではありありません。

政府に任せておけば、何とかなるということではなく、国民一人一人が考える必要がある重要なテーマだと思います。


さて、今日の話題は、神道学者、皇室研究者・高森明勅氏のブログ「皇位継承を巡って男系派と女系派が激しく対立という幻想」をご紹介します。高森氏のブログには、いつも目からウロコが落ちる気がいたします。

高森氏の下記ブログから、文章を抜粋いたします。

(「皇位継承を巡って男系派と女系派が激しく対立という幻想」高森明勅2022.4.29 ゴー宣ネット道場)
https://www.gosen-dojo.com/blog/35119/


「皇位継承の行方を巡って、男系論者と女系論者が
激しく対立しているという見方がある。」

「しかし、女系論者というのは恐らく“いない”はずだ。」

「天皇が国民にお寄せになるお気持ちを最も自然に受け継がれている
“直系”のお子様がおられる時は、男女の性別に関わりなく、
その方に皇位を継承して戴くのが相応しいと考えている以上、
あくまでも「直系」優先であって、決して「女系」優先ではない。」


男系論者というのが、男系男子限定であれば、女系論者といえば、女系女子限定ということになります。しかしそんな非現実的で、継続不可能な案を推している人は、誰一人いません。
男系でも女系でもよい、双系を認めるというのが、男系論者が女系論者だと呼んでいる人々の現実です。すなわち女系論者という呼び方は、誤りです。天皇に、男子と女子のお子様がいらしたら、女子が年下でも優先するということでもありません。あくまでも、天皇の直系のお子様、そして、男女問わず、長子優先なのです。


「一方、男系論者とされる方々も、以下のように発言されている。」

高森氏は、百地章氏、八木秀次氏、新田均氏、宇山卓栄氏のそれぞれの著書から、文章を引用されています。それぞれ、「万策尽きれば、女系継承を有り得る」ことを、異口同音に述べておられます。

「皆、男系“絶対”(=女系排除)ではなく、
男系“優先”(=女系容認)という立場だ。
しかし、旧宮家系国民男性または広く国民の中の
「皇統に属する男系の男子」が“特権的”に皇籍を
新しく取得する方策は、明らかに憲法に違反する
(第14条が禁じる「門地による差別」に当たる)以上、
すでに「万策尽き」「男系継承の維持は不可能」なので、
「皇統を守るために」「女系継承もあり得る」という
結論を受け入れるるべきではないか。」


男系論者といっても、実は男系“優先”(=女系容認)なのです。そして、有識者会議が、あれだけ検討を重ねて出された結論が、男系維持について、あやふやな方策しか提案できていないことが、すでに「万策尽きている」ことの証明です。

常識的に考えて「皇統を守るため」、双系の容認に舵を切る時は、今なのです。

男系男子が維持できなければ皇室が無くなってもいい(?)という、信じられない発言をする人もいますが、それはあくまで少数の変わり者だと思います。

大多数の日本人には、皇室を無くしたくない、そのために女系容認=双系容認もやむをえないということを、きっと理解していただけると思います。


今日も読んでいただきありがとうございました。
今日は、雨が降って気温も下がりました。
連休初日ですね。皆様、どうぞお身体に気をつけて、楽しい連休をお過ごしください。

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竹田恒泰氏に操られた人々―小室さんバッシングの背景 [皇室典範改正]

DSC_179620211016blog.JPG
眞子内親王のご結婚の日取りも決まり、今後の日程が発表されました。

今後の日程(10月15日宮内庁発表)

10月18日 小室さん 秋篠宮ご夫妻にあいさつ

10月19日 眞子内親王、皇居・宮中三殿参拝*

10月22日 天皇・皇后陵陛下にあいさつ*

10月25日 上皇ご夫妻にあいさつ

10月26日 婚姻届け提出後、都内ホテルで記者会見

*「朝見の儀」など、取りやめとなった結婚関連儀式の対応。

略式であっても、宮中三殿参拝、天皇・皇后両陛下にあいさつが行われることをうれしく思います。 ご結婚を心よりお祝い申し上げます。


マスコミとネットの世論誘導により小室佳代さん、圭さんが悪人だというイメージが広まりました。(ご結婚が決まってからは、一部を除くマスコミは手のひら返し、ご結婚賛成、容認の論調に。ハシゴを外されたと思う人もあるようです。)

小室佳代さん、圭さんの記事を読むとマスコミのいい加減さが見えて来ます。誰にもある小さなミス程度のことを、毛を吹いて傷を求める如く大げさに書きたてる。加えて根拠のないうわさ、デマ、フェイクニュースを流す。火のないところに煙を立てたことが、次第に明らかになるでしょう。

印刷媒体は証拠が残りますが、証拠が残りにくいネットでは、いっそう悪辣な情報操作をする。その結果、多くの人が洗脳されて、ごく普通の人を悪人や犯罪者に仕立てることに、恐ろしさを感じます。過去をかえりみれば、オウム真理教の洗脳、古くはヒトラーのファシズム。こうしてウソが広まり、無実の人が甚大な被害を受けることの恐ろしさを感じました。

私個人としては、眞子さまがご結婚されてめでたしめでたしとしたい、今さら余計なことを書きたくないです。しかし日本の未来を考えると、騒動の原因をあいまいにしせず、記録にとどめることが必要であると思い、あえて書き留める事にしました。

今回は竹田恒泰氏に焦点を当てます。竹田氏に個人的な恨みはありません。しかし、このまま見過ごせば、日本と皇室の将来を傷つけた悪人を、いつまでものさばらせることになります。竹田氏と彼を担ぎ上げた人たちに、大いに反省を促したいと思います。


竹田恒泰氏は、インフルエンサー(ネットを通じて多大な影響を与える人)です。その竹田氏が、竹田チャンネルというyou tube動画で、ざっと数えただけで20回以上、小室さんのバッシング動画を流し続けました。(以下の動画を表示した上で、関連する動画リストを、私自身が数えたものです。)

https://m.youtube.com/watch?v=zZFLXNU4aUg

20以上の動画の視聴回数は、各々10万から70万回。竹田氏単独の動画、竹田チャンネル、でこれだけの影響を与えています。他者のインタビュー動画も加えたら大変な影響力でしょう。

私が出入りしている掲示板でも竹田氏の熱烈な支持者が動画を拡散し、宮内庁にご結婚反対のメール投稿を呼び掛けていました。掲示板の中では反論しました。コップの中の嵐ですが。

竹田氏の作戦が功を奏し、有識者会議の結論が、女性宮家創設を検討しないとされました。竹田氏は、作戦勝ちだと言わんばかりに大喜びでした。以下は東スポWebの記事です。


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明治天皇の玄孫で政治評論家の竹田恒泰氏(45)が、秋篠宮眞子さま(29)との結婚問題渦中の小室圭さん(29)を〝絶賛〟した。

 竹田氏は21日、自身のユーチューブチャンネルを更新し、菅義偉首相が皇位継承問題をめぐり有識者会議を立ち上げ、議論したというニュースについて私見を述べた。

 同会議では今後の継続審議を確認しつつも、皇位継承は「男系男子を尊重した上で皇族数を増やす」と結論。これに竹田氏は小室さんを「KK」と表現した上で「KK現れたから女性宮家の話が吹っ飛んだ。(中略)

(有識者会議で)「現状維持だが、議論は深めていかなければならない」という結論になることを危惧していたが、実際は「男系男性を尊重」と明記された。


[以下竹田氏の発言を記事から抜粋]

「女系天皇、女性天皇、女性宮家、皇女制度もKKで吹っ飛びましたよ。」

「KKの破壊力すげー。よく(議論を)ぶっ壊してくれたよ。私は15年も前から言ってた。『女性皇族が変な男連れてきたらどうするんですか』」

「有識者会議なんて客寄せパンダ。政府が最初から答えを決めてて、有識者呼んでみんなで結論付けたことにしてるだけ。つまりこれが菅さんの頭の中の答え。女性宮家認めたら内閣吹っ飛びますからね」

(『竹田恒泰氏が小室圭さんを絶賛 女性宮家の議論が後退「KKのおかげ」「全部吹っ飛んだ」』東スポWeb  2021年06月23日 18時39分)
https://www.tokyo-sports.co.jp/entame/news/3336159/

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竹田恒泰氏が、女性天皇、女性宮家、女系天皇反対の政治目的に、小室さん母子を最大限利用したことを、正直に告白しています。竹田氏は政治的意図で、罪のない一般庶民を、悪人に仕立て上げたのです。

眞子さまがもしもご結婚をあきらめていたら、人生をめちゃくちゃにされた小室さん母子はどうなったでしょう。眞子さまの選択は、その意味でも、賢明だったと思います。

有識者会議「客寄せパンダ」発言も、政府のこともバカにし切っています。しかし「女性宮家認めたら内閣吹っ飛びますからね」と、裏事情を暴露するのは、馬鹿正直というべきか、愚か者というべきか。菅首相だって、俺の思い通りになるんだぞと、言わんばかり。まったく情けない内閣ですね。

こういう品のない恥しらずの奸物を「宮様、宮様」と持ち上げた人たち、情報を拡散した団体(N会議など)。時が経ち、真実が明らかになったら、道義的責任は免れません。人間は見過ごしても、おてんとうさまが見てござる。覚悟を決めておくとよいでしょう。

なぜ、竹田恒泰氏が影響力を持ちえたのか。考えて見ました。


1、 旧皇族、宮様、血筋、家柄になびいてしまう、日本人の体質

① 旧宮家の子孫に過ぎないのに、「宮様、旧皇族」と錯覚させた、詐欺的手腕。
② 明治天皇の玄孫という肩書。(女系の玄孫なのに!)

2、 日本の古典、皇室の知識を悪用
① 古事記、日本書記を利用して、愛国者のふりをした。
② 皇室の知識を利用して、尊皇家のふりをした。

竹田氏のファンは、古事記、日本書紀などの古典や皇室の知識を得た喜びに、知らなかったことに眼を開かされたと、恩義を感じたのかも知れません。恩義と、無批判で支持者になることは、分けて考えるべきでしょう。詐欺師の操り人形になるようでは、知識は何の役にも立ちません。


[教訓]

1、血筋、家柄がよくても全面的に信用するな。中には詐欺師も犯罪者もいる。
2、古典や皇室に関する知識が豊富でも、愛国者、尊皇家であるとは限らない。

世の中、色々と勉強になります。


今日も読んでいただき、有難うございました。
すっかり秋になり、柿が色づいています。
皆様、お身体に気をつけて、豊かな実りの秋を満喫してください。

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眞子内親王と小室圭さんのご結婚について [皇室典範改正]

DSC_186520210916blog.JPG今日は眞子内親王と小室圭さんのご結婚について書こうと準備していたところ、小室さんが米国から帰国、記者会見を検討しているとのNHKのニュースが飛び込んできました。このことにより、すべてが良い方向に進むことを祈らせていただきます。

眞子様と小室さんのご結婚が具体的になり、これで世論が収まるかと思ったのですが、マスコミはここぞとばかり色々な記事を発信しています。ある意味不思議な現象です。プラスに考えれば、皇室への国民の関心がそれだけ高まっているということであり、無関心から一歩前進したと受け取ることもできます。

9月15日のnippon com 斎藤勝久氏の記事中には、日本国民に、ご結婚に強く反対する人たち、皇族の結婚の自由を認めるべきだと祝福する人、そして眞子さまの決断を心配する人たちと、国民は3群に分断と書かれています。「分断」は穏やかでないのでそう思いたくありませんが、国民に3つの意見があるというのはそのとおりだと思います。

https://news.yahoo.co.jp/articles/fcd1af2385caeb2f609840b8bf28e4e686ebea36?page=1

私は「皇族の結婚の自由を認めるべきだと祝福」する意見ですが、ここまでマスコミのマイナス報道があると「眞子様の決断を心配する人たち」の気持ちも理解できます。一方、ご結婚に強く反対する人たちには全く賛同できません。厳しい言い方になりますが、やみくもに反対するのは、自らの立ち位置を省みることができない愚かな意見だと思います。


眞子様、小室さんのご結婚について、「愛子さま 皇太子への道」サイトでは一貫して賛成の気持ちを表わし、眞子様を応援しています。ご結婚が決まってから、「眞子さまへ言葉の花束を」ということで、宮内庁あてに、各人がお祝いのメールを送らせていただきました。

(「眞子さまへ言葉の花束を」愛子さま 皇太子への道)
https://aiko-sama.com/archives/6777

私も賛同者の一人として、メールを送らせていただきました。

その中で、ご結婚お祝いの言葉と、眞子さまのこれまでの国際親善について、次のように書かせていただきました。

☆☆

眞子様、小室圭さん、ご結婚との報道、真におめでたく、お二方のお幸せをお祈り申し上げます。眞子様がどんな困難にもくじけることなく純愛を貫かれたことに清々しさを感じます。大切な小室圭さんと手を取り合って、今までご苦労された分、思い切り、幸せな人生を歩んでください。

かつて、ブラジル移住110周年記念式典、パラグアイ日本人移住80周年記念式典における眞子さまの気品あふれるお姿を拝見し、ご結婚後も女性宮家当主として伴侶の方と国際親善にご活躍なさることを念願しておりましたが、皇室典範改正が間に合わず、眞子様のご結婚前に女性宮家当主という選択肢をご用意できなかったことを、国民の一人として大変申し訳なく存じます。

☆☆

メールを書きながら、眞子内親王と言う貴重な人材が皇室から失われることの悲しみを思い、不覚にも涙が浮かんで参りました。女性宮家創設が間に合わなかったことに対して、自分の力不足を不甲斐なく思いました。


眞子内親王と小室圭さんのご結婚問題が明らかにしたもので、マスコミがあまり報道していないことがあります。

ヤフーのコメント欄を見ていると、皇族が結婚するお相手の身辺調査をなぜしなかったのかという意見が見られます。

なぜそのような調査がなされないのかというのは、皇室について正しい知識があれば、すぐに分かる事です。

一般国民の人権は憲法で保障されており、理由もなく私生活を調査することは、人権侵害の恐れがあります。宮内庁や総理大臣という公的な立場の方が、理由なく一般国民の私生活を調査することはできません。

調査できるのは、小室圭さんが皇室入りすると決まった時だけです。皇室は、入る人には厳しいですが、出て行く人には寛大です。それは、天皇、皇族(憲法第一条)と、一般国民(憲法第三条)との間に、容易に越えられない違いがあるからです。

眞子内親王が一般国民になられた後は、配偶者である小室さんと同様、一般国民である眞子様の私生活を暴きたてることは、人権侵害になります。

民主主義の国である日本に、なぜそのような身分の違いがあるのかというのは大きな命題であり、別の熟考、議論が必要なテーマかも知れません。また皇室のバッシングは人権侵害にならないのかという重要な問題もありますが、それは別の場で論じたいと思います。

小室さんに関連する報道は一般人として、名誉棄損で訴訟できるレベルに達しているのではないでしょうか。小室さんは、そのようなことはされないと思いますが、私のような凡人が小室さんの立場であれば、ご結婚後に、週刊現代を始め各出版社に名誉棄損の裁判を起こしたくなるでしょう。それほど、酷いものだと思います。

皇族の伴侶になる方の家柄や経歴がそれほど気になるのなら、眞子内親王がご結婚後も皇族でいられるように、伴侶になる方も皇室入りできるように、皇室典範を改正して女性宮家を創設すればよかったのです。そうなっていれば、誰はばかることなく、小室圭さんの身辺調査が行われる運びになったはずです。


ご参考に皇室典範で関係する条文を、以下に列記します。

++++++++++++
第二章 皇族[第五条~第十五条]

第十条 立后及び皇族男子の婚姻は、皇室会議の議を経ることを要する。

第十二条 皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる。

+++++

第五章 皇室会議[第二十八~第三十七条]

第二十八条 皇室会議は、議員十人でこれを組織する。
② 議員は、皇族二人、衆議院及び参議院の議長及び副議長、内閣総理大臣、宮内庁の長並びに最高裁判所の長たる裁判官及びその他の裁判官一人を以て、これに充てる。
③ 議員となる皇族及び最高裁判所の長たる裁判官以外の裁判官は、各々成年に達した皇族又は最高裁判所の長たる裁判官以外の裁判官の互選による。
第二十九条 内閣総理大臣たる議員は、皇室会議の議長となる。

(「昭和二十二年法律第三号皇室典範」e-GOV法令検索)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000003

++++++++++++++++++


なお、第十条は、以下のような仮の改正案が、考えられます。
(高森明勅著『天皇「生前退位」の真実』幻冬舎新書 186P)

+++++++++++

第十条 天皇及び皇族の婚姻は、皇室会議の議を経ることを要する。

+++++++++++


このように改正されれば、眞子内親王のお相手は、内閣総理大臣を議長とする皇室会議で審議されることになります。当然、厳しい身辺調査が行われるでしょう。身辺に問題が無ければ、内親王が皇族の身分に留まられ、配偶者は皇族入りとなります。万が一問題があれば、その時点で眞子様のお気持ちによるご決断がなされるでしょう。(畏れ多いことですが、ご結婚を諦めていただくか、皇室離脱かという2択から、選んでいただくことになるでしょう。)

小泉内閣の提言以来、15年間も、この重要な大前提を準備できなかった歴代政権、政権にそれを要求しなかった皇室に無関心な国民の怠慢が、今日の騒動の最大の原因であることは、少しでもものを考えたことのある人なら、誰でも容易に理解できるはずです。

先日のブログで、高森明勅氏の文章を取り上げました。繰り返しになりますが、一部、再掲します。
https://onkochisin.blog.ss-blog.jp/2021-08-22


☆☆☆

対象となる内親王方などは、物心がついて以来、長年、女性・女系天皇、女性宮家を巡る議論が行われて来た事実は、当事者ゆえに熟知しておられるはずだ。だから、唐突な話ではもとより無い。むしろ、「世襲」の「象徴」天皇という制度を維持するのであれば、決して避けられない課題に対して、政治の怠慢と国民の無関心によって、現在まで結論が先延ばしされて来たことの方が、申し訳なかった。


この間、ご自身の将来が見通せない辛さを、ずっと抱え続けてこられたはずだ。これ以上、宙ぶらりんの状態を強制し続けることこそ、残酷な仕打ちだろう。だから、その意味からも、一刻も早く決着をつける必要がある。

(「女性・女系天皇、女性宮家という選択肢が抱える難題とは?」2021.08.21高森明勅公式ブログ)
https://www.a-takamori.com/post/210821

☆☆☆


「政治の怠慢と国民の無関心」によって、結論が先延ばしされ、女性皇族に「宙ぶらりんの状態を強制し続ける」「残酷な仕打ち」が15年間も続いてきました。

重要な皇室典範改正という課題の放置、その歪みが国民感情のねじれを引き起こし、小室さんのバッシング→眞子内親王のバッシング→秋篠宮家のバッシングにつながっていると私は見ています。

種を蒔いたのは「男系固執」をつらぬこうとして「女性宮家潰し」に専念した、いわゆる男系派です。竹田恒泰氏の言動はその典型です。男系派は、何が何でも「悠仁様の即位」をと熱願しているのですが、国民の意志は、男系派の予想とは、別の流れに進んでいます。

おおざっぱな言い方ですが、男系固執派の圧力を恐れて政府が皇室典範改正を15年間も先延ばしにしていた結果が、今日の秋篠宮家バッシングを引き起こし、従来の皇室否定派、皇室不要派の人々を活気づけているといっても過言ではありません。男系固執派は、どうやって責任をとるつもりなのでしょう。

大切なお姉さまが国民のバッシングで酷い目に遭わされている有様、次のターゲットが佳子様に移ろうとしている有様をご覧になって、思春期を迎えられた悠仁親王がどのようなお気持ちでいらっしゃるかということも、察して余りあるものがあります。早く何とかして差し上げたいです。

皇室典範を改正して、天皇陛下の直系長子でいらっしゃる敬宮愛子内親王が皇太子になられるのが、唯一の問題解決法であることがいよいよはっきりしてきたと思います。

秋篠宮さまには、次期天皇ではなく天皇の弟宮として、より自由に伸び伸びとご活躍いただきたいと存じます。


今日も読んでいただき、ありがとうございました。
秋らしいさわやかな気候になって参りました。台風も来るようなので油断はできませんが。
皆様も、どうぞお健やかな日々をお過ごしくださいますよう、お祈り申し上げます。

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竹田恒泰氏はなぜ女系天皇に反対するのか(3) [皇室典範改正]

121011_155221_-20210825blog.JPG3回にわたり竹田恒泰氏の女系天皇反対について、論じて来ました。

質問して来たTさんが持ち込んだ文章は、2006年頃の講義原稿とのことで、やや古いのですが、それに合わせて回答してきたからです。今日は、新しいニュースをお届けします。

今日(25日)東京新聞朝刊に、竹田恒泰氏と門田隆将氏の対談本、『なぜ女系天皇で日本が滅ぶのか』との宣伝広告が載っていました。購入して批評すれば丁寧なのですが、対談本の見出しとアマゾンの読者の声を読めば内容の見当がつくので、今のところ購入の予定はありません。

つまるところ、女系天皇を採用しないで、旧皇族から養子を迎えよ、という論を竹田氏は強力に推し進めようとしているようです。

信頼できる友人から聞いた話でが、旧宮家の単純な皇籍復活が不可能という意見が行き渡ったので今は養子案を推しているようです。

① 竹田氏の主張では「4、5家の旧宮家を復活すればよい」とのことである。
② しかし臣籍降下した21宮家の内、直系の男子が残っているのは、わずか4家である。
③ 4家の男子でも、年齢がかなり高い方もあり、皇籍復帰したいという希望者は一人もいない。

友人の見方では、竹田氏の主張をそのままに受け取るなら、4家未満、つまり3家だったら、復活してもその後が続かない、つまり竹田氏は、宮家復活はできないことを知っているのではないか。それは旧宮家から養子を迎える場合でも同様である。不可能であることを知っていてそれを強力に推進するのは、実は皇室を無くしてしまいたいと考えているとしか思えない。竹田氏は「女系天皇は左翼の陰謀」というが、竹田氏こそ「皇室を無くしてしまいたい左翼に操られているのではないか」という意見でした。

友人の「左翼に操られている」は言葉が過ぎるかもしれません。しかし実現不可能なものを実現できるように装って「先延ばし」の時間稼ぎを続ければ、結果的に「皇室が無くなる」方向に限りなく近づくことという現実を思えば、あながちデタラメとも言えません。利用されていることに、ご本人は気付かずにいるのかも知れません。

上記書籍の小見出しに

○「〝中国系〟〝韓国系〟の天皇が誕生!?」
○『男系は「女性差別」でなく「男性排除』

とあります。

〝中国系〟〝韓国系〟の内容は、男系派と対話した時によく聞かれた「女性天皇が外国人と結婚したらどうするんだ?」との質問に合致します。なぜ「女性」なら外国人との結婚を心配し、男性天皇の心配をしないのかとの疑問もありますが、それ以上に、竹田氏の強烈な外国人排除、差別主義的な意思が感じられます。

つい最近、竹田氏の差別主義的であるとの指摘は「公正な論評」であるとの、東京高等裁判所の判決が、下りたことを知りました。

竹田恒泰氏が、紛争史研究家の山崎雅弘氏を名誉棄損で訴えた裁判の第2審で、竹田氏の控訴が棄却されたとのニュースが、昨日、流れました。


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ツイッターで「差別主義者」「いじめの常習者」などと指摘されたのは名誉毀損(きそん)だとして、作家の竹田恒泰氏が紛争史研究家の山崎雅弘氏に550万円の損害賠償と投稿の削除などを求めた訴訟の控訴審判決が24日、東京高裁であり、高橋譲裁判長は「各ツイートは公正な意見論評の表明」とし、竹田氏側の控訴を棄却した。

 判決などによると、山崎氏は2019年11月、竹田氏が富山県朝日町教育委員会主催の講演会に講師として招かれることについて、中高校生に「自国優越思想」を植え付けるなどと批判する投稿をしていた。
 高橋裁判長は、竹田氏が書籍やツイートで中国や韓国に対し攻撃的、侮蔑的表現を多数使用したと認定。山崎氏の投稿は「(竹田氏の)言動や表現方法から導かれる意見論評として不合理と言えない」と結論付けた。
 一審東京地裁も今年2月、山崎氏の投稿を「公正な論評で違法性を欠く」として、請求を棄却していた。

(『作家の竹田氏、二審も敗訴 差別指摘は「公正」―東京高裁』2021年08月24日15時45分 時事ドットコムニュース)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021082400736&g=soc

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第二審の東京高等裁判所は、以下の通り、山崎雅弘氏の意見論評が不合理と言えない、名誉棄損に当たらないとの判決を下しました。

○高橋裁判長は、竹田氏が書籍やツイートで中国や韓国に対し攻撃的、侮蔑的表現を多数使用したと認定。

○山崎氏の投稿は「(竹田氏の)言動や表現方法から導かれる意見論評として不合理と言えない」

これに先立つ第一審の東京地方裁判所でも、『差別指摘は「公正」』との判決が出ています。


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判決によると、山崎氏は2019年11月、富山県朝日町教育委員会が、中高生らを対象とした講演会に竹田氏を講師として招くことについて、「問題なのは、公的機関が特定国やその出身者に対する差別やいじめの常習者である竹田氏を登壇させること」などとツイッターに投稿した。
 竹田氏は投稿について「誹謗(ひぼう)中傷で、人格攻撃を繰り返した」と主張。損害賠償と投稿の削除などを求めていた。
 前沢裁判長は、竹田氏が著書で「(中華民族は)民度の低い哀れむべき方々」と記したことや、「韓国は、ゆすりたかりの名人」とツイッターに投稿したことなどに触れ、山崎氏の投稿は人権侵害や差別が広がることを懸念した公益目的があり、「相応の根拠がある」と判断した。

(『差別指摘は「公正な論評」 作家の竹田氏敗訴―東京地裁』2021年02月05日18時27分 時事ドットコムニュース)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021020501172&g=soc

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私は上記の竹田氏の中華民族、韓国に対する言葉を見ただけで、目が点になるくらい驚きました。中華民族、韓国に対して、こんなヒドイ中傷を著書に書いたり、ツイッターに投稿したりする人物が、皇室に縁のある宮家の一員であるかのようにふるまうのは、日本の大いなる恥です。そんな人物を中高生を対象とした講演会に招こうとした、富山県教育委員会の見識の無さにあきれます。

竹田氏が「特定国、その出身者に対する差別、いじめの常習犯」であるという山崎氏の指摘に、私も心から同意します。

山崎氏は、

「問題なのは、公的機関が特定国やその出身者に対する差別やいじめの常習者である竹田氏を登壇させること」

との言葉をツイッターで表明したそうです。

山崎雅弘氏の勇気に、拍手を送ります。

特定国、その出身者に対する差別、いじめのみならず、出自が一般庶民だからとして、小室さんを「差別、いじめ」の対象にしていることも、竹田氏の同じ性根から出ているのだと思います。根っからの差別主義者なのだと思います。

山崎氏は、ツイッターで、以下のように投稿したそうです。

「この人物が教育現場に出してはいけない人権侵害常習犯の差別主義者だとすぐわかる」

短い言葉で、的確に表現できていると、感心いたしました。「人権侵害常習犯」「差別主義者」との竹田恒泰氏の本質がよく表されています。

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一審の東京地裁と同じく、ツイートを「論評」と認めた控訴審判決を受けて、山崎さんは「私の一連の投稿が、社会から差別をなくすという公益に寄与する公正な論評だと認められました」とコメントした。

●「教育現場に出してはいけない人権侵害常習犯の差別主義者」と指摘していた

山崎さんは2019年11月8日、富山県朝日町の教育委員会が竹田さんを講師とした講演会を主催することについて取り上げ、「この人物が教育現場に出してはいけない人権侵害常習犯の差別主義者だとすぐわかる」などツイートした。

竹田氏は一連の5つのツイートを名誉毀損だとして、損害賠償や投稿の削除などをもとめて提訴したが、東京地裁は論評であり、違法性はないとして請求を棄却していた。

東京高裁もまた、竹田さんのツイートや発言、著作などの言論を踏まえたうえで、山崎さんのツイートが論評にあたると評価した。

(『竹田恒泰さん、二審も敗訴 「差別主義者」ツイートは名誉毀損にあらず「公正な論評」』8/24(火) 16:28 弁護士ドットコム ニュース)
https://news.yahoo.co.jp/articles/60913911deb09052f7ff16bf32a98d844fdc2524

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先ほどの、竹田氏著書の小見出し『男系は「女性差別」でなく「男性排除』も、竹田氏が得意げに繰り返す言葉です。「男性排除」というなら、「男性排除」もやめましょう。「男性排除」は「男性差別」を言い換えただけのことです。

「男性差別」もダメなのです。女性も男性も不当に差別されないのが、皇室本来の伝統です。女性も男性も尊重されてこそ、皇室本来の伝統にかなうのであって、「男性差別」があることが皇室の伝統だというのは、コンコンチキの大間違いです。

男性も女性も差別されない皇室の中にこそ、新しい生き生きとした日本の伝統が再生します。

男性も女性も、等しく活躍できる皇室をいただきたい、それが保守系であれ、革新系であれ、思想に関係なく、大多数の日本人の願いであると思います。日本人のみならず、親日的な外国人の中にも、その差別心の無い皇室の姿を見て、感動している人々があると思っています。


今日も読んでいただき有難うございました。
皆様にとって新しい良き日々が訪れますよう、お祈り申し上げます。

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女性天皇、女系天皇、女性宮家という選択肢の難題 [皇室典範改正]

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*わが家の朝顔が咲きました。持ち主に似て、のんびり遅咲きですが眼を楽しませてくれます。*



高森明勅氏が「女性・女系天皇、女性宮家という選択肢が抱える難題とは?」との文章をブログに書かれました。高森氏が「難題」とされた3点について、考えて行きたいと思います。

高森氏は、次の3点を「女性・女系天皇、女性宮家」を選択する上の難題とされています。

①当事者となられる内親王方などご本人のお気持ちはどうか?
②果たして国民男性からご結婚相手が現れるか?
③男系男子に頑固に拘る少数の反対論者が残り続けるのではないか?

高森氏のお答えは明快なので、全文をそのまま読んでいただきたいと思います。自分の学びのために、感想を述べさせていただきます。

(「女性・女系天皇、女性宮家という選択肢が抱える難題とは?」2021.08.21高森明勅公式ブログ)
https://www.a-takamori.com/post/210821

以下、部分引用させていただきます。


☆☆☆

《内親王方ご本人のお気持ちは?》

①について、対象が国民である場合は、憲法第3章が規定する基本的人権を享有する主体なので、勿論、ご本人の自由意思が大前提になる。旧宮家案の“最初の”ハードルはそこにあった。

しかし、憲法第1章の適用を受ける(一方、第3章の全面的な適用は受けない)内親王方などの場合、制度の建前として、自由意思は必ずしも絶対的な前提とはならない。


対象となる内親王方などは、物心がついて以来、長年、女性・女系天皇、女性宮家を巡る議論が行われて来た事実は、当事者ゆえに熟知しておられるはずだ。だから、唐突な話ではもとより無い。むしろ、「世襲」の「象徴」天皇という制度を維持するのであれば、決して避けられない課題に対して、政治の怠慢と国民の無関心によって、現在まで結論が先延ばしされて来たことの方が、申し訳なかった。


この間、ご自身の将来が見通せない辛さを、ずっと抱え続けてこられたはずだ。これ以上、宙ぶらりんの状態を強制し続けることこそ、残酷な仕打ちだろう。だから、その意味からも、一刻も早く決着をつける必要がある。

(「女性・女系天皇、女性宮家という選択肢が抱える難題とは?」2021.08.21高森明勅公式ブログ)
https://www.a-takamori.com/post/210821

☆☆☆

[感想]


「憲法第1章の適用を受ける(一方、第3章の全面的な適用は受けない)内親王方などの場合、制度の建前として、自由意思は必ずしも絶対的な前提とはならない。」

「もしご本人に辞退されるお気持ちが強い場合は、個別に皇室典範の第3条(皇位継承の順序の変更)や第11条(皇族の身分の離脱)などの適用が検討されるべきだろう。」

上記に、「憲法第1章の適用を受ける(一方、第3章の全面的な適用は受けない)内親王方」とあります。しかし「ご本人に辞退されるお気持ちが強い場合」皇室典範の第3条、第11条を適用すれば、辞退のお気持ちを通されることも可能なのです。

誤解している人もあるようですが、天皇でも、皇族でも、ご本人に「天皇、皇族のお務め」を辞退するお気持ちが強い場合、そのお気持ちをとどまらせることはできません。

天皇、皇族は、国民が享受している権利を制限されても、ご自身の「自由意思」で、今のお務めをしてくださっているのです。そのことに国民は気付いて、そのお気持ちを受け止めて、まず感謝しなければならないと思います。

当事者であられる内親王方が、「女性天皇、女性宮家」について熟知されているのは疑う余地がありません。それなのに、2005年の小泉内閣の有識者会議による検討以来、女性宮家創設について、16年間もの間、「政治の怠慢と国民の無関心によって、現在まで結論が先延ばしされて来た」のです。誰かが何とかしてくれる、政府がちゃんと対応してくれると、人任せにしてきたからです。国民の一人として、申し訳なかったと思います。それで今は、微力ながら、このような情報を発信し続けています。


「将来が見通せない辛さを、ずっと抱え続けてこられたはずだ。」
「一刻も早く決着をつける必要がある」

に心から共感を覚えます。笑顔でこの不安に耐えて来られた皇室の皆様にいつまでも甘えていてはいけないと思います。一刻も早く決着をつけて、将来を見通せるようにして差し上げなければなりません。


☆☆☆

《ご結婚のお相手は?》

②は、政治(政府・国会)が関与できる領域ではない。
お相手は国民である以上、上記の通り、もっぱら当事者の自由意思に委ねられるべき事柄なので、制度上の議論にはなじまない。
(中略)
国民的な課題として、皇室の方々の人格や名誉が、一方的に傷付けられ続けるこれまでのような状況は、いつまでも放置できない。畏れ多いが、秋篠宮家のご長男、悠仁親王殿下のご結婚も、
(男系維持なら、必ず男子を生まなくてはならない重圧を避け難い、という事情に加えて)いつバッシングの標的にされるか分からない状態が続けば、困難を極めるだろう。

(同上)
☆☆☆


[感想]

「ご結婚のお相手が国民である以上、当事者の自由意思に委ねられるべき事柄」は、その通りで、美智子さま、雅子さまの時と同じで「当事者の自由意思」が何より大切だと思います。

皇族入りに当たって皇室会議で検討されますが、それ以外の制度を議論する事柄ではありません。天皇の男系男子の血筋の方ということを男系派は希望するでしょうが、それは国民のわがままというものです。

気になるのは、皇室への激しいバッシングに歯止めが効かなくなっている現状です。平成には美智子さまのバッシング、雅子様のバッシング、直近では小室圭さんから眞子さま、秋篠宮さまに波及しているバッシングがそれです。

戦前の不敬罪など法的な規制を設けたくなりますが、それでは国民と皇室の距離を遠ざけることになりかねず、法的な規制には、慎重であるべきだと思います。

いちばんよいのは、多くの国民が皇室を正しく理解して、マスコミの見当違いなバッシングに対して、デマをきちんと見分けて、誤った情報の拡散に歯止めをかけることでしょう。

小室圭さんのことでも、「行き過ぎではないか」という記事も、ぼつぼつ出てきています。そういう冷静な記事を読んで支持を表明する、国民が事実を正しく見極める知恵と行動を身につけるのが、根拠のないバッシング拡散をとどめる特効薬だと思います。

本来は、小学校からの学校教育で、天皇、皇室について、基本的な知識を身に付けさせる必要があると思います。私は学校時代、一切、そういう教育を受けませんでした。成人してから、幸運にも天皇のことを知る機会を得ましたが、それがなかったら、今でも天皇、皇室は遠い存在だったと思います。世界の至宝ともいうべき、日本の天皇を中心とした国のありかたについて、何も知らないのはもったいないことです。宝の持ち腐れです。


☆☆☆

《頑固な反対派は?》

③について、私の肌感覚として、さすがに頑固な「男系」固執派の数は、次第に少なくなっているように感じている。しかし、上皇陛下のご譲位に対しても、「権威の二重化」が起こるなどと全く見当外れの懸念を述べ立てて(これは、ご譲位後の上皇陛下のお振る舞いへの不信感を前提としなければ、出て来ないはずの不敬・非礼な言い分だった)、最後まで反対した少数者が存在した
(令和の今、彼らが主張したような状態は、国内のどこにも存在しない)。
(中略)
上皇陛下のご譲位によって、平成から令和への御代替わりが実現した時の全国民的な祝福の前には、一握りのご譲位反対派の存在など、まさに物の数ではなかった事実を思い起こせばよい。

(同上)

☆☆☆


[感想]

『頑固な「男系」固執派の数が、次第に少なくなっている』は、安心材料です。頑固に男系継承に固執して、志望者が無く、様々な困難な条件により、宮家系男子の皇籍復帰は実現の可能性が限りなく0に近いのですが、仮に実現できたとしても、側室制度なしでは皇室は存続できません。昭和22年に21の宮家が臣籍降下しましたが、現在、男子の後継者がいらっしゃるのは4、5家であると聞きます。4分の1、5分の1に減少しているのが、そのことを証明しています。

天皇を中心とする国のあり方を願い、皇室の末長い存続を願うなら、女性天皇、女系天皇、女性宮家しか打開の道は無いという、当然な道理を理解してくれる人は、確実に増えて行くでしょう。

理屈に合わないのに見当はずれの反対を唱える少数者は最後まで残るとのことですが、論より証拠で、いざ女性天皇、女性宮家が実現すれば、圧倒的なお祝いの声の前に、自然に消えて行くでしょう。


今日も読んでいただきありがとうございました。
夏も終わりに近づき時折、秋の雲が見られます。お健やかな毎日でありますようお祈り申し上げます。


タグ:女系天皇
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竹田恒泰氏はなぜ女系天皇に反対するのか(2) [皇室典範改正]

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*ミョウガの花が咲きました。ミョウガの味は落ちますが、花は可憐です*




一昨日の、竹田恒泰氏の文章について、続きです。



男系派のTさんとのやりとりで、私は

「天皇陛下、上皇陛下が『女系容認』だとしても、男系派は、断固反対するつもりなのですか。」

と質問しました。


それに対する答えとして、Tさんが引用して来たのが、竹田恒泰氏の次の文章でした。


+++++++++++++++

■皇位継承問題と大御心
 よく「大御心(おおみごころ/天皇の意思)」という言葉が間違って使われているが、大御心とは皇祖皇宗の遺訓に他ならず、今上天皇の個人的な意思のことではない。
 葦津珍彦先生は「天皇の地位が世襲的なものである以上、天皇の意思と云ふのも世襲的なものでなければ意味をなさない」と仰った。また先生によると、大御心は天皇の個人の意思よりも、遥かに高い所にあり、また大御心とはすなわち日本民族の一般意思であって、時代によって変化する民衆の多数意思よりも貴いという。
 したがって、もし天皇がそのような大御心に反する事を仰せになったなら、これは「聞いてはいけない」ということになる。幕末に孝明天皇から第二次征長戦争の勅許が降りた時、大久保利通が西郷隆盛に宛てた書簡には「非義の勅命は勅命に非ず」と書かれていたことはよく知られている。本来勅命は天下万民が承知してこそ勅命なのであり、この勅命には大義が無いから勅命とは言えないので、自分はこれに従わないというのだ。
 もし天皇の個人的な御意思と大御心が食い違った場合には、当然大御心を優先させなくてはならないのである。

(「第5回 皇位継承問題と大御心」北海道神宮ホームページ)
http://www.hokkaidojingu.or.jp/sizume/column/takeda5.html
++++++++++++++++++++++++++++


Tさんいわく、天皇の御心が歴代天皇の大御心と異なっていれば、それを否定しても良いとのことです。

大久保利通が西郷隆盛に宛てた書簡に「非議の勅命は勅命に非ず」とあったそうですが、この件は前後の事情を吟味しなければならないので、ここではコメントいたしません。


『「大御心(おおみごころ/天皇の意思)」という言葉が間違って使われているが、大御心とは皇祖皇宗の遺訓に他ならず、今上天皇の個人的な意思のことではない。』と竹田氏は述べています。

「大御心」と言えば、今上天皇の御心のことで、間違いないと思うのですが、今上天皇の個人的意思のことではないというのは、何を言わんとしているのかと、考えました。


それは、私も人生百般の出来事すべてに関して「今上天皇の個人的意思」が絶対的に正しく、日本国民が何もかも細部に至るまで天皇のおっしゃるとおりにしなければならないとは考えておりません。

大久保の話だけでなく、臣下の立場で天皇の勅許に従えなかったという例は、歴史の中にも数多くあると思います。専制君主でない天皇はそういうことを許容されて来たこともあったでしょう。

しかし今話題になっている「皇統継承」という重大事について、

「臣下の我々男系派の方が、歴代天皇の大御心に通じている、歴代天皇の大御心は『男系固執で女系絶対反対である』」

という主張は見当違いであり、全く肯定できません。

国政の諸問題、国際情勢への対処など外部的なこと、世俗のことについては、現場の人間である大臣や実務者の方が、天皇よりもよく分かっているということもあるでしょう。

そのような場合、天皇は臣下を信頼されて、その意見を採用されます。

昭和天皇の昭和41年歌会始お題「声」の時の御製でもこのことを詠っていらっしゃいます。


☆☆☆

御製(昭和天皇)

日日のこのわがゆく道を正さむとかくれたる人の声をもとむる

https://www.kunaicho.go.jp/culture/utakai/utakai-s41.html

☆☆☆

天皇ご自身が、かくれたる人の声をもとめられ、日々のわがゆく道を正そうとなさった、それが日本の天皇でいらっしゃいます。決して独断専行ではありません。

しかし他ならぬ、天皇ご自身の跡継ぎの決め方について、当事者であられる天皇よりも臣下の判断が正しいなどと言うことがあり得るでしょうか。皇位継承について、最も真剣に考えられ、歴代天皇のお心を熟知していらっしゃるのが、天皇であることは、疑う余地がありません。

竹田氏と彼の信奉者である男系派の「女系天皇断固反対」が「皇祖皇宗の遺訓」であり、「歴代天皇の大御心」であるというのは、実体のない虚構であり、幻想だと思います。

あえて申せば、明治の旧皇室典範制定までは、皇統継承は「男子優先だが男子限定ではない、女子容認」が長年続いた、ということはいえると思います。それが明治22年の旧典範制定の時に「男系男子限定」に、せばめられてしまいました。

明治天皇のお考えでは「女系容認」、「譲位」、「永世皇族制廃止」を旧典範に入れるご希望であったという記録が残されています。そのような明治天皇、大正天皇、昭和天皇、上皇さまの一貫したお気持ちがあって、今日に至っているのだと思います。男系派は、この4方を歴代天皇ではないというつもりでしょうか。

小泉政権の有識者会議での検討以来、15年以上も憲法の制約を受けて直接ご発言できない中で、何回も「女系天皇」の検討、「女性宮家の創設」が話題に上っています。天皇(現在の上皇)の御内意でなくて、何回も「女系天皇」の提案が蒸し返されることがあるでしょうか。

もはや「女系天皇容認」を含めた「安定的な皇位継承」が、天皇のお気持ちにかなうことは、誰の眼にも明らかです。

竹田氏は、女性宮家創設=女系天皇論であるとして、女性宮家創設に断固反対を唱えています。女性宮家創設案を潰すために、初代女性宮家の可能性を持つ眞子さまのお相手になられる小室圭さんを散々おとしめるという策略を駆使してきました。


++++++++++++++++

■女性宮家は形を変えた女系天皇論
 ところが、皇族を確保するために、如何なる手段を講じてもよい訳ではない。女性宮家創設とは、すなわち女性皇族が民間から婿を取ることを意味する。もしこれが現実のものとなれば、皇室の歴史上、初めて民間出身の男性が皇族の身分を取得することになる。そして、その子や孫が将来の天皇となった場合、男系継承の原則が崩され、初の女系天皇が誕生することになる。
女性宮家創設というのは一般人の耳に優しく響くだろう。しかし、女系天皇を容認する国民的合意なくして、女性宮家について論じるのは適切ではない。女系天皇論者は、悠仁親王殿下ご誕生で女系天皇論が進められなくなっていたところ、最近になってこれまでと違った形で攻勢を仕掛けてきたのである。これは、天皇陛下の御体調を慮る国民の感情を巧みに利用したものであり、女性宮家創設の皮をかぶった女系天皇論にほかならず、「禁じ手」というべきである。

(『第11回 女性宮家創設は「禁じ手」』北海道神宮ホームページ)
http://www.hokkaidojingu.or.jp/sizume/column/takeda11.html
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この発言の中で、1点だけ同意できるのは、以下の一文です。

「女系天皇を容認する国民的合意なくして、女性宮家について論じるのは適切ではない。」

裏を返せば、「女系天皇を容認する国民的合意があれば、女性宮家も論じることが出来る、実現できる」ということになります。

わたしたち一人一人が「女系天皇を容認する国民的合意」を固めて、もっともっと積極的に表現することが求められています。

「皇室の歴史上、初めて民間出身の男性が皇族の身分を取得することになる。そして、その子や孫が将来の天皇となった場合、男系継承の原則が崩され、初の女系天皇が誕生することになる。」と竹田氏は危惧しています。

民間出身の女性がこれまで3方(美智子さま、紀子さま、雅子さま)皇室に入られました。それによって皇室と国民は、良い意味で一体感が強まりました。皇室は庶民を理解され、国民と共に歩まれる皇室のあり方が、いっそう幅広く豊かになられたと思います。今後、民間出身の男性が皇室に入られれば、良い意味で、皇室と国民が共に歩む国づくりに貢献していただけると思います。民間出身の男性の皇室入りを、なぜそれほど拒否するのかが、理解できません。

しかし、竹田氏の「女系天皇」反対の根拠は、実は極めて薄弱です。色々理屈をつけますが、何と最後には「もはや理由などどうでもよい」と言い放ちます。


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■もはや理由などどうでもよい
 「天皇の皇位がなぜ男系によって継承されてきたか」。これに答えるのは容易ではない。そもそも、人々の経験と英知に基づいて成長してきたものは、その存在理由を言語で説明することはできない。なぜなら、特定の理論に基づいて成立したのではないからだ。天皇そのものが理屈で説明できないように、その血統の原理も理屈で説明することはできないのである。
 だが、理論よりも前に、存在する事実がある。男系継承の原理は古から変更されることなく、現在まで貫徹されてきた。これを重く捉えなくてはいけない。例えば、現存する世界最古の木造建築である法隆寺は、その学問的価値の内容にかかわらず、最古故にこれを簡単に立て替えてはいけない。同様に、天皇は男系により継承されてきた世界最古の血統であり、これを断絶させることはできない。
 もはや理由などどうでもよいのである。特定の目的のために作られたものよりも、深く、複雑な存在理由が秘められていると考えなくてはいけない。

(「第3回 なぜ男系継承でなくてはならないか」北海道神宮ホームページ)
http://www.hokkaidojingu.or.jp/sizume/column/takeda3.html

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竹田氏は、男系継承の原理を法隆寺に例えています。しかし法隆寺はどれほど価値があっても、一建築物であり、男系継承と比較するのは、何か違う気がします。形が価値である伝統と、生きている伝統との違いです。

「天皇は男系により継承されてきた世界最古の血統であり、これを断絶させることはできない。」

竹田恒泰氏の考え方はもっともなように聞こえますが、その背景となる同氏の考え方には、何か大切なものが欠けている気がします。

竹田氏は、「血の一滴」へのこだわり「家格」、「男系の血筋」に並々ならぬ、異常なまでに、価値を認めています。

テレビ朝日の「朝まで生テレビ」に出演した時、論議が激しくなったところで、対談者に向かって、

「私とあなたは血筋が違う!」

竹田氏が叫んだのを見て、ギョっとしました。

元皇族の子孫が、そのようなことを公の場で叫ぶことに、驚きました。竹田氏の「人柄の卑しさ」しか感じませんでした。心でそう思っても(思うこと自体が謹み深い人なら恥ずかしいことですが)、それを口に出したら人間性が疑われます。裏を返せば「下賤の生まれのお前が何を言うか!」と、相手を見下げていることになります。

仮に皇族がそのようなことを発言されたとしたら、人々の皇室への尊敬は一気にさめてしまうでしょう。そのような精神は、「一視同仁」の皇室の精神の対極にあります。


竹田氏は、小室圭さんについて、次のように評しているとのことです。

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「皇室とは公的な存在であり、関係を持とうとする人には一定の品格が求められます。残念ながら、小室さんはその基準を満たしていないように思えます。」(p169)

(矢部真紀子『雅子さまの笑顔』幻冬舎新書)
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私に言わせれば宮家の血筋を誇る竹田恒泰氏の方が、皇室を語る「一定の品格」を欠いているとしか思えません。竹田氏のいう「品格」は、小室さんの「血筋」が庶民であることが気に食わないというのを、言葉を変えただけではないでしょうか。

男系派と話をしていると「家格」とか「血筋」とか、外国人を軽蔑するとか、およそ皇室の精神と対極にある差別感情を平気で吐露する人が多いです。男系派の多くは、レイシスト(差別主義者)ではないかと思うときがありますが、竹田氏の口調にも、同じものが感じられます。

小室圭さんのことは、婚約内定の会見を見て、発表された文書を読んだだけですが、素直な人柄の青年だと思います。眞子さまと生涯をともにされたいという覚悟があるなら、素直でありさえすれば、必要な品格は、今後の訓練でいくらでも磨くことができると思います。

「家格」、「血筋」がいかに当てにならないかを、宮様詐欺師・竹田恒泰氏は、みごとに証明しています。「氏より育ち」といいますが、血筋よりも、素直で正直で誠実な人柄であることの方が、はるかに価値があると思います。

竹田氏は、こうも言います。

「天皇は男系により継承されてきた世界最古の血統であり、これを断絶させることはできない。」

女系になると「断絶」となぜ、決めつけるのでしょう。母方の血筋がつながっている、父方の血筋がつながっている、父母両方の血筋がつながっている、どの場合でも、血統は断絶していません。そう考えるのが、人として自然ではないでしょうか。


確かに、女性天皇容認(公認)は、大いなるパラダイムシフトであるともいえます。

パラダイムシフト:ある時代・集団を支配する考え方が、非連続的・劇的に変化すること。社会の規範や価値観が変わること。

竹田氏や男系派、あるいは彼らの言うこと、これまで続いて来たこと、父方の血筋がつながってきたことを変えてはいけないと思う人々は、この劇的な変化に不安と抵抗を覚えているのだと思います。

しかし、パラダイムシフトは、新たな発展をもたらす大いなるエネルギーを生み出すことにつながります。「女系天皇公認」は、「女性の価値の再発見」という新しい希望に満ちた時代を生み出す、そんな予感がいたします。新たに生まれ替わる、そのための変化を恐れない、それが国民と共に歩んでこられた皇室が長年続いて来たゆえんだと思います。


今日も読んでいただき、ありがとうございました。
暑い日が戻ってきました。皆様の御多幸とご健康をお祈り申し上げます。

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竹田恒泰氏はなぜ女系天皇に反対するのか [皇室典範改正]

DSC_176820210818blog.JPG熱心な男系派の知人(仮にTさんとします)から竹田恒泰氏の文章について、意見を求められました。Tさんは竹田恒泰氏の熱烈な信奉者です。

Tさんが引用してきたのが、北海道神宮での竹田氏講演のまとめだったので、元の文章を同神宮のホームページで確認しました。

最初に問題だと思ったのは、ホームページに掲載されている竹田恒泰氏の肩書です。

竹田氏は2014年に、慶応義塾大学講師を解任されています。
https://www.daily.co.jp/gossip/2014/04/23/0006885688.shtml

それにもかかわらず、北海道神宮は公式ホームページで、

「天皇弥栄(すめらぎ いやさか) 慶應義塾大学講師 竹田 恒泰」

として同氏の講演原稿を掲載しています。

講演日時を検索すると第1回が平成18年(2006年)となっています。ということは2014年以前の講演なのでまだ講師資格があったのでしょう。それなら、現在のホームページの見出しに「肩書は掲載当時のもの」との断り書きをつけた方が丁寧ではないでしょうか。読んだ人が現役の講師かと勘違いします。

竹田恒泰氏の現在の肩書は、「政治評論家、作家、実業家」です。慶応義塾大学に何の関係もありません。

こういうことは掲載された本人も気を配ることではないかと思います。

竹田恒泰氏は、このような勘違いをわざとそのままにしておくところがあり、自身の肩書にきわめていい加減な人です。

著書に「明治天皇の玄孫」と紹介されることをそのままにしていますが、「女系天皇、女性宮家に絶対反対」との先鋒に立っています。明治天皇の「女系」の玄孫(やしゃご)という肩書を自分はちゃっかり利用しています。それにもかかわらず、女系天皇に絶対反対と言う二枚舌を使って恥じることがありません。そんなに「女系」が無価値だと思うのなら、自分の肩書でも使用しないという矜持が必要でしょう。

また、周りの人に「殿下」と呼ばせて悦にいっているようです。現に私に質問して来た男系派のTさんも「竹田殿下」というので、私は「殿下ではないでしょう」と一喝しました

竹田恒泰氏の祖父竹田恒徳氏は臣籍降下した「旧皇族」です。しかし、恒泰氏の父親の竹田恒和氏は誕生時から一般国民であり、その子息である恒泰氏も一般国民で、一度たりとも「宮様」だったことはありません。まぎれもない一般国民です。旧宮様の孫ということなら、他に何人もいらっしゃいますが、「旧皇族」などと公言して、利用しつくしているのは竹田恒泰氏ぐらいでしょう。

彼は旧皇族と呼ばれるのをいいことに、過去において2回も宮様の血筋というブランドを利用して、詐欺的行為をはたらいています。


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一つ目は、マルチ商法への関与。「FLASH」(光文社)2002年7月30日号によれば、彼はインターネットマルチ商法・スカイビズ2000に関わっていた。スカイビズ2000は、加入金110ドルを払えば自由に使えるホームページのスペースと、簡単にサイトが作れるソフトの利用権が得られるというサービスだが、新会員を勧誘すると、その数に応じて多額のボーナスを得られるとも喧伝しており、“ねずみ講”と指摘されていた。

 竹田恒泰は旧皇族の出自を出すことで信用を得て、新規会員を次々と勧誘していった。そのためのミーティングを東京のみならず全国各地で行なっていた事実も報道されていた。

ちなみに、スカイビズ2000を展開していたスカイビズ社は、01年に米国連邦取引委員会からねずみ講にあたるとして提訴され実質破綻している。

 二つ目はもっと事件性の高いもの。彼の祖母・松見イクが経営していた精神病院・松見病院の多額借金をめぐるトラブルである。松見病院の経営陣のひとりでもあった竹田恒泰氏は、この件をめぐる借金の保証人となっており、東京地裁で1200万円および13年6月24日から年5分の利息の支払い命令を受けた。その経緯について、「週刊文春」14年10月16日(文藝春秋)で、原告の男がこのように語っている。

「知人から金を貸してくれという話があったのは去年2月のことでした。聞けば、“病院の売却話が進んでいる。ついては、つなぎ資金が必要で、融通してもらえないか”という話でした。それが1200万円だったのです。大金なので躊躇していると、今度は竹田さんを“保証人”につけると言う。本人にも会いましたが、なにせ明治天皇の玄孫というから信用するでしょう。大丈夫だろうと考えて知人に1200万円を貸すことにしたんですよ」
(「大麻逮捕の竹田恒泰の従兄弟より悪質? 旧宮家の”権威”を利用したトンデモ事件簿! 竹田恒泰もマルチ商法関与」リテラ 2015.09.24)
https://lite-ra.com/2015/09/post-1522.html
https://lite-ra.com/2015/09/post-1522_2.html

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また、恒泰氏の父竹田恒和氏は、東京五輪招致をめぐる収賄容疑でフランス司法当局の捜査を受けていますが、その弁護費用2億円をJOCが負担していたことが、朝日新聞に報道されていました。


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 東京オリンピック(五輪)・パラリンピック招致をめぐる贈賄疑惑でフランス司法当局の捜査を受けている竹田恒和・元招致委員会理事長の弁護費用が2020年度までの3年間で約2億円に上り、その全額を竹田氏が19年6月まで会長を務めていた日本オリンピック委員会(JOC)が負担していることがわかった。

(「JOCが弁護費用2億円負担 五輪招致で疑惑の元会長に」朝日新聞DIGITAL 2021年8月8日)
https://www.asahi.com/articles/ASP876QNGP7NUTQP029.html

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竹田恒泰氏は、「女性宮家、女系天皇」の制度を設けることに絶対反対を唱え続けています。 小室圭さんのスキャンダルを語っているYOU TUBEを薦められて、一度だけ視聴しましたが聴くに堪えない見苦しいものでした。眞子さまは悪くない、眞子さまをだましたK.K.(小室圭さんのこと)が悪いんだという論調で「ケーケー、ケーケー」とニワトリのように連呼していました。こういう品のない発言に「宮様の末裔だから」というだけで、コロッとだまされてしまう人がいるのですね。宮様ひいては、皇室の面汚しです、
https://m.youtube.com/watch?v=zZFLXNU4aUg

視聴したくない人は視聴しないでください。視聴する人は、気分が悪くなること覚悟の上で、気分転換のための飲み物や音楽を用意してから、視聴してください。

竹田恒和氏が国際手配をされて外国旅行ができないでいることを思えば、「父親の犯罪を隠したいために、罪のない一般国民の小室圭さんをスケープゴートにしているのか」と、勘繰りたくなります。

世間では、眞子さまのご結婚費用が1億5千万円だと騒いでいますが、竹田恒泰の父親は、JOCに2億円を既に負担させています。わいろ疑惑が片付くまでもっとお金が要ることは間違いありません。潔くフランス司法当局のお縄につけば、無駄な費用をJOCが負担せずに済むはずです。

(真偽のほどは分かりませんが、他の勤務者から類推してJOC会長の退職金が1億を超える、既に受け取っているだろうと書いているブログもありました。)

こう並べると竹田恒泰氏が、自分の父親の不祥事を隠したくて、小室圭さんを餌食にしているとの見方も、あながち間違っていない気がします。

さらに、恒泰氏自身の結婚までの一時期に、4人もの女性と二股、三股交際していた人が、人様の結婚、一筋の純愛に、あれこれ言えるのかとも言いたいです。

このように竹田恒泰氏は、思想以前に人間性に大いに問題があります。旧皇族の血筋を徹底利用する、金儲け主義がひどすぎます。

北海道神宮ホームページに掲載されたシリーズを一読しますと、皇室の知識は勉強しているようですから聴いた人が騙されるのでしょう。しかし、肝心なところがズレています。
天皇を尊敬する心がないのです。 そのため豊富な知識が災いの元になっています。

経歴を見ても、お金のために何でもする人だと思いました。

今は販売していませんが、三種の神器をプリントしたTシャツやグッズを○万円単位の高額で販売していたこともありました。宮内庁から何らかの許可を得て販売しているのかと思いましたが、短期間で姿を消したところを見ると、無許可だったのでしょう。三種の神器を商売に利用すること自体、皇室を何と心得るのかと、あきれます。


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あのニセ旧皇族・竹田恒泰が、
自身のウェブサイト
「竹之屋・竹田恒泰商店」で、
「三種の神器もどきグッズ」を
売っていました!
現在は「販売中止」となっていますが、
「竹田恒泰デザイン」で、
「大御剣」「大御鏡」「御勾玉」
をプリントしたTシャツで、
他にもシリーズがあったようです。
(中略)

しかも、この、どー見ても
安っぽそうなTシャツが、
14700円!?

三種の神器は、
天皇でさえ実見が許されない
神聖なものです。

神話を絵画や漫画などに描く場合は、
描かないわけにはいかないから
絵にしますが、それも本来は
畏れ多い行為ともいえるのです。

それを、こんな安っぽいTシャツの
図案に使って荒稼ぎ!?

(『「三種の神器もどき霊感グッズ」を売ってた竹田恒泰!』2013.10.31 ゴー宣ネット道場)
https://www.gosen-dojo.com/blog/8509/

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竹田恒泰氏に関しては、思想うんぬんよりも人間性だけで、文字数超過になりました。

誰がいったということより、思想内容を吟味すべきだという考え方もありますが、皇統継承に関しては、発言する人の人間性も考慮する必要があると思います。

文章内容についての批判は、次回にゆずります。


今日もよんでいただき、ありがとうございました。
明日から暑さが戻って来るようです。皆様、お元気にお過ごしください。

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女性宮家当主の配偶者・お子様は一般国民のまま?―一代限り女性宮家の問題点 [皇室典範改正]

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やや時間がたってしまいましたが、8月6日付けの産経新聞で「女性皇族、配偶者と子供は皇族とせず 有識者会議が調整」というタイトルでニュースが配信されました。

今日はこの問題について取り上げます。



☆☆

安定的な皇位継承策などを議論する政府の有識者会議(座長・清家篤元慶応義塾長)が取りまとめを進める最終報告に関し、女性皇族が婚姻後も皇室に残る場合は当面の間、配偶者と子供を皇族としない方向で検討に入ったことが6日、分かった。秋までに行われる衆院選後に最終報告をまとめる方針。

有識者会議は皇族数の確保策について、①女性皇族が婚姻後も皇室に残る②旧宮家の男系男子が養子縁組などで皇籍復帰する―の2案を軸に法的課題などを整理するよう事務局に指示している。

7月26日の会合では最終報告に向けた方向性を確認。現在の皇位継承資格を前提に、秋篠宮さまの長男で皇位継承順位2位の悠仁さまが即位されて以降の皇位継承に関しては結論を得ることを見送る一方、「喫緊の課題」として皇族数の確保が必須としている。

(「女性皇族、配偶者と子供は皇族とせず 有識者会議が調整 2021/8/6 22:31」産経新聞)
https://www.sankei.com/article/20210806-GN5UBIKJQRJLHASE3WGJNU3PS4/


☆☆

要点を書き出してみます。

○安定的な皇位継承策などを議論する政府の有識者会議が最終報告に関し、女性皇族が婚姻後も皇室に残る場合は当面の間配偶者と子供を皇族としない方針で検討に入った。

○秋までに行われる衆院選後に最終報告をまとめる方針

○皇族数の確保策について、①女性皇族が婚姻後も皇室に残る②旧宮家の男系男子が養子縁組などで皇籍復帰する―の2案を軸に法的課題などを整理する

○7月26日会合で最終報告に向けた方向性を確認。

① 現在の皇位継承資格を前提に、秋篠宮さまの長男で皇位継承順位2位の悠仁さまが即位されて以降の皇位継承に関しては結論を得ることを見送る

② 「喫緊の課題」として皇族数の確保が必須


有識者会議の方向性は、以下2点です。

① 「現在の継承順位を変えない」、「悠仁様即位以降の皇位継承」に関しては、結論を出さないで、先送りする」

② しかし、「喫緊の課題」として皇族数の確保が必須。

[皇族数確保の案]

案その1:女性皇族が婚姻後も、皇族として皇室に残る。
しかし、配偶者と子供は一般国民である。皇室入りできない=皇族になれない。

案その2:旧宮家の男系男子が養子縁組などで皇籍復帰する=皇族になれる。

しかし、この方向性では、目先の頭数だけ確保しても、皇位の安定継承にまったく貢献しません。10年、20年先の問題解決の布石にはならないのです。

案その2は、憲法違反の疑いがあり、実現の可能性がないことを政府も、実は認識していることは、これまでも述べて来ました。

案その1について、高森明勅氏が「余りにも非常識なプラン」と書かれていますが、私も同感です。

配偶者・子供を皇族としないということは、女性宮家を創設するが一代限りであるということです。配偶者・お子様の立場を想像すれば、まさに「非常識なプラン」です。


☆☆☆

内親王・女王は皇族で、その配偶者の男性が国民のままという世帯は、少なくともわが国における皇室と国民の“区別”に対する一般的な感覚に照らして、極めて不自然と言わざるを得ない。

そもそも、配偶者が国民のままならば、憲法第3章が国民に対して保障する権利や自由は、そのまま保障されなければならないはずだ。


特別職の国家公務員を新たに設けて、皇室のご公務を分担して貰おうとしても、勿論、それを辞退する自由がある。公務員でなければ、“国民として”政治活動の自由も制限されないだろう。

経済活動、宗教活動などの自由が最大限尊重されるべきなのは、勿論だろう。


しかし、そのことと、日本国の象徴、日本国民統合の象徴であられる「天皇」、及びそのご近親によって構成される皇室に求められる、「聖域」性、政治的・宗教的中立性などとの両立は可能なのか。それとも国民なのに、憲法上の権利や自由を法的根拠に基づかず、暗黙の「空気」で抑圧するつもりなのか。


男性皇族の配偶者やお子様は勿論、皇族とされる。

一方、女性皇族の配偶者は(ご結婚の相手が“女性だから”というだけの理由から)そのお子様と共に、皇族の仲間入りを許さず、しかも国民としての権利・自由も事実上、大幅に制限するという、差別的・侮辱的なプランを考えているとすれば、そのような悪条件を跳ね返して、敢えて結婚を望む国民男性がたやすく現れるとは、楽観できない。


内親王・女王方はご結婚されなければ、そのまま皇室にとどまられる。結果的に皇族数の減少を防ぐことができる。有識者会議の本当の狙いはそちらなのか、と邪推したくなるほど悪質なプランと言わざるを得ない。


(「内親王・女王はご結婚後も皇族のまま、配偶者は国民のまま?」2021年8月9日 高森明勅公式ブログ)
https://www.a-takamori.com/post/210809

☆☆☆


高森氏は、配偶者が国民のままなら、憲法第1章の天皇条項の適用ではなく、第3章が適用され、国民に対して保証する権利、自由が保障されると指摘します。

第3章が適用されるなら、選挙権もあり、職業選択の自由もあり、移動の自由もある、議員に立候補もできる、経済界で活躍することもできる、名所毀損に対して裁判を起こすこともできます。

とはいえ、女性宮家当主の配偶者という立場になれば、たぶん特別職の公務員というような制度が設けられ、法的根拠に基づかない暗黙の「空気」の圧迫で、その公務員になることが強制され、移動の自由も制限され、様々な権利が制限されることになるでしょう。

そのような宙ぶらりんの立場を知って、一般社会で充分に活躍できる能力と人柄を備えた男性が女性皇族を配偶者に選ぶでしょうか。暗黙の「空気」の圧迫で何が強制されるか分からない、言論の自由も無い、しかし皇族ではない立場になることを考えれば、まともな男性はそのような結婚を拒否すると思います。皇族と結婚したい下心で何でもするという野心家は名乗り出るかも知れませんが、そのような男性だったら、女性皇族が拒絶されるでしょう。

一方、実現そのものが困難、ほぼ不可能なのですが、仮に旧宮家系男子が皇籍復帰し、夫婦養子で皇室に入れば、当然のように配偶者、子供が皇族になれる、男性皇族だからというだけの理由で600年前の天皇の子孫が皇室入りして、その子供は皇位継承資格を得られるのに、天皇陛下を父に持つ直系の女性皇族、あるいは祖父が天皇だった女性皇族の配偶者、子供には皇位継承資格がない、それは皇族が女性だからというだけの理由です。 皇族が男子であるか女子であるかの違いで、その配偶者、子供が、こんな差別待遇を受けるのは、理不尽なことだと思います。

こうすれば内親王・女王方はご結婚されないで皇室に独身のままとどまられるから、皇族の減少を防ぐことができるというのが、有識者会議緒の本当の狙いではないかという、高森氏の推測もあながち邪推とはいえません。

男系派は、もはや何でもありの無茶苦茶を押し通そうとしているからです。その結果皇室が無くなってもかまわないと考えているのかとさえ思うときがあります。目先のことしか、考えないのでしょうか。

目先の皇族数だけ確保できても、10年~20年先の問題解決の見通しが立たなければ、そのプランはまったく意味がありません。意味がないだけでなく、正しい解決を阻害する有害なプランだとさえ言えます。


この方向性について、「愛子さま 皇太子への道」でも、「ブログを読んで感じた、私の危機感~血も涙もない理不尽」のタイトルで取り上げられています。

☆☆☆

自分の子供が先祖からの継承を認められないなんて、
どこの血も涙もない輩が考え付くのでしょう。

自分の子供は、自分の後を継げない。
そんな事他人に決められたくありませんし、そんな事を言われたら、確実に激怒しますよね。

そんな理不尽を、
有識者会議は行おうとしています。

これは、許すべきではないと思いますし、この問題について、我々庶民が大きな声を上げるべきではないでしょうか?

https://aiko-sama.com/archives/6475

☆☆☆


筆者の「私の危機感~血も涙もない理不尽」に私もまったく同感です。一般庶民の感覚が正しいと思います。

女性皇族・女王と結婚しようとする男性に、自分の子供は、自分の後を継げないことを知らされ、さらに600年も前に家系が分かれた遠い親族の子孫が、男系男子の血筋だからというだけの理由で、夫婦で跡継ぎに据えられることが決まっています、それでも貴男はこの女性と結婚しますか、と問われるようなものです。ノーというのが眼に見えています。高森氏が言われるとおり、このような女性宮家を創設するくらいなら、今の内親王・女王が婚姻と同時に皇籍を離れて、一般国民になられる方が人間として、お幸せだと思います。

どこが有識者会議ですか、「有識者」どころか、あなた方には、人間の血が通っているのですか、人情が分かるのですか、人情の分からない鬼ですか、と問いたくなります。

生前退位の時も、上皇さまの30年間の被災地訪問、慰霊の旅などの全身全霊のご努力を踏みにじるかのような、安倍政権の「血も涙もない」対応ぶりを腹立たしく思いました。「公務負担の軽減」という見当違いの有識者会議を立ち上げ、上皇さまが深く失望されたことを、宮内庁が珍しく発表したほどでした。上皇さまが「象徴天皇」としてのお立場を天皇の伝統にかなうお役目として果たしてこられたことを、安倍政権が少しも評価していなかったことに驚きました。心ある国会議員たちの活躍で、何とか特例法の形で御譲位を実現しましたが、これも本来は皇室典範改正すべきだったのに、安倍政権が怠って特例法という弥縫策で対応した結果、憲法違反という風評を生む原因となっています。たまに譲位は憲法違反という言説を耳にしますが、憲法違反と疑われる原因を作ったのは安倍政権であり、上皇陛下では決してないということを、あらためて強調したいと思います。

今回も、女性皇族のお気持ち、ひいては天皇陛下のお気持ちを踏みにじる「血も涙もない」対応ぶりに「菅政権よお前もか」という失望が深まりました。もう自民党は絶対に支持しません。

自民党を支持する男系派、自称尊皇派は、「天皇制を守る政党は自民党だけ」と言いますが、それはもはや死語となりました。「天皇制を先頭に立って滅ぼす自民党」になり下がっています。

自民党が考えているのは、カチンカチン石頭の男系派の票田を手放したくないということだけです。

天皇、女性皇族は、男系派の奴隷ではありません。

良心のある、あたたかい血が通っている国民が声を上げることで、ただでさえ困難の多い天皇、皇族のお立場から少しでもご不自由が取り除かれて、皇族の皆様お一方お一方にお幸せになっていただきたいです。

皇室に詳しい知識が無くても、庶民の直感、80%が女性天皇、女系天皇に賛成という民意は、正しいと思います。

天皇のお気持ちに沿ったおおらかで自然な人間味あふれる皇室であっていただきたい、男系も女系もこだわらない、天皇がご満足いただける直系(実のお子様)の皇位継承であることを、素直に願う国民でありたいと思います。


今日も読んでいただき有難うございました。
西日本では豪雨が激しいようです。どうぞ皆様、お気をつけてお過ごしください。
皆様のご多幸とご無事をお祈り申し上げます。
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