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新型コロナを2類から5類に落とせば医療はひっ迫しない [新型コロナ]

DSC_179420210831blog.JPG新型コロナで自宅療養していた人の重症化、死亡のニュースが伝えられます。

しかし、2類(実際は1類相当)を5類に落として、保健所を通さずにどの医者でもコロナを診ることが出来るようにすれば医療はひっ迫しないと、多くの現場の開業医が声を上げています。

中でも長尾和弘氏のブログ「Dr.和の町医者日記」が、分かりやすくて勉強になります。

以下、「Dr.和の町医者日記」からの引用です。

☆☆☆

その結果かどうかは知らないが、政治と医師会が動いた。



8月12日に、保健所を通さずに医師が動いていいと政府が発表。

8月16日に、自宅療養者管理の診療報酬点数(250点)がついた

8月19日に、政府は抗体カクテル療法が外来でもできると発表し、

      日経新聞の一面は「初診からのオンライン診療を」と。

など、実質的に保健所外し(5類相当)に傾いてきた。

(「この8月、国と医師会を少し動かしたかな」)
http://blog.drnagao.com/2021/08/8-7.html

☆☆☆


「その結果」というのは、長尾医師が「ミヤネ屋」「バイキング」「プライムニュース」など視聴者の多いメディアで、歯に衣着せぬ意見を述べたことを指します。

多くのテレビ番組に出演して、新型コロナをエボラ出血熱、ペスト並みに扱う現在の感染症2類から、インフルエンザ並みの5類に落とせば医療崩壊にならないと述べたことが、政治と医師会に影響を与えたようです。2類から5類にしてほしいというのは、これまでも多くの開業医が主張して来たことですが、政府はなかなか動きませんでした。

長尾医師の「ミヤネ屋」出演を視聴しましたが、新型コロナに罹患した時の、今の医療のあり方にびっくりしました。

コロナ陽性になったら、保健所に連絡し、保健所の裁定を待って医師にかかるまで数日かかるとのこと。普通の病気なら熱があれば医者に駆け込んでその場で診断と投薬など治療してもらえるのに、コロナについては、重症化して初めて医療を受けられるというのが、現状だそうです。

どう考えても変です。長尾医師は、軽症のときに治療すればほとんどすぐに治る、自分の患者に死んだ人はいない、2類にしていることは、重症化するのを待ってやっと治療が受けられるというようなもの、と述べています。これでは医療がひっ迫するのも、死者が出るのもあたりまえですね。


また、東洋経済オンラインでは、新型コロナは、「感染力が強くなる一方、致死率は低下」とデータを載せて、説明しています。


☆☆☆

5月中旬をピークとする第4波についてデータを7日移動平均で見るとピーク時には感染者数(検査陽性者数)は6400人、死者数のピークは100人前後で推移した。これに対し、8月20日は感染者数は4倍の2.5万人に達し、その後も2.2~2.3万人で推移しているが、死者数は30~35人で推移し、陽性者数に対する死者数の比率は圧倒的に少なくなっている。

(「新型コロナ医療崩壊の原因は開業医の不作為だ」)
https://toyokeizai.net/articles/-/450974

☆☆☆


このコラムでは、一般の診療所の開業医がインフルエンザの場合と同様に外来診療や往診に応じる体制を作る必要がある、分科会の医師の一部や知事などが主張する国民への強力な活動制限、ロックダウンなどはすべきでない、と述べています。

この1年半の国民への強力な活動制限が何をもたらしたかといえば、飲食店の閉店など経済へのダメージ、自殺者の増大など、苦しんでいる人々は、数えたらきりがありません。

わが家の近辺を歩いていて、目立つのは、長年親しんで来た飲食店の閉店、花屋の閉店です。子供たちが修学旅行や運動会が行えない、一生に一度しかない時期に、思い出を作れないことも、ほんとうに気の毒です。

もう、普通の生活に戻してもいいころではないでしょうか。

インフルエンザ並みでも、病院での感染症対策は、丁寧です。感染者数が増えても、重症者数が減っているのは自然免疫を獲得している人が多くなったからだと思います。

エボラ出血熱やペストではないので、ゼロ・コロナを目指す必要はありません。インフルエンザはゼロになっていません。治療法もめどが立ってきています。

インフルエンザ並みの5類に落とす条件は整っていて、政府や医師会がメンツにこだわらず、決断すれば、多くに人の命が助かります。思い切って決断していただきたいと思います。
現場の開業医の声が生かされて、実態に即した医療が提供されることを、願っています。


今日も読んでいただき有難うございました。
もう少ししたら、涼しくなると天気予報が行っています。美味しい物を食べて、十分な睡眠と運動で免疫力を高めて、お健やかな日々をお過ごしください。


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竹田恒泰氏はなぜ女系天皇に反対するのか(3) [皇室典範改正]

121011_155221_-20210825blog.JPG3回にわたり竹田恒泰氏の女系天皇反対について、論じて来ました。

質問して来たTさんが持ち込んだ文章は、2006年頃の講義原稿とのことで、やや古いのですが、それに合わせて回答してきたからです。今日は、新しいニュースをお届けします。

今日(25日)東京新聞朝刊に、竹田恒泰氏と門田隆将氏の対談本、『なぜ女系天皇で日本が滅ぶのか』との宣伝広告が載っていました。購入して批評すれば丁寧なのですが、対談本の見出しとアマゾンの読者の声を読めば内容の見当がつくので、今のところ購入の予定はありません。

つまるところ、女系天皇を採用しないで、旧皇族から養子を迎えよ、という論を竹田氏は強力に推し進めようとしているようです。

信頼できる友人から聞いた話でが、旧宮家の単純な皇籍復活が不可能という意見が行き渡ったので今は養子案を推しているようです。

① 竹田氏の主張では「4、5家の旧宮家を復活すればよい」とのことである。
② しかし臣籍降下した21宮家の内、直系の男子が残っているのは、わずか4家である。
③ 4家の男子でも、年齢がかなり高い方もあり、皇籍復帰したいという希望者は一人もいない。

友人の見方では、竹田氏の主張をそのままに受け取るなら、4家未満、つまり3家だったら、復活してもその後が続かない、つまり竹田氏は、宮家復活はできないことを知っているのではないか。それは旧宮家から養子を迎える場合でも同様である。不可能であることを知っていてそれを強力に推進するのは、実は皇室を無くしてしまいたいと考えているとしか思えない。竹田氏は「女系天皇は左翼の陰謀」というが、竹田氏こそ「皇室を無くしてしまいたい左翼に操られているのではないか」という意見でした。

友人の「左翼に操られている」は言葉が過ぎるかもしれません。しかし実現不可能なものを実現できるように装って「先延ばし」の時間稼ぎを続ければ、結果的に「皇室が無くなる」方向に限りなく近づくことという現実を思えば、あながちデタラメとも言えません。利用されていることに、ご本人は気付かずにいるのかも知れません。

上記書籍の小見出しに

○「〝中国系〟〝韓国系〟の天皇が誕生!?」
○『男系は「女性差別」でなく「男性排除』

とあります。

〝中国系〟〝韓国系〟の内容は、男系派と対話した時によく聞かれた「女性天皇が外国人と結婚したらどうするんだ?」との質問に合致します。なぜ「女性」なら外国人との結婚を心配し、男性天皇の心配をしないのかとの疑問もありますが、それ以上に、竹田氏の強烈な外国人排除、差別主義的な意思が感じられます。

つい最近、竹田氏の差別主義的であるとの指摘は「公正な論評」であるとの、東京高等裁判所の判決が、下りたことを知りました。

竹田恒泰氏が、紛争史研究家の山崎雅弘氏を名誉棄損で訴えた裁判の第2審で、竹田氏の控訴が棄却されたとのニュースが、昨日、流れました。


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ツイッターで「差別主義者」「いじめの常習者」などと指摘されたのは名誉毀損(きそん)だとして、作家の竹田恒泰氏が紛争史研究家の山崎雅弘氏に550万円の損害賠償と投稿の削除などを求めた訴訟の控訴審判決が24日、東京高裁であり、高橋譲裁判長は「各ツイートは公正な意見論評の表明」とし、竹田氏側の控訴を棄却した。

 判決などによると、山崎氏は2019年11月、竹田氏が富山県朝日町教育委員会主催の講演会に講師として招かれることについて、中高校生に「自国優越思想」を植え付けるなどと批判する投稿をしていた。
 高橋裁判長は、竹田氏が書籍やツイートで中国や韓国に対し攻撃的、侮蔑的表現を多数使用したと認定。山崎氏の投稿は「(竹田氏の)言動や表現方法から導かれる意見論評として不合理と言えない」と結論付けた。
 一審東京地裁も今年2月、山崎氏の投稿を「公正な論評で違法性を欠く」として、請求を棄却していた。

(『作家の竹田氏、二審も敗訴 差別指摘は「公正」―東京高裁』2021年08月24日15時45分 時事ドットコムニュース)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021082400736&g=soc

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第二審の東京高等裁判所は、以下の通り、山崎雅弘氏の意見論評が不合理と言えない、名誉棄損に当たらないとの判決を下しました。

○高橋裁判長は、竹田氏が書籍やツイートで中国や韓国に対し攻撃的、侮蔑的表現を多数使用したと認定。

○山崎氏の投稿は「(竹田氏の)言動や表現方法から導かれる意見論評として不合理と言えない」

これに先立つ第一審の東京地方裁判所でも、『差別指摘は「公正」』との判決が出ています。


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判決によると、山崎氏は2019年11月、富山県朝日町教育委員会が、中高生らを対象とした講演会に竹田氏を講師として招くことについて、「問題なのは、公的機関が特定国やその出身者に対する差別やいじめの常習者である竹田氏を登壇させること」などとツイッターに投稿した。
 竹田氏は投稿について「誹謗(ひぼう)中傷で、人格攻撃を繰り返した」と主張。損害賠償と投稿の削除などを求めていた。
 前沢裁判長は、竹田氏が著書で「(中華民族は)民度の低い哀れむべき方々」と記したことや、「韓国は、ゆすりたかりの名人」とツイッターに投稿したことなどに触れ、山崎氏の投稿は人権侵害や差別が広がることを懸念した公益目的があり、「相応の根拠がある」と判断した。

(『差別指摘は「公正な論評」 作家の竹田氏敗訴―東京地裁』2021年02月05日18時27分 時事ドットコムニュース)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021020501172&g=soc

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私は上記の竹田氏の中華民族、韓国に対する言葉を見ただけで、目が点になるくらい驚きました。中華民族、韓国に対して、こんなヒドイ中傷を著書に書いたり、ツイッターに投稿したりする人物が、皇室に縁のある宮家の一員であるかのようにふるまうのは、日本の大いなる恥です。そんな人物を中高生を対象とした講演会に招こうとした、富山県教育委員会の見識の無さにあきれます。

竹田氏が「特定国、その出身者に対する差別、いじめの常習犯」であるという山崎氏の指摘に、私も心から同意します。

山崎氏は、

「問題なのは、公的機関が特定国やその出身者に対する差別やいじめの常習者である竹田氏を登壇させること」

との言葉をツイッターで表明したそうです。

山崎雅弘氏の勇気に、拍手を送ります。

特定国、その出身者に対する差別、いじめのみならず、出自が一般庶民だからとして、小室さんを「差別、いじめ」の対象にしていることも、竹田氏の同じ性根から出ているのだと思います。根っからの差別主義者なのだと思います。

山崎氏は、ツイッターで、以下のように投稿したそうです。

「この人物が教育現場に出してはいけない人権侵害常習犯の差別主義者だとすぐわかる」

短い言葉で、的確に表現できていると、感心いたしました。「人権侵害常習犯」「差別主義者」との竹田恒泰氏の本質がよく表されています。

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一審の東京地裁と同じく、ツイートを「論評」と認めた控訴審判決を受けて、山崎さんは「私の一連の投稿が、社会から差別をなくすという公益に寄与する公正な論評だと認められました」とコメントした。

●「教育現場に出してはいけない人権侵害常習犯の差別主義者」と指摘していた

山崎さんは2019年11月8日、富山県朝日町の教育委員会が竹田さんを講師とした講演会を主催することについて取り上げ、「この人物が教育現場に出してはいけない人権侵害常習犯の差別主義者だとすぐわかる」などツイートした。

竹田氏は一連の5つのツイートを名誉毀損だとして、損害賠償や投稿の削除などをもとめて提訴したが、東京地裁は論評であり、違法性はないとして請求を棄却していた。

東京高裁もまた、竹田さんのツイートや発言、著作などの言論を踏まえたうえで、山崎さんのツイートが論評にあたると評価した。

(『竹田恒泰さん、二審も敗訴 「差別主義者」ツイートは名誉毀損にあらず「公正な論評」』8/24(火) 16:28 弁護士ドットコム ニュース)
https://news.yahoo.co.jp/articles/60913911deb09052f7ff16bf32a98d844fdc2524

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先ほどの、竹田氏著書の小見出し『男系は「女性差別」でなく「男性排除』も、竹田氏が得意げに繰り返す言葉です。「男性排除」というなら、「男性排除」もやめましょう。「男性排除」は「男性差別」を言い換えただけのことです。

「男性差別」もダメなのです。女性も男性も不当に差別されないのが、皇室本来の伝統です。女性も男性も尊重されてこそ、皇室本来の伝統にかなうのであって、「男性差別」があることが皇室の伝統だというのは、コンコンチキの大間違いです。

男性も女性も差別されない皇室の中にこそ、新しい生き生きとした日本の伝統が再生します。

男性も女性も、等しく活躍できる皇室をいただきたい、それが保守系であれ、革新系であれ、思想に関係なく、大多数の日本人の願いであると思います。日本人のみならず、親日的な外国人の中にも、その差別心の無い皇室の姿を見て、感動している人々があると思っています。


今日も読んでいただき有難うございました。
皆様にとって新しい良き日々が訪れますよう、お祈り申し上げます。

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女性天皇、女系天皇、女性宮家という選択肢の難題 [皇室典範改正]

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*わが家の朝顔が咲きました。持ち主に似て、のんびり遅咲きですが眼を楽しませてくれます。*



高森明勅氏が「女性・女系天皇、女性宮家という選択肢が抱える難題とは?」との文章をブログに書かれました。高森氏が「難題」とされた3点について、考えて行きたいと思います。

高森氏は、次の3点を「女性・女系天皇、女性宮家」を選択する上の難題とされています。

①当事者となられる内親王方などご本人のお気持ちはどうか?
②果たして国民男性からご結婚相手が現れるか?
③男系男子に頑固に拘る少数の反対論者が残り続けるのではないか?

高森氏のお答えは明快なので、全文をそのまま読んでいただきたいと思います。自分の学びのために、感想を述べさせていただきます。

(「女性・女系天皇、女性宮家という選択肢が抱える難題とは?」2021.08.21高森明勅公式ブログ)
https://www.a-takamori.com/post/210821

以下、部分引用させていただきます。


☆☆☆

《内親王方ご本人のお気持ちは?》

①について、対象が国民である場合は、憲法第3章が規定する基本的人権を享有する主体なので、勿論、ご本人の自由意思が大前提になる。旧宮家案の“最初の”ハードルはそこにあった。

しかし、憲法第1章の適用を受ける(一方、第3章の全面的な適用は受けない)内親王方などの場合、制度の建前として、自由意思は必ずしも絶対的な前提とはならない。


対象となる内親王方などは、物心がついて以来、長年、女性・女系天皇、女性宮家を巡る議論が行われて来た事実は、当事者ゆえに熟知しておられるはずだ。だから、唐突な話ではもとより無い。むしろ、「世襲」の「象徴」天皇という制度を維持するのであれば、決して避けられない課題に対して、政治の怠慢と国民の無関心によって、現在まで結論が先延ばしされて来たことの方が、申し訳なかった。


この間、ご自身の将来が見通せない辛さを、ずっと抱え続けてこられたはずだ。これ以上、宙ぶらりんの状態を強制し続けることこそ、残酷な仕打ちだろう。だから、その意味からも、一刻も早く決着をつける必要がある。

(「女性・女系天皇、女性宮家という選択肢が抱える難題とは?」2021.08.21高森明勅公式ブログ)
https://www.a-takamori.com/post/210821

☆☆☆

[感想]


「憲法第1章の適用を受ける(一方、第3章の全面的な適用は受けない)内親王方などの場合、制度の建前として、自由意思は必ずしも絶対的な前提とはならない。」

「もしご本人に辞退されるお気持ちが強い場合は、個別に皇室典範の第3条(皇位継承の順序の変更)や第11条(皇族の身分の離脱)などの適用が検討されるべきだろう。」

上記に、「憲法第1章の適用を受ける(一方、第3章の全面的な適用は受けない)内親王方」とあります。しかし「ご本人に辞退されるお気持ちが強い場合」皇室典範の第3条、第11条を適用すれば、辞退のお気持ちを通されることも可能なのです。

誤解している人もあるようですが、天皇でも、皇族でも、ご本人に「天皇、皇族のお務め」を辞退するお気持ちが強い場合、そのお気持ちをとどまらせることはできません。

天皇、皇族は、国民が享受している権利を制限されても、ご自身の「自由意思」で、今のお務めをしてくださっているのです。そのことに国民は気付いて、そのお気持ちを受け止めて、まず感謝しなければならないと思います。

当事者であられる内親王方が、「女性天皇、女性宮家」について熟知されているのは疑う余地がありません。それなのに、2005年の小泉内閣の有識者会議による検討以来、女性宮家創設について、16年間もの間、「政治の怠慢と国民の無関心によって、現在まで結論が先延ばしされて来た」のです。誰かが何とかしてくれる、政府がちゃんと対応してくれると、人任せにしてきたからです。国民の一人として、申し訳なかったと思います。それで今は、微力ながら、このような情報を発信し続けています。


「将来が見通せない辛さを、ずっと抱え続けてこられたはずだ。」
「一刻も早く決着をつける必要がある」

に心から共感を覚えます。笑顔でこの不安に耐えて来られた皇室の皆様にいつまでも甘えていてはいけないと思います。一刻も早く決着をつけて、将来を見通せるようにして差し上げなければなりません。


☆☆☆

《ご結婚のお相手は?》

②は、政治(政府・国会)が関与できる領域ではない。
お相手は国民である以上、上記の通り、もっぱら当事者の自由意思に委ねられるべき事柄なので、制度上の議論にはなじまない。
(中略)
国民的な課題として、皇室の方々の人格や名誉が、一方的に傷付けられ続けるこれまでのような状況は、いつまでも放置できない。畏れ多いが、秋篠宮家のご長男、悠仁親王殿下のご結婚も、
(男系維持なら、必ず男子を生まなくてはならない重圧を避け難い、という事情に加えて)いつバッシングの標的にされるか分からない状態が続けば、困難を極めるだろう。

(同上)
☆☆☆


[感想]

「ご結婚のお相手が国民である以上、当事者の自由意思に委ねられるべき事柄」は、その通りで、美智子さま、雅子さまの時と同じで「当事者の自由意思」が何より大切だと思います。

皇族入りに当たって皇室会議で検討されますが、それ以外の制度を議論する事柄ではありません。天皇の男系男子の血筋の方ということを男系派は希望するでしょうが、それは国民のわがままというものです。

気になるのは、皇室への激しいバッシングに歯止めが効かなくなっている現状です。平成には美智子さまのバッシング、雅子様のバッシング、直近では小室圭さんから眞子さま、秋篠宮さまに波及しているバッシングがそれです。

戦前の不敬罪など法的な規制を設けたくなりますが、それでは国民と皇室の距離を遠ざけることになりかねず、法的な規制には、慎重であるべきだと思います。

いちばんよいのは、多くの国民が皇室を正しく理解して、マスコミの見当違いなバッシングに対して、デマをきちんと見分けて、誤った情報の拡散に歯止めをかけることでしょう。

小室圭さんのことでも、「行き過ぎではないか」という記事も、ぼつぼつ出てきています。そういう冷静な記事を読んで支持を表明する、国民が事実を正しく見極める知恵と行動を身につけるのが、根拠のないバッシング拡散をとどめる特効薬だと思います。

本来は、小学校からの学校教育で、天皇、皇室について、基本的な知識を身に付けさせる必要があると思います。私は学校時代、一切、そういう教育を受けませんでした。成人してから、幸運にも天皇のことを知る機会を得ましたが、それがなかったら、今でも天皇、皇室は遠い存在だったと思います。世界の至宝ともいうべき、日本の天皇を中心とした国のありかたについて、何も知らないのはもったいないことです。宝の持ち腐れです。


☆☆☆

《頑固な反対派は?》

③について、私の肌感覚として、さすがに頑固な「男系」固執派の数は、次第に少なくなっているように感じている。しかし、上皇陛下のご譲位に対しても、「権威の二重化」が起こるなどと全く見当外れの懸念を述べ立てて(これは、ご譲位後の上皇陛下のお振る舞いへの不信感を前提としなければ、出て来ないはずの不敬・非礼な言い分だった)、最後まで反対した少数者が存在した
(令和の今、彼らが主張したような状態は、国内のどこにも存在しない)。
(中略)
上皇陛下のご譲位によって、平成から令和への御代替わりが実現した時の全国民的な祝福の前には、一握りのご譲位反対派の存在など、まさに物の数ではなかった事実を思い起こせばよい。

(同上)

☆☆☆


[感想]

『頑固な「男系」固執派の数が、次第に少なくなっている』は、安心材料です。頑固に男系継承に固執して、志望者が無く、様々な困難な条件により、宮家系男子の皇籍復帰は実現の可能性が限りなく0に近いのですが、仮に実現できたとしても、側室制度なしでは皇室は存続できません。昭和22年に21の宮家が臣籍降下しましたが、現在、男子の後継者がいらっしゃるのは4、5家であると聞きます。4分の1、5分の1に減少しているのが、そのことを証明しています。

天皇を中心とする国のあり方を願い、皇室の末長い存続を願うなら、女性天皇、女系天皇、女性宮家しか打開の道は無いという、当然な道理を理解してくれる人は、確実に増えて行くでしょう。

理屈に合わないのに見当はずれの反対を唱える少数者は最後まで残るとのことですが、論より証拠で、いざ女性天皇、女性宮家が実現すれば、圧倒的なお祝いの声の前に、自然に消えて行くでしょう。


今日も読んでいただきありがとうございました。
夏も終わりに近づき時折、秋の雲が見られます。お健やかな毎日でありますようお祈り申し上げます。


タグ:女系天皇
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竹田恒泰氏はなぜ女系天皇に反対するのか(2) [皇室典範改正]

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*ミョウガの花が咲きました。ミョウガの味は落ちますが、花は可憐です*




一昨日の、竹田恒泰氏の文章について、続きです。



男系派のTさんとのやりとりで、私は

「天皇陛下、上皇陛下が『女系容認』だとしても、男系派は、断固反対するつもりなのですか。」

と質問しました。


それに対する答えとして、Tさんが引用して来たのが、竹田恒泰氏の次の文章でした。


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■皇位継承問題と大御心
 よく「大御心(おおみごころ/天皇の意思)」という言葉が間違って使われているが、大御心とは皇祖皇宗の遺訓に他ならず、今上天皇の個人的な意思のことではない。
 葦津珍彦先生は「天皇の地位が世襲的なものである以上、天皇の意思と云ふのも世襲的なものでなければ意味をなさない」と仰った。また先生によると、大御心は天皇の個人の意思よりも、遥かに高い所にあり、また大御心とはすなわち日本民族の一般意思であって、時代によって変化する民衆の多数意思よりも貴いという。
 したがって、もし天皇がそのような大御心に反する事を仰せになったなら、これは「聞いてはいけない」ということになる。幕末に孝明天皇から第二次征長戦争の勅許が降りた時、大久保利通が西郷隆盛に宛てた書簡には「非義の勅命は勅命に非ず」と書かれていたことはよく知られている。本来勅命は天下万民が承知してこそ勅命なのであり、この勅命には大義が無いから勅命とは言えないので、自分はこれに従わないというのだ。
 もし天皇の個人的な御意思と大御心が食い違った場合には、当然大御心を優先させなくてはならないのである。

(「第5回 皇位継承問題と大御心」北海道神宮ホームページ)
http://www.hokkaidojingu.or.jp/sizume/column/takeda5.html
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Tさんいわく、天皇の御心が歴代天皇の大御心と異なっていれば、それを否定しても良いとのことです。

大久保利通が西郷隆盛に宛てた書簡に「非議の勅命は勅命に非ず」とあったそうですが、この件は前後の事情を吟味しなければならないので、ここではコメントいたしません。


『「大御心(おおみごころ/天皇の意思)」という言葉が間違って使われているが、大御心とは皇祖皇宗の遺訓に他ならず、今上天皇の個人的な意思のことではない。』と竹田氏は述べています。

「大御心」と言えば、今上天皇の御心のことで、間違いないと思うのですが、今上天皇の個人的意思のことではないというのは、何を言わんとしているのかと、考えました。


それは、私も人生百般の出来事すべてに関して「今上天皇の個人的意思」が絶対的に正しく、日本国民が何もかも細部に至るまで天皇のおっしゃるとおりにしなければならないとは考えておりません。

大久保の話だけでなく、臣下の立場で天皇の勅許に従えなかったという例は、歴史の中にも数多くあると思います。専制君主でない天皇はそういうことを許容されて来たこともあったでしょう。

しかし今話題になっている「皇統継承」という重大事について、

「臣下の我々男系派の方が、歴代天皇の大御心に通じている、歴代天皇の大御心は『男系固執で女系絶対反対である』」

という主張は見当違いであり、全く肯定できません。

国政の諸問題、国際情勢への対処など外部的なこと、世俗のことについては、現場の人間である大臣や実務者の方が、天皇よりもよく分かっているということもあるでしょう。

そのような場合、天皇は臣下を信頼されて、その意見を採用されます。

昭和天皇の昭和41年歌会始お題「声」の時の御製でもこのことを詠っていらっしゃいます。


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御製(昭和天皇)

日日のこのわがゆく道を正さむとかくれたる人の声をもとむる

https://www.kunaicho.go.jp/culture/utakai/utakai-s41.html

☆☆☆

天皇ご自身が、かくれたる人の声をもとめられ、日々のわがゆく道を正そうとなさった、それが日本の天皇でいらっしゃいます。決して独断専行ではありません。

しかし他ならぬ、天皇ご自身の跡継ぎの決め方について、当事者であられる天皇よりも臣下の判断が正しいなどと言うことがあり得るでしょうか。皇位継承について、最も真剣に考えられ、歴代天皇のお心を熟知していらっしゃるのが、天皇であることは、疑う余地がありません。

竹田氏と彼の信奉者である男系派の「女系天皇断固反対」が「皇祖皇宗の遺訓」であり、「歴代天皇の大御心」であるというのは、実体のない虚構であり、幻想だと思います。

あえて申せば、明治の旧皇室典範制定までは、皇統継承は「男子優先だが男子限定ではない、女子容認」が長年続いた、ということはいえると思います。それが明治22年の旧典範制定の時に「男系男子限定」に、せばめられてしまいました。

明治天皇のお考えでは「女系容認」、「譲位」、「永世皇族制廃止」を旧典範に入れるご希望であったという記録が残されています。そのような明治天皇、大正天皇、昭和天皇、上皇さまの一貫したお気持ちがあって、今日に至っているのだと思います。男系派は、この4方を歴代天皇ではないというつもりでしょうか。

小泉政権の有識者会議での検討以来、15年以上も憲法の制約を受けて直接ご発言できない中で、何回も「女系天皇」の検討、「女性宮家の創設」が話題に上っています。天皇(現在の上皇)の御内意でなくて、何回も「女系天皇」の提案が蒸し返されることがあるでしょうか。

もはや「女系天皇容認」を含めた「安定的な皇位継承」が、天皇のお気持ちにかなうことは、誰の眼にも明らかです。

竹田氏は、女性宮家創設=女系天皇論であるとして、女性宮家創設に断固反対を唱えています。女性宮家創設案を潰すために、初代女性宮家の可能性を持つ眞子さまのお相手になられる小室圭さんを散々おとしめるという策略を駆使してきました。


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■女性宮家は形を変えた女系天皇論
 ところが、皇族を確保するために、如何なる手段を講じてもよい訳ではない。女性宮家創設とは、すなわち女性皇族が民間から婿を取ることを意味する。もしこれが現実のものとなれば、皇室の歴史上、初めて民間出身の男性が皇族の身分を取得することになる。そして、その子や孫が将来の天皇となった場合、男系継承の原則が崩され、初の女系天皇が誕生することになる。
女性宮家創設というのは一般人の耳に優しく響くだろう。しかし、女系天皇を容認する国民的合意なくして、女性宮家について論じるのは適切ではない。女系天皇論者は、悠仁親王殿下ご誕生で女系天皇論が進められなくなっていたところ、最近になってこれまでと違った形で攻勢を仕掛けてきたのである。これは、天皇陛下の御体調を慮る国民の感情を巧みに利用したものであり、女性宮家創設の皮をかぶった女系天皇論にほかならず、「禁じ手」というべきである。

(『第11回 女性宮家創設は「禁じ手」』北海道神宮ホームページ)
http://www.hokkaidojingu.or.jp/sizume/column/takeda11.html
+++++++++++++++++++++

この発言の中で、1点だけ同意できるのは、以下の一文です。

「女系天皇を容認する国民的合意なくして、女性宮家について論じるのは適切ではない。」

裏を返せば、「女系天皇を容認する国民的合意があれば、女性宮家も論じることが出来る、実現できる」ということになります。

わたしたち一人一人が「女系天皇を容認する国民的合意」を固めて、もっともっと積極的に表現することが求められています。

「皇室の歴史上、初めて民間出身の男性が皇族の身分を取得することになる。そして、その子や孫が将来の天皇となった場合、男系継承の原則が崩され、初の女系天皇が誕生することになる。」と竹田氏は危惧しています。

民間出身の女性がこれまで3方(美智子さま、紀子さま、雅子さま)皇室に入られました。それによって皇室と国民は、良い意味で一体感が強まりました。皇室は庶民を理解され、国民と共に歩まれる皇室のあり方が、いっそう幅広く豊かになられたと思います。今後、民間出身の男性が皇室に入られれば、良い意味で、皇室と国民が共に歩む国づくりに貢献していただけると思います。民間出身の男性の皇室入りを、なぜそれほど拒否するのかが、理解できません。

しかし、竹田氏の「女系天皇」反対の根拠は、実は極めて薄弱です。色々理屈をつけますが、何と最後には「もはや理由などどうでもよい」と言い放ちます。


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■もはや理由などどうでもよい
 「天皇の皇位がなぜ男系によって継承されてきたか」。これに答えるのは容易ではない。そもそも、人々の経験と英知に基づいて成長してきたものは、その存在理由を言語で説明することはできない。なぜなら、特定の理論に基づいて成立したのではないからだ。天皇そのものが理屈で説明できないように、その血統の原理も理屈で説明することはできないのである。
 だが、理論よりも前に、存在する事実がある。男系継承の原理は古から変更されることなく、現在まで貫徹されてきた。これを重く捉えなくてはいけない。例えば、現存する世界最古の木造建築である法隆寺は、その学問的価値の内容にかかわらず、最古故にこれを簡単に立て替えてはいけない。同様に、天皇は男系により継承されてきた世界最古の血統であり、これを断絶させることはできない。
 もはや理由などどうでもよいのである。特定の目的のために作られたものよりも、深く、複雑な存在理由が秘められていると考えなくてはいけない。

(「第3回 なぜ男系継承でなくてはならないか」北海道神宮ホームページ)
http://www.hokkaidojingu.or.jp/sizume/column/takeda3.html

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竹田氏は、男系継承の原理を法隆寺に例えています。しかし法隆寺はどれほど価値があっても、一建築物であり、男系継承と比較するのは、何か違う気がします。形が価値である伝統と、生きている伝統との違いです。

「天皇は男系により継承されてきた世界最古の血統であり、これを断絶させることはできない。」

竹田恒泰氏の考え方はもっともなように聞こえますが、その背景となる同氏の考え方には、何か大切なものが欠けている気がします。

竹田氏は、「血の一滴」へのこだわり「家格」、「男系の血筋」に並々ならぬ、異常なまでに、価値を認めています。

テレビ朝日の「朝まで生テレビ」に出演した時、論議が激しくなったところで、対談者に向かって、

「私とあなたは血筋が違う!」

竹田氏が叫んだのを見て、ギョっとしました。

元皇族の子孫が、そのようなことを公の場で叫ぶことに、驚きました。竹田氏の「人柄の卑しさ」しか感じませんでした。心でそう思っても(思うこと自体が謹み深い人なら恥ずかしいことですが)、それを口に出したら人間性が疑われます。裏を返せば「下賤の生まれのお前が何を言うか!」と、相手を見下げていることになります。

仮に皇族がそのようなことを発言されたとしたら、人々の皇室への尊敬は一気にさめてしまうでしょう。そのような精神は、「一視同仁」の皇室の精神の対極にあります。


竹田氏は、小室圭さんについて、次のように評しているとのことです。

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「皇室とは公的な存在であり、関係を持とうとする人には一定の品格が求められます。残念ながら、小室さんはその基準を満たしていないように思えます。」(p169)

(矢部真紀子『雅子さまの笑顔』幻冬舎新書)
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私に言わせれば宮家の血筋を誇る竹田恒泰氏の方が、皇室を語る「一定の品格」を欠いているとしか思えません。竹田氏のいう「品格」は、小室さんの「血筋」が庶民であることが気に食わないというのを、言葉を変えただけではないでしょうか。

男系派と話をしていると「家格」とか「血筋」とか、外国人を軽蔑するとか、およそ皇室の精神と対極にある差別感情を平気で吐露する人が多いです。男系派の多くは、レイシスト(差別主義者)ではないかと思うときがありますが、竹田氏の口調にも、同じものが感じられます。

小室圭さんのことは、婚約内定の会見を見て、発表された文書を読んだだけですが、素直な人柄の青年だと思います。眞子さまと生涯をともにされたいという覚悟があるなら、素直でありさえすれば、必要な品格は、今後の訓練でいくらでも磨くことができると思います。

「家格」、「血筋」がいかに当てにならないかを、宮様詐欺師・竹田恒泰氏は、みごとに証明しています。「氏より育ち」といいますが、血筋よりも、素直で正直で誠実な人柄であることの方が、はるかに価値があると思います。

竹田氏は、こうも言います。

「天皇は男系により継承されてきた世界最古の血統であり、これを断絶させることはできない。」

女系になると「断絶」となぜ、決めつけるのでしょう。母方の血筋がつながっている、父方の血筋がつながっている、父母両方の血筋がつながっている、どの場合でも、血統は断絶していません。そう考えるのが、人として自然ではないでしょうか。


確かに、女性天皇容認(公認)は、大いなるパラダイムシフトであるともいえます。

パラダイムシフト:ある時代・集団を支配する考え方が、非連続的・劇的に変化すること。社会の規範や価値観が変わること。

竹田氏や男系派、あるいは彼らの言うこと、これまで続いて来たこと、父方の血筋がつながってきたことを変えてはいけないと思う人々は、この劇的な変化に不安と抵抗を覚えているのだと思います。

しかし、パラダイムシフトは、新たな発展をもたらす大いなるエネルギーを生み出すことにつながります。「女系天皇公認」は、「女性の価値の再発見」という新しい希望に満ちた時代を生み出す、そんな予感がいたします。新たに生まれ替わる、そのための変化を恐れない、それが国民と共に歩んでこられた皇室が長年続いて来たゆえんだと思います。


今日も読んでいただき、ありがとうございました。
暑い日が戻ってきました。皆様の御多幸とご健康をお祈り申し上げます。

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竹田恒泰氏はなぜ女系天皇に反対するのか [皇室典範改正]

DSC_176820210818blog.JPG熱心な男系派の知人(仮にTさんとします)から竹田恒泰氏の文章について、意見を求められました。Tさんは竹田恒泰氏の熱烈な信奉者です。

Tさんが引用してきたのが、北海道神宮での竹田氏講演のまとめだったので、元の文章を同神宮のホームページで確認しました。

最初に問題だと思ったのは、ホームページに掲載されている竹田恒泰氏の肩書です。

竹田氏は2014年に、慶応義塾大学講師を解任されています。
https://www.daily.co.jp/gossip/2014/04/23/0006885688.shtml

それにもかかわらず、北海道神宮は公式ホームページで、

「天皇弥栄(すめらぎ いやさか) 慶應義塾大学講師 竹田 恒泰」

として同氏の講演原稿を掲載しています。

講演日時を検索すると第1回が平成18年(2006年)となっています。ということは2014年以前の講演なのでまだ講師資格があったのでしょう。それなら、現在のホームページの見出しに「肩書は掲載当時のもの」との断り書きをつけた方が丁寧ではないでしょうか。読んだ人が現役の講師かと勘違いします。

竹田恒泰氏の現在の肩書は、「政治評論家、作家、実業家」です。慶応義塾大学に何の関係もありません。

こういうことは掲載された本人も気を配ることではないかと思います。

竹田恒泰氏は、このような勘違いをわざとそのままにしておくところがあり、自身の肩書にきわめていい加減な人です。

著書に「明治天皇の玄孫」と紹介されることをそのままにしていますが、「女系天皇、女性宮家に絶対反対」との先鋒に立っています。明治天皇の「女系」の玄孫(やしゃご)という肩書を自分はちゃっかり利用しています。それにもかかわらず、女系天皇に絶対反対と言う二枚舌を使って恥じることがありません。そんなに「女系」が無価値だと思うのなら、自分の肩書でも使用しないという矜持が必要でしょう。

また、周りの人に「殿下」と呼ばせて悦にいっているようです。現に私に質問して来た男系派のTさんも「竹田殿下」というので、私は「殿下ではないでしょう」と一喝しました

竹田恒泰氏の祖父竹田恒徳氏は臣籍降下した「旧皇族」です。しかし、恒泰氏の父親の竹田恒和氏は誕生時から一般国民であり、その子息である恒泰氏も一般国民で、一度たりとも「宮様」だったことはありません。まぎれもない一般国民です。旧宮様の孫ということなら、他に何人もいらっしゃいますが、「旧皇族」などと公言して、利用しつくしているのは竹田恒泰氏ぐらいでしょう。

彼は旧皇族と呼ばれるのをいいことに、過去において2回も宮様の血筋というブランドを利用して、詐欺的行為をはたらいています。


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一つ目は、マルチ商法への関与。「FLASH」(光文社)2002年7月30日号によれば、彼はインターネットマルチ商法・スカイビズ2000に関わっていた。スカイビズ2000は、加入金110ドルを払えば自由に使えるホームページのスペースと、簡単にサイトが作れるソフトの利用権が得られるというサービスだが、新会員を勧誘すると、その数に応じて多額のボーナスを得られるとも喧伝しており、“ねずみ講”と指摘されていた。

 竹田恒泰は旧皇族の出自を出すことで信用を得て、新規会員を次々と勧誘していった。そのためのミーティングを東京のみならず全国各地で行なっていた事実も報道されていた。

ちなみに、スカイビズ2000を展開していたスカイビズ社は、01年に米国連邦取引委員会からねずみ講にあたるとして提訴され実質破綻している。

 二つ目はもっと事件性の高いもの。彼の祖母・松見イクが経営していた精神病院・松見病院の多額借金をめぐるトラブルである。松見病院の経営陣のひとりでもあった竹田恒泰氏は、この件をめぐる借金の保証人となっており、東京地裁で1200万円および13年6月24日から年5分の利息の支払い命令を受けた。その経緯について、「週刊文春」14年10月16日(文藝春秋)で、原告の男がこのように語っている。

「知人から金を貸してくれという話があったのは去年2月のことでした。聞けば、“病院の売却話が進んでいる。ついては、つなぎ資金が必要で、融通してもらえないか”という話でした。それが1200万円だったのです。大金なので躊躇していると、今度は竹田さんを“保証人”につけると言う。本人にも会いましたが、なにせ明治天皇の玄孫というから信用するでしょう。大丈夫だろうと考えて知人に1200万円を貸すことにしたんですよ」
(「大麻逮捕の竹田恒泰の従兄弟より悪質? 旧宮家の”権威”を利用したトンデモ事件簿! 竹田恒泰もマルチ商法関与」リテラ 2015.09.24)
https://lite-ra.com/2015/09/post-1522.html
https://lite-ra.com/2015/09/post-1522_2.html

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また、恒泰氏の父竹田恒和氏は、東京五輪招致をめぐる収賄容疑でフランス司法当局の捜査を受けていますが、その弁護費用2億円をJOCが負担していたことが、朝日新聞に報道されていました。


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 東京オリンピック(五輪)・パラリンピック招致をめぐる贈賄疑惑でフランス司法当局の捜査を受けている竹田恒和・元招致委員会理事長の弁護費用が2020年度までの3年間で約2億円に上り、その全額を竹田氏が19年6月まで会長を務めていた日本オリンピック委員会(JOC)が負担していることがわかった。

(「JOCが弁護費用2億円負担 五輪招致で疑惑の元会長に」朝日新聞DIGITAL 2021年8月8日)
https://www.asahi.com/articles/ASP876QNGP7NUTQP029.html

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竹田恒泰氏は、「女性宮家、女系天皇」の制度を設けることに絶対反対を唱え続けています。 小室圭さんのスキャンダルを語っているYOU TUBEを薦められて、一度だけ視聴しましたが聴くに堪えない見苦しいものでした。眞子さまは悪くない、眞子さまをだましたK.K.(小室圭さんのこと)が悪いんだという論調で「ケーケー、ケーケー」とニワトリのように連呼していました。こういう品のない発言に「宮様の末裔だから」というだけで、コロッとだまされてしまう人がいるのですね。宮様ひいては、皇室の面汚しです、
https://m.youtube.com/watch?v=zZFLXNU4aUg

視聴したくない人は視聴しないでください。視聴する人は、気分が悪くなること覚悟の上で、気分転換のための飲み物や音楽を用意してから、視聴してください。

竹田恒和氏が国際手配をされて外国旅行ができないでいることを思えば、「父親の犯罪を隠したいために、罪のない一般国民の小室圭さんをスケープゴートにしているのか」と、勘繰りたくなります。

世間では、眞子さまのご結婚費用が1億5千万円だと騒いでいますが、竹田恒泰の父親は、JOCに2億円を既に負担させています。わいろ疑惑が片付くまでもっとお金が要ることは間違いありません。潔くフランス司法当局のお縄につけば、無駄な費用をJOCが負担せずに済むはずです。

(真偽のほどは分かりませんが、他の勤務者から類推してJOC会長の退職金が1億を超える、既に受け取っているだろうと書いているブログもありました。)

こう並べると竹田恒泰氏が、自分の父親の不祥事を隠したくて、小室圭さんを餌食にしているとの見方も、あながち間違っていない気がします。

さらに、恒泰氏自身の結婚までの一時期に、4人もの女性と二股、三股交際していた人が、人様の結婚、一筋の純愛に、あれこれ言えるのかとも言いたいです。

このように竹田恒泰氏は、思想以前に人間性に大いに問題があります。旧皇族の血筋を徹底利用する、金儲け主義がひどすぎます。

北海道神宮ホームページに掲載されたシリーズを一読しますと、皇室の知識は勉強しているようですから聴いた人が騙されるのでしょう。しかし、肝心なところがズレています。
天皇を尊敬する心がないのです。 そのため豊富な知識が災いの元になっています。

経歴を見ても、お金のために何でもする人だと思いました。

今は販売していませんが、三種の神器をプリントしたTシャツやグッズを○万円単位の高額で販売していたこともありました。宮内庁から何らかの許可を得て販売しているのかと思いましたが、短期間で姿を消したところを見ると、無許可だったのでしょう。三種の神器を商売に利用すること自体、皇室を何と心得るのかと、あきれます。


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あのニセ旧皇族・竹田恒泰が、
自身のウェブサイト
「竹之屋・竹田恒泰商店」で、
「三種の神器もどきグッズ」を
売っていました!
現在は「販売中止」となっていますが、
「竹田恒泰デザイン」で、
「大御剣」「大御鏡」「御勾玉」
をプリントしたTシャツで、
他にもシリーズがあったようです。
(中略)

しかも、この、どー見ても
安っぽそうなTシャツが、
14700円!?

三種の神器は、
天皇でさえ実見が許されない
神聖なものです。

神話を絵画や漫画などに描く場合は、
描かないわけにはいかないから
絵にしますが、それも本来は
畏れ多い行為ともいえるのです。

それを、こんな安っぽいTシャツの
図案に使って荒稼ぎ!?

(『「三種の神器もどき霊感グッズ」を売ってた竹田恒泰!』2013.10.31 ゴー宣ネット道場)
https://www.gosen-dojo.com/blog/8509/

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竹田恒泰氏に関しては、思想うんぬんよりも人間性だけで、文字数超過になりました。

誰がいったということより、思想内容を吟味すべきだという考え方もありますが、皇統継承に関しては、発言する人の人間性も考慮する必要があると思います。

文章内容についての批判は、次回にゆずります。


今日もよんでいただき、ありがとうございました。
明日から暑さが戻って来るようです。皆様、お元気にお過ごしください。

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本物を見る目 [友情]

IMG20210816blog.JPG
*私の尊敬する仏師 西村公朝師の仏画の描きかたを手本にしました。*

今日は本物を見る目について、日ごろ思っていることを書きます。

わたしはひところ白洲正子の作品を続けて読みました。その中に、骨董品の真贋を見分ける眼を養うには名品に数多く接することと書かれているのが、目に留まりました。

絵の勉強をしていた若かったころ、私は「本物を見る目」が無いことに悩んでいました。名作と言われる作品を目にしても心の奥から湧いてくる感動がなく、尊敬する先輩、先生方の評価を気にして、その人々の見方を真似しようとしたものでした。

子どもの頃ピアノを習っていたときも、音楽を聴くことに興味が無いのに「精神一到何事かならざらん」と指を動かす練習を繰り返せば上手になれると思っていました。そんな練習が楽しいはずもなく、中学校でやめてしまいました。

学校の勉強が好きだったのは、同じことを何回も反復すればそれなりの成績をおさめることができたからですが、美術や音楽はそういう世界ではありませんでした。

絵を習っているころ、後に学んだ骨董に関する白洲正子の考えと同じこと「本物の探し方」を、友人から教えられました。

「あなたは、美術館に行くと、最初から最後まで一枚一枚の絵を丁寧に見ているけれど、それじゃあ疲れるでしょう。絵を見る時は、全体をざっと見てから、心に残った絵の前にもどって、それだけをじっくり見ればいいのよ。」

「心に響いたもの」に気持ちを集中するだけでよい、その見方を教わってから、美術館に行っても疲れなくなりました。自分はこういう絵が好きということも、だんだん分かってきました。

骨董品の真贋を見分けるのも同じことで、本物を手に取り、自分の心の動き方を見つめ、心地よい響きを自分の感覚で味わうこと、それが本物を見る目を培うことになるのだと分かってきました。

結局、私は、骨董品よりも音楽よりも絵画よりも、文章を味わうことが一番、好きなのだというのが、最近になってようやく分かりました。それで今は余暇には、ブログを書くことに力を入れています。

それでも美術を習ったことで教えられたことがあります。教えてくれた友人とも先生とも今は交流がありませんが、教えられたことはいつまでも、心に残っています。

1、美術品でも何でも「本物」に接する。

2、作品を創る時は、目の前の対象物をじっくり観る。(心の眼でも観る)

3、デッサンするときは、形がずれていても良いから、最初の線をまず引く。


1、 について
私にとって本物の文章は、天皇陛下のお言葉と御製です。的確で、あたたかくて深いお言葉は他に類を見ません。いつでも接していたい、それが天皇、皇室の方々のお言葉です。
それで天皇の御歌を続けて学ぼうと思ったのです。本物の文章に常に接していると、マスコミや言論人の皇室に関する論評などが的外れなときは、すぐに見抜くことが出来るように思います。


余談ですが、最近、男系派に対する辛口の言葉ばかり並べていたことに気付きました。男系派から質問されて、彼らの文章を読むようになって、あまりのいい加減さにかなり腹を立てていたのでしょう。偽物を見せられる苦痛に耐えながら男系派の質問に答えていたので、つい愚痴がたまってしまい、それをここに書いてしまったようです。具体的な文章をあげて論評しないで愚痴だけ並べるのはあまり良いことではないなと、ちょっと反省しているところです。今度からは、具体的な文章をあげて論評することにしようと思います。


2、について
目の前の対象物をじっくり見る訓練はいろいろな場面で役立っています。元々私は細かい生き物を観察するのは好きでした。顕微鏡でミジンコなど水中の生物を見るとか、昆虫や花の細部を観察するとか子供の頃から好きでした。

これを文章に応用すれば、第一次資料、つまり本人が書いた資料を丁寧に読むことにつながっていると思います。第二次資料、他人の伝聞記録は、伝え聞いた人の解釈が入り、元の文章と意味がずれていることがあるからです。そのために出来る範囲で元の文章を探し求めます。

さらに文章を書いた人が信頼に値する人なのかも調べます。学歴、肩書なども参考にしますが、それ以上に、筆者が誠実な人であるのか、金儲け主義でないかなどを、調べることにしています。


3、について
デッサンをするとき、真っ白な画用紙を前にして、そこに線を引くときに思い切りが必要です。子供の頃はむしろ気に留めなかったのですが、大きくなって上手に書こうという気持ちが高まれば高まるほど、いつまでも線が引けなくなる、間違った線を引くことが恐くなってしまうのです。
そんな時、先生が言いました。

「線を一本引けば、その線が正しい形からずれていることが分かる。分かったらそれを基準にして正しい線を引き直せばよい、心配しないで最初の線を引くことだ」

文章もそうです。よいことを書こうと思うと、最初の一言が出ない。そこで手が止まってしまう。何でもよいから、気にせずに書き始めれば次の言葉が続いて出て来る。

いちばん書きやすいのはノートへのなぐり書きです。誰にも見せないので好き放題に書きなぐると、せき止められていた思いがほとばしり出て、次の言葉を見つけやすくなります。なぐり書きはそのままでは人に見せられませんが、言葉がつまっているときに、流れを導きだすのにはとても有効な方法です。

これまでの人生で、良い友人や先生に恵まれたことをあらためて感謝しています。これからも、リアルでもネット上でも、良い出会いがあることと期待しています。

本物の文章を深く味わうこと、対象をよく観ること、一歩踏み出す勇気を持つことの努力を、これからも続けて行きたいと思います。

今日も読んでいただきありがとうございました。
急に涼しくなりました。みなさまもどうぞお身体に気をつけて、お健やかにお過ごしください。

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女性宮家当主の配偶者・お子様は一般国民のまま?―一代限り女性宮家の問題点 [皇室典範改正]

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やや時間がたってしまいましたが、8月6日付けの産経新聞で「女性皇族、配偶者と子供は皇族とせず 有識者会議が調整」というタイトルでニュースが配信されました。

今日はこの問題について取り上げます。



☆☆

安定的な皇位継承策などを議論する政府の有識者会議(座長・清家篤元慶応義塾長)が取りまとめを進める最終報告に関し、女性皇族が婚姻後も皇室に残る場合は当面の間、配偶者と子供を皇族としない方向で検討に入ったことが6日、分かった。秋までに行われる衆院選後に最終報告をまとめる方針。

有識者会議は皇族数の確保策について、①女性皇族が婚姻後も皇室に残る②旧宮家の男系男子が養子縁組などで皇籍復帰する―の2案を軸に法的課題などを整理するよう事務局に指示している。

7月26日の会合では最終報告に向けた方向性を確認。現在の皇位継承資格を前提に、秋篠宮さまの長男で皇位継承順位2位の悠仁さまが即位されて以降の皇位継承に関しては結論を得ることを見送る一方、「喫緊の課題」として皇族数の確保が必須としている。

(「女性皇族、配偶者と子供は皇族とせず 有識者会議が調整 2021/8/6 22:31」産経新聞)
https://www.sankei.com/article/20210806-GN5UBIKJQRJLHASE3WGJNU3PS4/


☆☆

要点を書き出してみます。

○安定的な皇位継承策などを議論する政府の有識者会議が最終報告に関し、女性皇族が婚姻後も皇室に残る場合は当面の間配偶者と子供を皇族としない方針で検討に入った。

○秋までに行われる衆院選後に最終報告をまとめる方針

○皇族数の確保策について、①女性皇族が婚姻後も皇室に残る②旧宮家の男系男子が養子縁組などで皇籍復帰する―の2案を軸に法的課題などを整理する

○7月26日会合で最終報告に向けた方向性を確認。

① 現在の皇位継承資格を前提に、秋篠宮さまの長男で皇位継承順位2位の悠仁さまが即位されて以降の皇位継承に関しては結論を得ることを見送る

② 「喫緊の課題」として皇族数の確保が必須


有識者会議の方向性は、以下2点です。

① 「現在の継承順位を変えない」、「悠仁様即位以降の皇位継承」に関しては、結論を出さないで、先送りする」

② しかし、「喫緊の課題」として皇族数の確保が必須。

[皇族数確保の案]

案その1:女性皇族が婚姻後も、皇族として皇室に残る。
しかし、配偶者と子供は一般国民である。皇室入りできない=皇族になれない。

案その2:旧宮家の男系男子が養子縁組などで皇籍復帰する=皇族になれる。

しかし、この方向性では、目先の頭数だけ確保しても、皇位の安定継承にまったく貢献しません。10年、20年先の問題解決の布石にはならないのです。

案その2は、憲法違反の疑いがあり、実現の可能性がないことを政府も、実は認識していることは、これまでも述べて来ました。

案その1について、高森明勅氏が「余りにも非常識なプラン」と書かれていますが、私も同感です。

配偶者・子供を皇族としないということは、女性宮家を創設するが一代限りであるということです。配偶者・お子様の立場を想像すれば、まさに「非常識なプラン」です。


☆☆☆

内親王・女王は皇族で、その配偶者の男性が国民のままという世帯は、少なくともわが国における皇室と国民の“区別”に対する一般的な感覚に照らして、極めて不自然と言わざるを得ない。

そもそも、配偶者が国民のままならば、憲法第3章が国民に対して保障する権利や自由は、そのまま保障されなければならないはずだ。


特別職の国家公務員を新たに設けて、皇室のご公務を分担して貰おうとしても、勿論、それを辞退する自由がある。公務員でなければ、“国民として”政治活動の自由も制限されないだろう。

経済活動、宗教活動などの自由が最大限尊重されるべきなのは、勿論だろう。


しかし、そのことと、日本国の象徴、日本国民統合の象徴であられる「天皇」、及びそのご近親によって構成される皇室に求められる、「聖域」性、政治的・宗教的中立性などとの両立は可能なのか。それとも国民なのに、憲法上の権利や自由を法的根拠に基づかず、暗黙の「空気」で抑圧するつもりなのか。


男性皇族の配偶者やお子様は勿論、皇族とされる。

一方、女性皇族の配偶者は(ご結婚の相手が“女性だから”というだけの理由から)そのお子様と共に、皇族の仲間入りを許さず、しかも国民としての権利・自由も事実上、大幅に制限するという、差別的・侮辱的なプランを考えているとすれば、そのような悪条件を跳ね返して、敢えて結婚を望む国民男性がたやすく現れるとは、楽観できない。


内親王・女王方はご結婚されなければ、そのまま皇室にとどまられる。結果的に皇族数の減少を防ぐことができる。有識者会議の本当の狙いはそちらなのか、と邪推したくなるほど悪質なプランと言わざるを得ない。


(「内親王・女王はご結婚後も皇族のまま、配偶者は国民のまま?」2021年8月9日 高森明勅公式ブログ)
https://www.a-takamori.com/post/210809

☆☆☆


高森氏は、配偶者が国民のままなら、憲法第1章の天皇条項の適用ではなく、第3章が適用され、国民に対して保証する権利、自由が保障されると指摘します。

第3章が適用されるなら、選挙権もあり、職業選択の自由もあり、移動の自由もある、議員に立候補もできる、経済界で活躍することもできる、名所毀損に対して裁判を起こすこともできます。

とはいえ、女性宮家当主の配偶者という立場になれば、たぶん特別職の公務員というような制度が設けられ、法的根拠に基づかない暗黙の「空気」の圧迫で、その公務員になることが強制され、移動の自由も制限され、様々な権利が制限されることになるでしょう。

そのような宙ぶらりんの立場を知って、一般社会で充分に活躍できる能力と人柄を備えた男性が女性皇族を配偶者に選ぶでしょうか。暗黙の「空気」の圧迫で何が強制されるか分からない、言論の自由も無い、しかし皇族ではない立場になることを考えれば、まともな男性はそのような結婚を拒否すると思います。皇族と結婚したい下心で何でもするという野心家は名乗り出るかも知れませんが、そのような男性だったら、女性皇族が拒絶されるでしょう。

一方、実現そのものが困難、ほぼ不可能なのですが、仮に旧宮家系男子が皇籍復帰し、夫婦養子で皇室に入れば、当然のように配偶者、子供が皇族になれる、男性皇族だからというだけの理由で600年前の天皇の子孫が皇室入りして、その子供は皇位継承資格を得られるのに、天皇陛下を父に持つ直系の女性皇族、あるいは祖父が天皇だった女性皇族の配偶者、子供には皇位継承資格がない、それは皇族が女性だからというだけの理由です。 皇族が男子であるか女子であるかの違いで、その配偶者、子供が、こんな差別待遇を受けるのは、理不尽なことだと思います。

こうすれば内親王・女王方はご結婚されないで皇室に独身のままとどまられるから、皇族の減少を防ぐことができるというのが、有識者会議緒の本当の狙いではないかという、高森氏の推測もあながち邪推とはいえません。

男系派は、もはや何でもありの無茶苦茶を押し通そうとしているからです。その結果皇室が無くなってもかまわないと考えているのかとさえ思うときがあります。目先のことしか、考えないのでしょうか。

目先の皇族数だけ確保できても、10年~20年先の問題解決の見通しが立たなければ、そのプランはまったく意味がありません。意味がないだけでなく、正しい解決を阻害する有害なプランだとさえ言えます。


この方向性について、「愛子さま 皇太子への道」でも、「ブログを読んで感じた、私の危機感~血も涙もない理不尽」のタイトルで取り上げられています。

☆☆☆

自分の子供が先祖からの継承を認められないなんて、
どこの血も涙もない輩が考え付くのでしょう。

自分の子供は、自分の後を継げない。
そんな事他人に決められたくありませんし、そんな事を言われたら、確実に激怒しますよね。

そんな理不尽を、
有識者会議は行おうとしています。

これは、許すべきではないと思いますし、この問題について、我々庶民が大きな声を上げるべきではないでしょうか?

https://aiko-sama.com/archives/6475

☆☆☆


筆者の「私の危機感~血も涙もない理不尽」に私もまったく同感です。一般庶民の感覚が正しいと思います。

女性皇族・女王と結婚しようとする男性に、自分の子供は、自分の後を継げないことを知らされ、さらに600年も前に家系が分かれた遠い親族の子孫が、男系男子の血筋だからというだけの理由で、夫婦で跡継ぎに据えられることが決まっています、それでも貴男はこの女性と結婚しますか、と問われるようなものです。ノーというのが眼に見えています。高森氏が言われるとおり、このような女性宮家を創設するくらいなら、今の内親王・女王が婚姻と同時に皇籍を離れて、一般国民になられる方が人間として、お幸せだと思います。

どこが有識者会議ですか、「有識者」どころか、あなた方には、人間の血が通っているのですか、人情が分かるのですか、人情の分からない鬼ですか、と問いたくなります。

生前退位の時も、上皇さまの30年間の被災地訪問、慰霊の旅などの全身全霊のご努力を踏みにじるかのような、安倍政権の「血も涙もない」対応ぶりを腹立たしく思いました。「公務負担の軽減」という見当違いの有識者会議を立ち上げ、上皇さまが深く失望されたことを、宮内庁が珍しく発表したほどでした。上皇さまが「象徴天皇」としてのお立場を天皇の伝統にかなうお役目として果たしてこられたことを、安倍政権が少しも評価していなかったことに驚きました。心ある国会議員たちの活躍で、何とか特例法の形で御譲位を実現しましたが、これも本来は皇室典範改正すべきだったのに、安倍政権が怠って特例法という弥縫策で対応した結果、憲法違反という風評を生む原因となっています。たまに譲位は憲法違反という言説を耳にしますが、憲法違反と疑われる原因を作ったのは安倍政権であり、上皇陛下では決してないということを、あらためて強調したいと思います。

今回も、女性皇族のお気持ち、ひいては天皇陛下のお気持ちを踏みにじる「血も涙もない」対応ぶりに「菅政権よお前もか」という失望が深まりました。もう自民党は絶対に支持しません。

自民党を支持する男系派、自称尊皇派は、「天皇制を守る政党は自民党だけ」と言いますが、それはもはや死語となりました。「天皇制を先頭に立って滅ぼす自民党」になり下がっています。

自民党が考えているのは、カチンカチン石頭の男系派の票田を手放したくないということだけです。

天皇、女性皇族は、男系派の奴隷ではありません。

良心のある、あたたかい血が通っている国民が声を上げることで、ただでさえ困難の多い天皇、皇族のお立場から少しでもご不自由が取り除かれて、皇族の皆様お一方お一方にお幸せになっていただきたいです。

皇室に詳しい知識が無くても、庶民の直感、80%が女性天皇、女系天皇に賛成という民意は、正しいと思います。

天皇のお気持ちに沿ったおおらかで自然な人間味あふれる皇室であっていただきたい、男系も女系もこだわらない、天皇がご満足いただける直系(実のお子様)の皇位継承であることを、素直に願う国民でありたいと思います。


今日も読んでいただき有難うございました。
西日本では豪雨が激しいようです。どうぞ皆様、お気をつけてお過ごしください。
皆様のご多幸とご無事をお祈り申し上げます。
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「皇位継承策 議論の先送りをせずに」―東京新聞社説に同感 [皇室典範改正]

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2021年8月10日付けの東京新聞朝刊に「皇位継承策 議論の先送りをせずに」との社説が掲載されました。同紙の8月8日朝刊「話題の発掘」もまっとうな内容です。どちらも中立的なバランスのとれた見方だと思います。まともな意見を読んで、心強く思いました。

以下は「社説」からの部分引用です。





☆☆☆

安定的な皇位継承策を議論する政府の有識者会議が中間整理案をまとめた。女性宮家案か、旧宮家の皇籍復帰案かの二つだ。そもそも論点は既に出尽くしており、議論の先送りはもう避けたい。現在、皇位継承権を持つのは秋篠宮さまと悠仁さま、八十代半ばの常陸宮さまの三人だけだ。悠仁さまの時代に十分な皇族の数を維持できなくなる…。そんな危機意識を踏まえた論議である。(中略)
 女性・女系天皇案など皇位継承権の拡大については「次のステップに考える課題」として踏み込まず、皇族数の確保に向けた検討にとどまっている。
だが、小泉政権時の二〇〇五年には当時の有識者会議が、女性・女系に皇位継承を拡大する報告書をまとめている。女性宮家の創設も盛り込まれていた。皇籍復帰案は「困難」とも指摘していた。(中略)
共同通信による今春の世論調査でも女性・女系天皇案への賛成はともに80%以上で、皇籍復帰案への賛成は約30%だった。
女性・女系天皇案が安倍晋三政権になって白紙に戻り、議論が蒸し返されているのは、男系男子主義に固執する保守派への配慮があるのだろう。
両論併記により議論が再び平行線をたどることを恐れる。愛子さまも、秋篠宮さまの長女眞子さまも、次女佳子さまも近い将来、結婚すれば皇籍を離脱せねばならない。そうなれば女性宮家案も、世論が理解を示す女性・女系天皇案も事実上、立ち消えになる一方、皇籍復帰案が残る事になる。
一七年の天皇大意特例法の附帯決議は、女性宮家創設などの「速やかな検討」を求めていたはずである。そろそろ結論を導く段階に来ているのではないだろうか。

(「社説 8月10日」東京新聞 第5面)

https://www.tokyo-np.co.jp/article/123236?rct=editorial

☆☆☆


タイトルは「議論先送りをせずに」と控えめですが、本文では「そろそろ結論を導く段階に来ているのではないだろうか」と述べています。

女性宮家の創設は、内親王方のご年齢を考えてももう先延ばしできません。早急に議論を進めて、女性・女系継承を認める方向で、皇室典範を改正する必要があります。「結論を導く段階に来ている」というのはそういうことだと思います。


2005年小泉政権時有識者会議報告書(女性・女系に皇位継承拡大する案)を最近読み返しました。発表当時は、従来の男系男子限定継承に比べて、男女の別なく直系長子継承との飛躍に驚きましたが、色々と学んだ今読み返せば、丁寧な議論が重ねられていて、よく検討されていると感心しました。

旧宮家系男子の皇籍復帰案は憲法違反の疑いがある(第14条 門地(家柄)による差別)など、色々と無理があり、政府は明言しないながらも、断念の意向を示しています。

女性宮家を創設し、女性・女系に皇位継承を拡大する案は、欧州王家が続々採用し実施している対策です。男系男子による継承は一夫多妻があって初めて成り立っていたのですから、一夫一妻を守る限り、継続することが出来ません。現実に即した策です。このことによって日本女性が自信を持つようになり、元気になります。

大多数の日本人も女性・女系継承に賛同しています。男系男子限定にこだわる必要はない、女性・女系があってもよいというのが、一部保守層を除いた、常識的な感覚の人々の意識です。それは明治天皇の時にも、実現はかないませんでしたが、永世皇族制の廃止、御譲位と共に、既に検討されていた案でもありました。

安倍晋三政権は、上皇陛下の御譲位のご希望にも反対し(譲位は何とか実現できましたが)、女性宮家創設にも反対して、実現不可能な男系男子限定、男系男子継承に固執する保守派のご機嫌取りに終始しました。菅政権もどうやら同じ路線を継いで、議論の先送りを図りたいようです。

菅政権が検討している一代限りの女性宮家で配偶者とお子様を皇族にしないという案はどう考えても議論の先送りです。まるで悠仁さまのご結婚まで、内親王方もご結婚するなと言わんばかりの、皇室に対して失礼きわまりない、非人情な提案だと思います。

高森明勅氏もこの提案についてブログを書かれています。よろしかったらお読みください。
https://www.a-takamori.com/post/210809


私は、眞子さまのご結婚前に、皇室典範を改正して「女性宮家創設」を実現しなければならないと思います。

東京新聞は8月8日の19面「話題の発掘」、「週刊誌を読む 8月1日~7日」で、「眞子さま・小室さんの結婚 どう転んでもバッシング」と見出しをつけて、バランスの良い取り上げ方をしています。


☆☆☆

「裏切り婚」「追放婚」などの文言が女性週刊誌の表紙に踊っている。この秋にも大きな動きが予想される眞子さまと小室圭さんの結婚についてだ。
きっかけは七月三十日正午にNHKが報じたニュースだったようだ。小室さんが二十七、二十八日に米ニューヨーク州の司法試験を受験。結果発表はまだだが、既に現地の法律事務所へ就職する見通しも立っているという内容だ。(中略)

小室さんが現地で就職する意向は強いようで、そうなると眞子さまもアメリカに渡ることになる可能性が高いらしい。(中略)

[週刊新潮の]この記事の見出しは「『小室佳代さん』が勤め先洋菓子店で大トラブル」だ。小室圭さんの母親と勤務先がギクシャクしているという内容だが、驚くのは店の関係者のこういう証言だ。「店にもよく『なぜあんな人を雇っているのか』『二度と買わない』といった抗議電話が掛ってきています。
私にはこのバッシングの空気の方が異常だとしか思えないのだが。
(月刊『創』編集長・篠田博之)

(「週刊誌を読む 8月1日~7日」東京新聞 8月8日朝刊 第十九面) 

☆☆☆


筆者は、「女性セブン」8月19日号の見出しに「眞子さま追放婚」と書かれ、「週刊女性」8月17・24日号は(国民が祝福できないのに結婚するのは傲慢だという)「裏切り婚」と呼んでいることについて、

「今やどう転んでもバッシングの対象になってしまうのが眞子さまと小室さんの結婚だ。だとすると、日本を離れて生活したいと当人たちが考えても無理はないように思う。」

とも述べています。

根拠のあいまいな情報をもとに、世論をとんでもない方向に誤誘導するマスコミの罪は重いです。

上皇陛下の初孫でいらっしゃる眞子さまが、本人に何の落ち度もないのに、国民の理解が得られないという理由で、皇室からも日本から追放されるような形でご結婚されるとしたら、日本人がフェイク・ニュース(ウソの報道)に簡単に踊らされるバカな国民だということを世界中に知らしめることになり、日本人の恥になります。井の中の蛙の男系派は無頓着なようですが、こういう形で日本の評判を落とすことを軽視してはならないと思います。

日本人が恥をかかないために、ご結婚までに何としてでも、小室さんの汚名を晴らし、きちんとした形を整える必要があります。女性宮家の創設はその第一歩です。眞子さまが女性宮家の当主になられ、配偶者の皇室入りの道が開かれれば、皇室入りを前提に小室さんの身辺調査も正式に行われて、三権(立法権、行政権、司法権)の長が出席する皇室会議で皇族にふさわしいかどうか慎重に審議されることになりますから、国民が前もって心配や疑惑を持つ必要はありません。

記事の末尾の話も小室佳代さんの勤め先がいわれなき抗議を受けるという、信じられない話です。小室佳代さんが何をしたというのでしょう。勤め先に脅迫的な電話をかける人々は、モンスター・クライアント(化け物顧客)というべきで、洋菓子店、小室佳代さんが気の毒でなりません。近くの店だったら、不当な圧力に負けないようにと、ケーキを買ってはげましたいくらいです。

今の世間のバッシングの空気は明らかに異常です。「週刊新潮」が「勤め先とトラブル」などと、世間の異常さを助長する見出しをつけるのは、もはや口害だといえます。読者にも、トンデモ記事に惑わされない賢さが求められていると思います。


今日も読んでいただき有難うございました。
暑い日が続きます。皆さまお身体に気をつけてお健やかな日々をお過ごしください。

タグ:眞子さま
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天皇の御歌(72)―第10代・崇神天皇(3) [崇神天皇]

DSC_173620210809blog.JPG第10代・崇神天皇の御歌を学ばせていただきます。第3回目です。

御在世:B.C.148―B.C.30(崩御・118歳)
御在位:B.C.97―B.C.30(51歳~118歳)


伊勢神宮が最初にお祀りされた笠縫邑(かさぬひむら)は、現在の奈良県桜井市と考えられ、檜原神社(ひばらじんじゃ)や多神社(おおじんじゃ)などが比定地(ひていち)として挙げられるとのことです。

天照大神が伊勢に留まられるのは、次の代、第11代・垂仁天皇の御代になりますが、何と14か所も点々となさった末に、五十鈴川の川上の今のお宮に鎮まられました。

(以上伊勢神宮の歴史について、伊勢神宮のホームページの「御鎮座の歴史」を参考にしました。「神宮トップ」https://www.isejingu.or.jp/ →「神宮について」→「神宮の歴史・文化」→「御鎮座の歴史」にこの説明があります。)


こうして、皇居内に奉斎していた八咫鏡(やたのかがみ)と天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)とを、宮中から笠縫邑(かさぬひむら)にお遷しになられ、天照大御神を祭祀されましたが、宮中には、このとき倭大國魂(やまとのおほくにたま、日本大國魂神とも)の神も、お祀りされていました。この日本大國魂神を、哼名城入姫命(ぬなきのいりひめのみこと)に祭祀させようとなさいましたが、哼名城入姫命(ぬなきのいりひめのみこと)は、病気になってしまい、祭ることができませんでした。(以上『日本書紀』より)

疫病がなかなか収まらないので天皇は愁い歎かれて、神床(かむどこ 神に神意を求めようとして忌み浄めた床)にいらしたとき、大物主(おおものぬし)の神が夢に顕(あらは)れてこう言われました。

「こは我が御心ぞ。故(かれ)意富多多泥古(おほたたねこ)をもちて、我が御前(みまえ)を祭らしめたまはば、神の気(け)起こらず、國安らかに平らぎなむ。」

すなわち「これは私(大物主神)の心によるものですから、私を、意富多多泥古(おほたたねこ)によって祀らせるなら、神のたたりが起こらなくなり、國がやすらかになるでしょう」と仰せられました。(以上『古事記』より)

日本書記では、お告げのあった意富多多泥古(おほたたねこ)は、太田田根子と表記されています。そして、大物主神を太田田根子を祭主とし、倭大國魂神(やまとおおくにたまのかみ)は市磯長尾市(いちしながをち)を祭主とせよとされています。(以下「日本書紀」より)

天皇は夢のお告げをお歓びになり、太田田根子を探し求めたところ、茅淳縣(ちぬのあがた)の陶邑(すえのむら)で見つけられました。

陶邑:現在の大阪府堺市東南部、陶器山からその四方にかけての地。

天皇は神淺茅原(かむあさじはら)にお出ましになり、太田田根子に「汝(いまし)は誰の子か」とお尋ねになられ、太田田根子は「父(かぞ)は大物主神、母(いろも)は活玉依姫(いくたまよりひめ)」とこたえました。

そこで天皇は、太田田根子を大物主大神の祭主とされ、市磯長尾市(いちしながをち)を倭大國魂神(やまとおおくにたまのかみ)の祭主とされました。後に、他の神も祀ろうと思い、占ったところ、吉とされたので、八十萬(やそよろず)の群神(もろかみ)を祀られました。このように天社・國社(あまつやしろ・くにつやしろ)と、神地(かむどころ)・神戸(かむべ)を定められました。

「日本書紀」の注には、

神地:神の料田か
神戸:神社に当てられた民戸か

とされています。

「是(ここ)に疫病(えのやまひ)始めて息(や)みて、國内漸(くにのうち やうやく)に謐(しずま)りぬ。五穀(いつのたなつもの)既に成(みの)りて、百姓(おほみたから)饒(にぎはひ)ぬ」(「日本書紀 卷第五」)


こうして、天社・國社の祭祀が整えられ、疫病もはじめて終息して、五穀が実るようになり、百姓も豊かさににぎわうことになりました。

以下の御製は、疫病の終息を諸臣と共に祝い、安堵と喜びを詠っていらっしゃいます。


☆☆☆

冬十二月の丙申(ひのえさる)の朔乙卯(ついたちきのとうのひ)(二十日)に、天皇(すめらみこと)、大田田根子(おおたたねこ)を以て、大神(おおみわのかみ 三輪明神・大神神社)を祭(いはひまつ)らしむ。是の日に、是の日に、活日(いくひ)(ささ)げて、天皇に獻(たてまつ)る。仍(よ)りて歌(うたよみ)して曰はく、「此の神酒(みき)は我が神酒ならず倭成(やまとな)す大物主の醸(か)みし神酒幾久幾久(いくひさいくひさ)」加此(かく)歌(うたよみ)して、神宮(かみのみや)に宴(とよのあかり)す。即ち宴(とよのあかり)竟(おわ)りて、諸太夫等(まへつきみたち)歌(うたよみ)して曰はく「味酒三輪(うまさけみわ)の殿(との)の朝戸(あさと)に出(い)でて行かな三輪の朝戸を」(*朝戸にも出でてゆかな=一晩中酒盛りをして、朝になってから帰って行きたい)

茲(ここ)に、天皇(すめらみこと)歌(うたよみ)して曰(のたま)はく、

味酒(うまさけ) 三輪の殿の 朝戸にも 押し開かね* 三輪の殿戸(とのと)を

やがて神宮(かみのみや)の門(みかど)を開きて幸行(みゆき)しき。
(*押し開かね=押し開いて行きなさい)

[「日本書紀 卷第五」からの引用]

(pp21~22)
(小田村寅二郎 小柳陽太郎 編著『歴代天皇の御歌―初代から今上陛下まで二千首 -』 日本教文社 昭和52年8月15日 第5版)

☆☆☆


大物主神は、医薬、酒造、方除等、人間生活全般の守護神です。大物主神を御祭神とする大神神社のホームページに、酒造りの神様とあります。

「杜氏(とうじ)の高橋活日命(たかはしのいくひのみこと)がご祭神(さいじん)の神助(しんじょ)で美酒を醸(かも)したことから、医薬の神様や酒造りの神様として広く信仰をあつめておられます。」
http://oomiwa.or.jp/jinja/gosaijin/#linktop


大物主神を無事にお祀りすることができて、疫病も収まり、人々の喜びはたとえようもないほどだったことでしょう。是の日に、活日(いくひ)が自ら醸した神酒を挙(ささ)げて、天皇に奉りました。

崇神天皇が詠まれた御歌は、皆で神酒を飲んで楽しく歌を詠み、諸太夫等が詠んだ、一晩中酒盛りをして朝になって新しい明日に向かって、社殿の戸を開いて帰って行こうという歌の返歌です。

美味しいお神酒を飲んで、朝の三輪の社殿の戸を開こう、三輪の社殿の戸を

と、喜び一杯の御製です。

とても大らかな喜びに満ちていると思います。戸を開くというお言葉に、朝日が射しこむ希望に満ちた明るさが感じられます。

このようにコロナ禍も速やかに終息して、人々が喜びと希望に満ちた明日に向かって、豊かな日常生活に戻り、生き生きと前進できる日が一日も早く訪れますよう、心から願っております。


今日も読んでいただき有難うございました。
皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

タグ:大神神社
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天皇の祈りを指針とする―オリンピック開催によせて [今上陛下]

110628_12312620210808blog.JPG私が日々愛読している「愛子さま 皇太子への道」ブログでは、「【8/6~8/15 天皇制を考える10日間】」とのタイトルで、6日、9日、11日、15日に、それぞれに設けたテーマに沿ったブログを振り返りながら、天皇制について考察するそうです。

今日は、第1回目「1. 愛子さまの作文 ~天皇の祈りと現実の葛藤~」が掲載されました。

上皇陛下が挙げられた「(日本人が)忘れてはならない4つの日」のうちの3つが集中するこの時期に「天皇制を考える」のはとても意味のある事だと思います。

https://aiko-sama.com/archives/6357


このブログ記事で、「天皇の祈りを指針とする」という言葉が特に心に残りました。


☆☆☆

厳しい現実を前にしたとき、私達は天皇の祈りとどう向き合うべきなのでしょうか。
天皇の祈りを金科玉条として、ひたすら衝突を回避すべきか。
あるいは、現実を優先して天皇の祈りを無視するのか。

どちらも違うと思います。
国政の権能を託された私たちは、戦争も含むあらゆる手段を選択肢に入れて、日本を守っていかねばなりません。
しかし、日本を守るためなら何をしても良い、ということには当然なりません。
なるべく犠牲を出さないように。講和への道を閉ざさないように。
法の及ばない、人道的態度を保つために最も強い規範となるのが、天皇の祈りであると考えます。
日本を守りつつ、最大限、天皇の祈りを体現すること。
それが私たちに求められることではないでしょうか。

そしてこれは、戦時中に限りません。

平時の政策においても、天皇の祈りを指針とすることが、
日本が日本として発展していく上での道しるべとなるのではないでしょうか。

https://aiko-sama.com/archives/6357

☆☆☆

ここでは終戦直前の10日間の事を指していますが、私は

「平時の政策においても、天皇の祈りを指針とすることが、
日本が日本として発展していく上での道しるべとなるのではないでしょうか。」

に眼が止まりました。

色々の問題に没頭していて、天皇陛下のお言葉に帰ることを忘れていたことに気が付いたのです。宮内庁のホームページで、ご発表の都度、眼を通すことにしていたのに、その習慣からいつの間にか遠ざかっていました。それで最近の天皇陛下のお言葉をもう一度、気持ちをあらためて読むことにしました。

遅ればせながら、オリンピック開会に関係するお言葉を紹介させていただきます。
https://www.kunaicho.go.jp/page/okotoba/detail/86#303

○国際オリンピック委員会関係者ご引見
令和3年7月22日(木)(宮殿)【実際のおことばは,英語で述べられています。こちらのページでは和訳したものを掲載しています。】

○第32回オリンピック競技大会(2020/東京)開会式に出席する各国首脳等ご会見及びご引見
令和3年7月23日(金)(宮殿)【実際のおことばは,英語で述べられています。こちらのページでは和訳したものを掲載しています。】

○第32回オリンピック競技大会(2020/東京)開会式
令和3年7月23日(金)(オリンピックスタジアム)

さりげないおことばですが、ゆっくり読むと、心が静まります。

オリンピックについて、開催反対の声もありました。天皇陛下ご自身が「五輪御懸念と拝察」との宮内庁長官の発言もありました。政府に対して開催に際し細心の注意を払うようにとの陛下の御心だったのだろうかと、私見ですが、拝察しております。

私自身、オリンピック誘致の際の安倍前総理の発言、福島はアンダーコントロールであるとか(いまだに多くの人々が大変な廃炉作業に取り組んでいるのに)、その時期の日本の気候はオリンピックに最適である(この酷暑の時期に)とかよくウソを並べられるものだと、苦々しい思いで見ていたひとりでした。

それにもかかわらず、宮内庁のホームページを拝見しますと、いざ開催となれば全身全霊で取り組まれる天皇陛下の御心が伝わって来て、オリンピックの成功を応援したいと思いました。


☆☆☆

バッハ会長,
国際オリンピック委員会関係者の皆様,

 第32回オリンピック競技大会は,明日開会式を迎えます。

 現在,世界各国は,一昨年末より世界中を襲った新型コロナウイルス感染症の感染拡大という大変厳しい試練に直面しています。人が集い,繋がることが簡単ではない状況が続いています。

 そのような状況の中,新型コロナウイルス感染症に対する万全の対策を講じながらの大会運営は決して容易なことではないと思います。それぞれの競技会場の現場などで大会運営に携わる方々をはじめ関係者の皆さんのご尽力に深く敬意を表します。

 オリンピックが長く,そして広く世界で支持されてきたのには,平和と調和というオリンピズムの精神に理由があると思います。私自身にとって,1964年の東京オリンピックの閉会式で各国選手団が国ごとではなく,混ざり合って仲良く行進する姿を目にしたことが,世界の平和を願う気持ちの源となりました。

 東京2020大会のビジョンは,「スポーツには世界と未来を変える力がある。」です。スポーツに挑むアスリートや,そのアスリートを支える御家族や関係者の姿は,わたしたちに様々なことを感じさせてくれます。この大会は,新型コロナウイルス感染症に直面する中で迎えます。また,夏の盛りの熱波にも注意が必要です。この大会が,皆さんをはじめとする関係者の連携による感染防止対策に万全が期されることにより,アスリートの皆さんが健康な状態で安心して競技に打ち込み,その姿を通じて,新しい未来へと希望の灯火がつながれる大会となることを願います。皆様と共に全てのアスリートのご健闘を祈ります。

(「国際オリンピック委員会関係者ご引見 令和3年7月22日(木)(宮殿)【実際のおことばは,英語で述べられています。こちらのページでは和訳したものを掲載しています。】」
https://www.kunaicho.go.jp/page/okotoba/detail/86#303

☆☆☆


ご文章の中に、

「私自身にとって,1964年の東京オリンピックの閉会式で各国選手団が国ごとではなく,混ざり合って仲良く行進する姿を目にしたことが,世界の平和を願う気持ちの源となりました。」

とのお言葉があります。

私はオリンピックの時、小学校高学年でした。オリンピックの時、わが家にテレビが入りました。開会式で各国選手団が整然と隊列を組んで入場した様子も美しかったですが、陛下のおっしゃるとおり、閉会式で各国選手団が国ごとでなく思い思いに手を取り、肩を組んで行進する様子に、胸が熱くなったのを覚えています。競技の時も、重量挙げでしたか、勝敗が決した後で、敵だった選手が肩を組んで勝利者を祝福する姿にも胸を打たれました。

お言葉中のオリンピズムが耳慣れなかったので、辞書を見てみました。「オリンピック精神」のことなのですね。

オリンピズム(Olympism):
近代オリンピックの創始者クーベルタンが提唱した、オリンピックのあるべき姿。「スポーツを通して心身を向上させ、さらには文化・国籍などさまざまな差異を超え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって理解し合うことで、平和でよりよい世界の実現に貢献する」というもの。オリンピック精神。(コトバンク)
https://kotobank.jp/word/%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%94%E3%82%BA%E3%83%A0-1284974


「文化・国籍などさまざまな差異を超え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって理解し合うことで、平和でよりより世界の実現に貢献する」

この精神があったから、「国籍などの差異を超えて」、ライバルの肩を抱いて祝福し合い、手に手を取り合って行進する姿に心打たれたのだと思います。

それにしても、1964年のオリンピックの時、天皇陛下は満4歳でいらしたはずです。そんな幼い時にそのような感慨を抱かれ、いつまでも覚えていられるということも、驚きでした。

冒頭に掲げた「愛子さま 皇太子への道」には、広島の原爆ドームを訪れたときのお気持ちを作文にされていますが、中学生と思えないしっかりしたご文章と平和への祈りに心打たれます。

以下、「愛子さま 皇太子への道」からの引用です。


☆☆☆

この記事では、その後半で、愛子様の作文も紹介されています。ご存じの方も
多いと思いますが、愛子様が広島を訪問されたときの作文です。
https://www.sankei.com/article/20170322-LWNVTS255BM47HUSW5WI2BUT3Y/2/

《「平和」は人任せにするのではなく、一人ひとりの思いや責任ある行動で築き上げていくもの》

これが中学生の作文かと思うほど、力強い使命感を感じるメッセージですが、
この記事を書かれた記者さんが、「全国戦没者追悼式」での天皇陛下のお言葉で、この愛子様の作文を想起された感覚は、よく分かる気がします。

https://aiko-sama.com/archives/6357

☆☆☆


天皇陛下のお気持ちの深さに思いを致し、このような素晴らしい天皇を日本国の象徴として戴けることの尊さを思います。そして愛子さまが天皇の御長女として天皇の平和へのお気持ちを継がれて、お健やかにご成長されていることを、ありがたく思います。


ブログ冒頭に引用した、

「日本を守りつつ、最大限、天皇の祈りを体現すること。
それが私たちに求められることではないでしょうか。

そしてこれは、戦時中に限りません。

平時の政策においても、天皇の祈りを指針とすることが、
日本が日本として発展していく上での道しるべとなるのではないでしょうか。」


「天皇の祈りを指針とすることが、日本が日本として発展していく上での道しるべとなる」

何ごとのおはしますかは存じませぬが言うに言われぬ深さをたたえる、「天皇の祈り」を指針とすることを、日々の生き方の中で忘れずにいたいと思います。

オリンピックも残りわずかとなりました。賛成、反対、色々な思いを抱かれている方々があるようですが、それはそれとして大会がつつがなく終了し、オリンピズム(オリンピック精神)が選手、関係者、応援する人々の心に刻まれるよい思い出として残りますようにと、祈らせていただきます。なお、PCR検査、外出制限、酷暑などの苦難に負けずに全力を尽くされ、感動を与えてくれた各国選手の皆様に、心より感謝申し上げます。

今日も読んでいただき有難うございました。
皆様にとって、こころ穏やかなよい一日でありますようお祈り申し上げます。

タグ:愛子さま
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この9か月間を振り返る [ブログについて]

PICT113320210806blog.JPGいつも私のブログを読んでくださっている皆様、有難うございます。しばらくお休みしていてすみませんでした。

休んでいる間に、昨年の11月以来、ブログの振り返りをしていないことに気がつきました。時々、立ち止まって振り返ることは、大切だと思います。

昔の手帳を整理していたら、三島由紀夫の『葉隠れ入門』から書き出したとする、以下のメモを発見しました。


一人の人間の生き方

1、 目前の事を為す。

2、 十五年先の事を考えて行動の布石を打つ。


私は1、に手いっぱいです。「十五年先の事を考えて行動の布石を打つ」のは、難しいことだと思います。


日本の将来全般の十五年先を考えるのは困難ですが、皇室について、今のままでは大変なことになるというのも、打つべき布石も分かっていると、自負しています。

十五年先を考えて打つべき最大の布石は「皇位の安定的継承のための皇室典範改正」です。
女性天皇とそのお子様が皇位継承できるように典範を改正することは、早急に実現しなくてはならない課題です。

昨年の11月以来を振り返りますと、この課題に関して公には、政府による「有識者会議」が設置され、ようやく検討がはじめられたことが挙げられます。しかし「有識者会議」は政府にとって問題先送りの口実に過ぎなかったようで、何ら本質的な進展はありません。

まだまだ課題解決の努力が必要です。心ある皆様のお力をぜひお借りしたいと思います。


昨年11月以降の期間の、私個人のささやかな成果は、「男系維持派との対話」を開始したことでした。

対話といっても、直接対面ではなく、男系維持派が主流である某掲示板に「道場破り」の浪人気分になって、ハンドルネーム(匿名)で意見を書きこみ、彼らの反論に答えたというだけのことです。最初の投稿は昨年の12月のことでした。

反対派の掲示板に投稿することは、たとえ匿名でも、気の小さい(?)私にとって大変なプレッシャーがあり、かなり疲れる作業でした。しかし、そこから得たものは大きかったと思います。

ネトウヨ的な保守派の集まる掲示板ですから、最初に「女系容認派は左翼だ」といわれてしまいました。その他、罵倒も浴びましたが内容はもう忘れました。

それで、自分は左翼ではない、古代史の泰斗田中卓氏、その師の平泉澄(きよし)氏〔物語日本史の著者〕のご著書をこよなく愛する者であるとの説明を駆使し、根気よく対話を続けました。

その掲示板は、掲示板の目的である「愛国思想」に反する投稿は削除すると書かれていたので、いつ削除されるかとひやひやしながら、気を使っての投稿でもありました。

冷やかしや罵倒は別にして、真剣に対話に応じてくれたのは2人でした。

対話の最後に、そのうち一人から、

○女系天皇容認を主張するのは左翼だけだと思っていたが、そうでない人もいるのが分かりました、

と言われたのは、望外の喜びでした。

もう一人からは、

○あなたのように真剣にものを考えている人にこれ以上言うことは無いので勉強し直します、

と言っていただきました。親切で誠実な方でした。

異なった意見の人々と接点を見つけて説明するのは、疲れる作業ですが、思い切って対話してよかった、対話の甲斐があったと思いました。


それ以後は、私がいつも投稿している中立的な別の掲示板で、先の掲示板と同じ「愛国思想」に共鳴している男系派常連さんから、時々質問されるので、そのつど回答しています。

彼らが質問する、私が詳しく説明をする、最後は相手が沈黙するというパターンになっているので、彼らも私の説明にそれなりに納得してくれているのだと解釈しています。


掲示板の対話では、感情的にならないで、事実を淡々と述べることを心がけています。それでも頭に血が上って、感情に走ることがありますが、そうなると別の人が仲裁に入ってくれるのも有り難いことです。

男系派常連さんの質問は、私の学習と思考を深めてくれるので、最近は彼らの存在が有り難いと思う時があります。問題を持ち込む人は、私の問題解決能力を鍛えるために、わざわざそういう役割を背負って目の前に現れるのだと前向きに解釈すれば、感謝するしかありません。彼らも真実を知りたいのだと思います。


今日も読んでいただき有難うございました。
暑い日が続きます。皆様お身体を大切になさって、夏を乗り切ってください。

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