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無言のうちにつながっている―毎日読みたい美智子さま~愛が生まれるおことば [美智子さま]

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宮内庁が12月18日付で、「週刊新潮」12月24日号の記事について、事実と異なる報道をしたことを指摘し、クレームをつけました。

なぜ、「週刊新潮」はこのよう事実と異なる報道を繰り返すのかと憤りを覚えます。偽りの報道が、美智子さま、皇室のみなさまを苦しめることを、何とも思わないのでしょうか。

皇室のみなさまは、普通人と違って、事実と異なった報道があっても強くご抗議できません。そのことを承知の上で、商業主義に走って、平気で捏造記事を載せる週刊誌に対して、私たちも賢く、情報選択する眼をを養わなくてはならないと、あらためて思います。

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「週刊新潮12月24日号の記事について(令和2年12月18日)
令和2年12月18日
宮内庁

週刊新潮12月24日号は「小室圭・佳代さんに美智子さまからの最後通牒」と題する記事を掲載し,12月17日の朝刊に上皇后さまのお写真と共に大きな字で「宮内庁長官を動かした上皇后」との広告を載せています。

この記事は,宮内庁長官の12月10日の記者会見における秋篠宮眞子内親王殿下のご結婚に関する発言について,「もっぱら上皇后さまの強いご懸念が影響しています」とし,また,「上皇后さまのご意向を受け,宮内庁トップが代理人を皇居内に呼び出し,最後通牒を突きつけた」と報じています。

先般,長官は上皇上皇后両陛下に本年度補正予算のご報告に上がっていますが,その折,上皇后さまは報告をお聴きになるだけで,ご発言は皇室の皆様のご健康についてご無事を問われることだけでした。眞子内親王殿下のお話は全く出ておりません。今回の記者会見での長官発言は,記者質問に応じて,長官としての考えを述べたものであり,また,小室さんの代理人と会ったのも,長官自身の判断によるもので,事前に上皇陛下や上皇后さまのご指示を受けたとか,お諮りをしたとか,あるいはご意向を汲んだといった事実は全くありません。

眞子内親王殿下をめぐる週刊誌報道については,既に宮内庁ホームページで二度にわたり,上皇上皇后両陛下が首尾一貫して一切の発言を慎まれていること,また,上皇后さまの名の下に様々な事実に反する報道がなされていることに上皇上皇后両陛下も深く傷つかれ,お心を痛めておられることを説明してきました。86歳というご年齢でご自分も病いを持たれながら,上皇陛下のお世話を唯一の務めとして過ごしておられる上皇后さまに対し,このようなことが引き続き行われていることは誠に遺憾であります。」
(「週刊新潮12月24日号の記事について(令和2年12月18日)、宮内庁ホームページhttps://www.kunaicho.go.jp/kunaicho/koho/taio/taio-r02-1218.html

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「先般,長官は上皇上皇后両陛下に本年度補正予算のご報告に上がっていますが,その折,上皇后さまは報告をお聴きになるだけで,ご発言は皇室の皆様のご健康についてご無事を問われることだけでした。眞子内親王殿下のお話は全く出ておりません。今回の記者会見での長官発言は,記者質問に応じて,長官としての考えを述べたものであり,また,小室さんの代理人と会ったのも,長官自身の判断によるもので,事前に上皇陛下や上皇后さまのご指示を受けたとか,お諮りをしたとか,あるいはご意向を汲んだといった事実は全くありません。」

つまり、記者会見の内容も、小室さんの代理人に会ったことも、西村宮内庁長官の考えを述べたものであり、長官ご自身の判断によるもので、上皇陛下、上皇后陛下のご指示を受けた、お諮りをした、ご意向を汲んだ事実はまったくなかったのでした。

週刊新潮が上皇后陛下の名の下に様々な事実と反する報道がなされ、86歳というご年齢の病をもたれている美智子さまをどれほど苦しめたかと思いますとただただ心が痛みます。

こういう報道、事実に基づかない心ないバッシング報道を目にするたびに、「日本人は皇室を戴く資格があるのだろうか」と天を仰いで嘆きたくなります。


それでも、上皇后陛下・美智子さまのこれまでのお言葉を拝読しますと、心が静まり、清められます。

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「家族の中に苦しんでいる人があることは、家族全員の悲しみであり、私だけではなく、家族の皆が、東宮妃の回復を願い、助けになりたいと望んでいます」

(‘04年10月、70歳のお誕生日に際し、宮内庁記者会から皇太子妃・雅子様の長期静養についての質問があり、美智子さまが文書で回答された)

【解説】同年5月、皇太子殿下が会見で「雅子のキャリアや、そのことに基づいた雅子の人格を否定するような動きがあったことも事実です」とご発言。それをきっかけに、皇室をめぐってさまざまな報道や国民的議論がなされました。美智子さまはこの一連の騒動と、長期静養される雅子さまの苦悩について、それは家族の苦しみでもあるとお答えになられた。家族みんなで、雅子さまを支えていきたいというお気持ちだったのだと思います。
(pp53~54)

「祈ったり、時には子どもぽいおまじないの言葉をつぶやいてみたりすることもあります。
不思議に悲しみと不安の中で、多くの人々と無言のうちにつながっているような感覚を持つこともあります」

('93年9月から始まった皇室批判報道後、美智子さまは失声症となる。不安と苦しい日々の中、国民から寄せられた励ましの手紙などで心が慰められたと、後にこう回想されている。「寄りそう皇后 美智子さま 皇室の喜びと哀しみと」(宮崎貞行著/きれい・ねっと)より)

【解説】美智子さまは、悲しみと不安の中、「錯覚にすぎないのかもしれませんが」とことわったうえで〝連帯の感覚〟を持たれたと同書には書かれています。そして「生きてきたことのご褒美のように思え、慰めと励ましを感じています」ともおっしゃっています。国民からの無言の励ましが美智子さまのお力になったのだと思います。
(pp87~88)

(松崎敏弥著『毎日読みたい美智子さま~愛が生まれるおことば81~』光文社)

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最初のおことばは、雅子さまのご回復のことですが、眞子内親王のご結婚のことも、宮内庁の説明の通り、「首尾一貫して一切の発言を慎まれ」、家族の苦しみとして、良き解決を望んでおられると拝察申し上げます。

「眞子内親王殿下をめぐる週刊誌報道については,既に宮内庁ホームページで二度にわたり,上皇上皇后両陛下が首尾一貫して一切の発言を慎まれていること,また,上皇后さまの名の下に様々な事実に反する報道がなされていることに上皇上皇后両陛下も深く傷つかれ,お心を痛めておられることを説明してきました。」

これらの一連の出来事について、今の私には、すべてが良くなりますようにと、祈ることしかできません。このささやかな祈りが「無言の励まし」となって美智子さま、皇室の皆さまに届いて、ほんの少しでもお慰めになりますよう、神さまがお導きくださることに感謝申し上げます。

今日も読んでいただき有難うございました。
今日が皆様にとって、さわやかな一日でありますよう、お祈り申し上げます。

タグ:眞子内親王
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上皇后陛下の御誕生日を祝して [美智子さま]

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少し日が過ぎてしまいましたが、10月20日は、上皇后陛下・美智子さまの86歳のお誕生日でした。遅ればせながら、心よりお祝い申し上げます。ますますお健やかな日々を、お過ごしくださいますよう、深く祈念申し上げます。

上皇后陛下が、皇后でいらしたころ、もう20年近く前になりますが、皇居清掃奉仕に伺った際に、ハプニング的に、わずか1、2メートルの至近距離でお目にかからせていただいたことがあります。その時のことを思い出すと、奉仕員一同が感動の涙で目を赤くしていた光景を思い出し、今でも胸がいっぱいになります。

美智子さまのご著書『橋をかける』は、折にふれて、本棚から取り出し、読んで、生きる力と明日への希望を与えていただいています。

今日は感謝の思いを込めて、上皇后陛下・美智子様の御歌を学ばせていただきます。

宮内庁ホームページから転載いたしました。一部、ふりがな、字間など、手を入れていますが、文章はそのままです。

☆☆☆

(平成二十五年歌会始御歌)

皇后陛下御歌

天地(あめつち)に きざし来たれる ものありて 君が春野に 立たす日近し

昨年二月の冠動脈バイパス手術の後陛下にはしばらくの間 胸水貯留の状態が続いておすぐれにならず、皇后さまは「春になるとよくおなりになります」という医師の言葉を頼りにひたすら春の到来をお待ちでしたこの御歌はそのようなある日あたりの空気にかすかに春の気配を感じとられ、陛下がお元気に春の野にお立ちになる日もきっと近い、というお心のはずむ思いをお詠みになったもの

(平成二十七年歌会始御歌)

皇后陛下御歌

来(こ)し方に 本とふ文(ふみ)の 林ありて その下陰に 幾度(いくど)いこひし

丁度林の木陰で憩うように、過去幾度となく本によって安らぎを得てこられてきたことを思い起こされ、本に対する親しみと感謝の気持ちをお詠みになったもの。


(平成三十年歌会始御歌)

皇后陛下御歌

語るなく 重きを負(お)ひし 君が肩に 早春の日差し 静かにそそぐ

天皇陛下は、長い年月、ひたすら象徴としてのあるべき姿を求めて歩まれ、そのご重責を、多くを語られることなく、静かに果たしていらっしゃいました。この御歌は、そのような陛下のこれまでの歩みをお思いになりつつ、早春の穏やかな日差しの中にいらっしゃる陛下をお見上げになった折のことをお詠みになっていらっしゃいます

(平成三十一年歌会始御歌)

皇后陛下御歌

今しばし 生きなむと思ふ 寂光に 園(その)の薔薇(そうび)の みな美しく

高齢となられ時にお心の弱まれる中、一(ひと)夕、御所のバラ園の花が、寂光(じゃっこう)に照らされ、一輪一輪浮かび上がるように美しく咲いている様(さま)をご覧になり、深い平安に包まれ、今しばらく自分も残された日々を大切に生きていこうと思われた静かな喜びのひと時をお詠みになっています

(宮内庁ホームページ「歌会始 お題一覧(昭和22年から)」)
https://www.kunaicho.go.jp/culture/utakai/odai.html

☆☆☆

それぞれ、詳しい説明書きがありますが、少しずつ感想を述べます。

平成二十五年の御歌
この前年が、天皇陛下(現上皇陛下)の心臓のバイパス手術だったのですね。ご入院中、ご入院後も、恢復されるまで、どんなにか、お心づかいされたことでしょう。上皇陛下も、美智子さまが御そばにいらしたことでどんなに心強かったことかと、拝察申し上げます。

平成二十七年の御歌
「本」のことを、「ふみのはやし」と詠まれています。他の天皇陛下か、皇后陛下の御歌でも「ふみのはやし」という言葉があったとおもいますが、私の好きな言葉です。読書は昔の人の心を偲び、今の自分の生き方を見直すうえでも、人生の宝物ですね。

平成三十年の御歌
「重きを負ひし」は、天皇陛下が、国民のすべてを負っておられるような気がして、読むごとに言葉に出来ない感謝の思いがあふれます。少しでもご負担が軽くなられるよう、国民としてお答えできればと思います。

平成三十一年の御歌
上皇后陛下が、全力で、全身全霊で、御在位中の天皇陛下(現在の上皇陛下)をお支えしてきたお姿が感じられます。やっと重荷を下ろしていただくことができて、上皇陛下との安らかな時間をお持ちになることができて、本当に良かったと思います。

譲位のご決断をされた上皇陛下の先見の明、御覚悟が正しかったことが、あらためて思われます。


また、宮内庁ホームページには、上皇后陛下の御近況が発表されています。

(宮内庁ホームページ「上皇后陛下のご近況について(お誕生日に際し)(令和2年)」
https://www.kunaicho.go.jp/joko/press/r021020.html


発表によれば、毎日微熱がおありのようで、心配です。

“今年5月以降,ほぼ毎日,午後にお熱が37度を超え,翌朝に平熱に戻る原因不明の症状がおありで,今も続いています。”

お引越しの準備のお疲れではないかとのことです。また、“左手指のご不自由がおあり”でピアノを弾くのに御不自由のようです。それでも、

“今まで出来ていたことを授かっていたこととお思いになるのか,お出来にならないことを「お返しした」と表現され,受け止めていらっしゃるご様子です。”

と、授かっていたことを「お返しした」と、いつものことながら、どこまでも、御自分の御修行と申しますか、お辛いことも、人生に前向きな言葉に置き換えて、表現されていることに、頭が下がります。

ご散歩のときに

“もしかして「アマビエ」が描かれた飛行機が空港に近い仮御所上空に飛ばないかと,大きな音がする空を見上げられたりすることもおありです。”

とのこと。

いつまでも童心を失わない、美智子さまのお心にほのぼのといたします。

天皇・皇后両陛下ご一家も同様ですが、上皇・上皇后陛下も、新型コロナのために国民の国内移動が制限されている中で、例年の御静養にはお出かけにならずに、御所の中でひっそりと過ごされています。

東日本大震災の時も、都民と同じ時間に、皇居の電気を止めて、共に停電の時間を過ごされたことも思い出されます。

古代の仁徳天皇の「民のかまどがにぎわうまでは、税金をとらない」とのお話を思い起こさせます。

上皇后陛下・美智子様のお言葉は、いつでも羅針盤となって、苦しい時哀しい時、そこから抜け出すきっかけを与えてくださいました。

これからも、上皇陛下と御一緒に、幾久しく、今の楽しく心安らかな歳月をお過ごしくださいますよう、お祈り申し上げます。


今日も読んでいただき、有難うございました。
皆様にも、豊かな秋の実りがありますよう、お祈り申し上げます。

タグ:上皇陛下
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言葉がキラキラと光って喜んでいる ― 『毎日読みたい美智子さま~愛が生まれるおことば~』 [美智子さま]

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今日は、上皇后陛下 美智子さまのお言葉を読ませていただきます。

☆☆☆

“「その一首をくり返し心の中で誦していると、古来から日本人が愛し、定型としたリズムの快さの中で、言葉がキラキラと光って喜んでいるように思われました。」

(美智子さまがビデオによる基調講演をされた、第26回IBBYニューデリー大会('98年)で、本から初めて得た〝喜び〟について語られた)

【解説】美智子さまが本を読まれて、心がいききと躍動し、生きていることへの感謝が湧き上がるような快い感覚を得たのは、疎開先の小学校時代だったと語っておられます。父親のカバンに入っていた小型の本の中に、一首の歌をみつけ、それを詠まれたときに、「詩が人の心に与える喜びと高揚を、私ははじめて知ったのです」と、述べられています。“

(松崎敏弥著『毎日読みたい美智子さま~愛が生まれるおことば~』pp99~100)

☆☆☆


「キラキラ光って喜んでいる」言葉、そんな言葉を、皆さんそれぞれ持っていらっしゃるでしょうね。好きな歌の歌詞の一節だったり、詩だったり。友人から聞いた言葉など。毎日を生き生きと過ごしたいとき、つらい時、悲しい時に自分を励ます言葉、元気を出したいときの言葉、きっと素敵な言葉を持っていらっしゃることと思います。



☆☆☆

生まれて以来,人は自分と周囲との間に,一つ一つ橋をかけ,人とも,物ともつながりを深め,それを自分の世界として生きています。この橋がかからなかったり,かけても橋としての機能を果たさなかったり,時として橋をかける意志を失った時,人は孤立し,平和を失います。この橋は外に向かうだけでなく,内にも向かい,自分と自分自身との間にも絶えずかけ続けられ,本当の自分を発見し,自己の確立をうながしていくように思います。

(「宮内庁ホームページ 第26回IBBYニューデリー大会基調講演」
https://www.kunaicho.go.jp/okotoba/01/ibby/koen-h10sk-newdelhi.html

☆☆☆


ここに美智子さまは、「橋をかける」に込められた、さまざまな思いを語っておられます。

「自分と周囲(人や物)との間に、一つ一つ橋をかける」

「この橋は外に向かうだけでなく、内にも向かい、自分と自分自身との間にも絶えずかけ続けられ」

「本当の自分を発見し、自己の確立をうながしていく」


この「橋をかける」絶え間ない努力に、美智子さまの生きて来られた道筋が感じられ、勇気を与えられます。


絶え間ない努力をかさねていても、時には壁にぶつかり、実現不可能と思われたりして、悲しみに打ちひしがれることもあります。


そういう時に、「キラキラ光って喜んでいる」言葉が、悲しみをやわらげ、絶望を希望に変えてくれます。


美智子さまはご講演の中の、詩が人に与える喜びと高揚を、はじめて知ったと言われる「一首の歌」そのものは、載せておられません。人には知らせずに、心の奥にしまっておきたい、大切な一首なのかも知れません。


今日の私は、「キラキラ光って喜んでいる」とは、少し違いますが、同じご講演の中で話されている『でんでん虫の悲しみ』の、でんでん虫の言葉に、励まされ、心がなごみます。

「悲しみは誰でも持っている」(自分の殻に悲しみがいっぱいつまっているが)


悲しい時は、その悲しみに押しつぶされそうになるけれども、自分一人が悲しいのではない。
同じ悲しみを誰でもかかえていて、それでも生きている。自分は一人じゃない。

そう思うと、自分がそういう人を慰めてあげたいと思うように、私の悲しみも慰めたいと思ってくれている人がいるのだと思い当たります。

そういう、人と人との関係が、限りなく、愛(いと)おしく思われます。


美智子さまは、「キラキラ光って喜んでいる」言葉は、“自分の心を高みに飛ばす,強い「翼」”とも、書かれています。

今の私がほしい「翼」は何なのか。どこに飛んでいきたいのかと、自分に問いかけてみます。


世の中の、困ったこと、心配なこと、そういうものを離れて、美智子さまのお言葉が見せてくださる、さわやかな空気にいだかれて、好きな文章を書いているこのひと時。
そんな今そのままが、ふんわりと青空に浮かんでいる、私の幸せな時間なのだろうと思います。

世の中のすべての人が、そのような安らかな幸せな時間を持てますように。それが私の願いなのかもしれません。



今日も読んでいただき、有難うございました。

皆様にとって、今日が、幸多い一日でありますように。

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複雑さに耐えて生きていく ― 『毎日読みたい美智子さま~愛が生まれるおことば~』 [美智子さま]

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人は、とかく、清らかでありたいとか、純粋でありたいという思いを持ちます。それ自体は尊いことですが、自分のまわりのことを考えたときに、こんな不幸が無ければよいのにとか、あんな嫌な人がいなければいいのにとか、自分にとって不都合なことを、不要であるとして、排除したい思いに駆られることがあります。

それが簡単にできる場合はいいのですが、できないときに、運命を呪ったり、愚痴を言ったりして、せっかく自分に与えられた時間を、無駄に費やすこともあります。


私も、考えなければならないこと、取り組まなければならないことが、次々に出てきて、もっと、世の中が単純で、スッキリできればよいのにと思っていた時に、上皇后陛下 美智子さまの「複雑さに耐える」とのお言葉に出会いました。

それが方向転換のきっかけになりました。視点を変えて、「この複雑さが自分には今は必要、人生の出来事に無駄なことは無い」と思い直すと、気が付いたときに、自然に問題が消えて、気にならなくなっていました。問題を乗り越えた自分は、一段、成長できたと思います。


☆☆☆

“「読書は,人生の全てが,決して単純でないことを教えてくれました。私たちは,複雑さに耐えて生きていかなければならないということ。人と人との関係においても。国と国との関係においても。」

(第26回IBBYニューデリー大会('98年)で、子供時代の読書の思い出をテーマに、美智子さまがビデオによる基調講演で語られたおことば)

【解説】美智子さまがこれまで読んでこられた本の中で、人と人との関係、国と国との関係においても複雑さに耐えて生きていかなければならないということを学ばれた、というお話です。人生は単純でなく紆余曲折、つらいことも、悲しいこともあるが、楽しいこともある。そういうさまざまなものが絡んでいるのが人生である。ご自身が読書によっていい教えを受けたという意味でおっしゃっているのだと思います。“

(松崎敏弥著『毎日読みたい美智子さま~愛が生まれるおことば~』pp69~70)

☆☆☆

ご講演の全文は、“美智子著『橋をかける―子供時代の読書の思い出』すえもりブックス”から発行されています。文春文庫からも出版されていますが、すえもりブックスは、日本語・英語ですが、文春文庫は日本語しか収録されていません。英文も美しいので、英語でも読みたい方は、すえもりブックスがお薦めです。

なお、以下の、宮内庁ホームページには、基調講演の全文が掲載されています。
https://www.kunaicho.go.jp/okotoba/01/ibby/koen-h10sk-newdelhi.html


上皇后陛下 美智子さまの思いを受け継がれて、皇后陛下 雅子さまも、天皇陛下の御傍で、皇后としてのお務めに励んでおられます。

☆☆☆

“天皇陛下には,お忙しい中でもいつも私の体調をお気遣い下さいますことに心より感謝申し上げます。私も,天皇陛下のお務めの重さを常に心にとどめ,陛下をお傍でお助けできますように健康の一層の快復に努めながら,皇后としての務めを果たし,陛下とご一緒に,国民の幸せに力を尽くしていくことができますよう努力してまいりたいと思っております。”

(「皇后陛下お誕生日に際してのご感想 令和元年12月9日(月)」https://www.kunaicho.go.jp/page/kaiken/show/35

☆☆☆


雅子さまは、依然、ご治療を受け続けておられる中、様々な工夫を重ねられながらご体調を整えて、多くの行事に取り組まれるご努力を重ねていらっしゃるとのことです。

(「皇后陛下のお誕生日に際しての医師団見解」https://www.kunaicho.go.jp/kunaicho/koho/kohyo/d-kenkai-r011209.html


即位礼に関係する様々な行事に出席された時の笑顔は、ご治療中とのことを忘れてしまうほどですが、ご努力を重ねられてのこととお聞きして、皇后陛下も「複雑さに耐えておられる」と、感謝の思いでいっぱいになります。

皇后陛下の、ますますのご恢復を、心よりお祈り申し上げます。


人と人との関係の複雑さ、国と国との関係の複雑さを、ありのままに、心静かに見つめて、ひとまず、そのままを受け止める。そして、方向性を見極めて、自分にできるところから、解決に取り組んでいく。そんな、地道な積み重ねが、人生の味わいに通じることと思います。
振り返ってみれば、無駄なことは一つもなかった、そんな人生を歩んで参りたいと思います。

今日もご訪問いただき、有難うございました。

皆様にとって、心静かに、着実に、前進できる一日でありますように。

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期待を無にしてはならない ―『 毎日読みたい美智子さま~愛が生まれるおことば~』 [美智子さま]

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         (日日草です)

このところ、昔の天皇陛下の御歌を読むことについ熱中して、「温故」にかたよっていましたので、「知新」ということで現代にもどって、上皇后陛下 美智子さま、皇后陛下 雅子さまのお言葉を、学びたいと思います。

私たちは、人生の多くの場面、卒業式、入社式などで、多くの人に期待を寄せていただいていたと思います。

御皇室の方々、特に、民間人としてお育ちになられ、皇室に嫁がれた上皇后陛下 美智子さま、天皇の御即位にともない、新たに皇后になられた雅子さまが、その旅立ちの時に、どんな思いでいらしたかを、学ばせていただきます。

上皇后陛下 美智子さまは、2004年(平成16年)10月、70歳のお誕生日に際し、宮内記者会からの質問の回答文書の中で、次のように述べられました。


☆☆☆

“(宮内庁記者の)問1 
70歳のお誕生日おめでとうございます。お生まれになってから,さらには天皇陛下と結婚されてからの45年余を振り返りつつ,喜びや悲しみ,印象に残った出来事などをお聞かせください。


もう45年以前のことになりますが,私は今でも,昭和34年のご成婚の日のお馬車の列で,沿道の人々から受けた温かい祝福を,感謝とともに思い返すことがよくあります。東宮妃として,あの日,民間から私を受け入れた皇室と,その長い歴史に,傷をつけてはならないという重い責任感とともに,あの同じ日に,私の新しい旅立ちを祝福して見送ってくださった大勢の方々の期待を無にし,私もそこに生を得た庶民の歴史に傷を残してはならないという思いもまた,その後の歳月,私の中に,常にあったと思います。“

(宮内庁ホームページ
 https://www.kunaicho.go.jp/okotoba/01/kaiken/gokaito-h16sk.html

☆☆☆

このお言葉について、『毎日読みたい美智子さま~愛が生まれるおことば~』に、著者、松崎敏弥氏は、次のように解説されています。

☆☆☆

“【解説】民間から嫁がれた美智子さまは、ご結婚から今日に至るまで、まさにそのおことばどおり、国民と共に歩まれてこられました。国民の気持ちを裏切ってはならない、との思いで頑張られていらっしゃるのです。”

(松崎敏弥著『毎日読みたい美智子さま~愛が生まれるおことば~』 p82)

☆☆☆

皇后陛下 雅子さまも、2019年(令和元年)12月の「皇后陛下お誕生日に際してのご感想」で、次のように述べられています。

☆☆☆

“天皇陛下のご即位以来,5月の皇居での一般参賀や,11月の国民祭典,祝賀御列の儀などの折に,多くの国民の皆様から,思いがけないほど本当に温かいお祝いを頂きましたことに,心から感謝しております。また,この7か月の間に,地方への訪問,都内での行事などを通して,国民の皆様と接する中で,多くの方々から温かいお気持ちを寄せていただいたことを嬉(うれ)しく,またありがたく思いながら過ごしてまいりました。日本国内各地で出会った沢山の笑顔は,私にとりましてかけがえのない思い出として心に残り,これからの歩みを進めていく上で,大きな支えになってくれるものと思います”

(宮内庁ホームページ
https://www.kunaicho.go.jp/page/kaiken/show/35

☆☆☆

上皇后陛下、皇后陛下が、国民の温かい励ましをお心にとどめてくださっていること、忘れずにいたいと思いました。

皇室の一員であられること、天皇陛下の御伴侶でいられること、どれほどのプレッシャーの中でお過ごしかと思うと、感謝してもし切れません。

上皇后陛下は、それまで、御皇室にお血筋の近い、古くからゆかりの深い方々が、歴代の皇后としてお務めされる時代が続いたのちに、一般の「庶民」からの初の皇后ということで、プレッシャーもひとしおだったことと拝察いたします。それに負けないで、乗り越えて来られた忍耐強さを思うと、自分が色々と困難と思うことなどちっぽけだと思い、日常の苦しさが消えてしまいます。そんな御皇室をいただくことの幸せを思う、今日この頃です。

私も、人生の節目、節目で多くの人々から、祝福や期待の言葉をいただいてきましたが、その期待に少しでも答えることができただろうか、今日はそんなことを考えました。


今日も読んでいただき有難うございました。

皆様にとって、どんな困難も乗り越えられる、実りある一日でありますよう、お祈り申し上げます。



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批判について―― 『毎日読みたい美智子さま~愛が生まれるおことば~』を読んで [美智子さま]

「批判は自分を省みるよすがとして耳を傾けなければならない。」

しかし、

「事実に基づかない批判が繰り返し許される社会であって欲しくない」


(「」の中は、皇后陛下美智子さまのお言葉です)


美智子さまは、1993年10月、59才のお誕生日に際し、宮内記者会からの質問の回答文書の中で「どのような批判も、耳を傾けねば」と回答されました。
(*「よすが」は「Weblio古語辞典」によれば、「頼り。ゆかり。身や心を寄せる所」の意味。「手がかり。手段。便宜」の意味もある。)とのことです)



『毎日読みたい美智子さま~愛が生まれるおことば~』(松崎敏弥(2015)pp.11~12)から引用いたします。


「おことば① 身に覚えのない中傷をされた―――

批判は自分を省みるよすが

  『どのような批判も,自分を省みるよすがとして耳を傾けねばと思います。(中略)
   私の言葉が人を傷つけておりましたら,許して頂きたいと思います』

  (‘93年10月、59才のお誕生日に際し、宮内記者会から「最近目立っている皇室批判記事について」の質問に文書で回答された)

  【解説】皇居内に新御所の建設が計画され、美智子さまの意向で吹上の木が伐採されるとの批判がありました。それが発端となってさまざまな皇室批判が長く続いたころのご発言です。美智子さまは身に覚えのない批判に対し、反論のような形で文書回答されたのです。ただし、「批判は自分を省みるよすが」と、批判をされても、それをちゃんと受け入れ、自分も律するという意味合いも込められています。この文書回答後、美智子さまは倒れられ、半年間、失声症となられます。」

  (松崎敏弥(2015)『毎日読みたい美智子さま~愛が生まれるおことば~』光文社pp.11~12)


  宮内庁のホームページには、この時の、記者の質問に対する美智子さまのご回答の全文が掲載されています。


  「皇后陛下お誕生日に際し(平成5年)
  (中略)

  問4 最近目立っている皇室批判記事についてどう思われますか。

  皇后陛下


  どのような批判も,自分を省みるよすがとして耳を傾けねばと思います。今までに私の配慮が充分でなかったり,どのようなことでも,私の言葉が人を傷つけておりましたら,許して頂きたいと思います。

  しかし事実でない報道には,大きな悲しみと戸惑いを覚えます。批判の許されない社会であってはなりませんが,事実に基づかない批判が,繰り返し許される社会であって欲しくはありません。幾つかの事例についてだけでも,関係者の説明がなされ,人々の納得を得られれば幸せに思います。」

  (宮内庁http://www.kunaicho.go.jp/okotoba/01/kaiken/gokaito-h05sk.html )



インターネットで自分の意見を発表する時も、次の2点を心がけられれば理想だと思います。

1、自分が批判を受けた時は、「事実に基づく批判」は「自分を省みるよすが」として耳を傾ける。

2、自分が批判をする時は、「事実に基づかない批判」を繰り返さない。


 事実に基づく批判は、たとえ耳が痛いことでも、まっすぐに受け止めれば、必ず何らかの形で自分を省みる手がかりになります。
 一方、事実でないことを、事実であるかのように取り上げて批判が繰り返されると、混乱と不信感が起こり、殺伐とした雰囲気になります。
 明るく住みよい社会を作りたければ、世界中の人が閲覧できるインターネットの書き込みでは、この2点について実行できるよう、心掛けたいと思います。


 なお、私たち一般国民は、事実に基づかない批判に反論することも出来るし、はなはだしい嘘ならば、名誉棄損などで相手を訴える道もあります。

 しかし、皇室の方々はそれがお出来にならないことが、人々の間であまり意識されていないのではないかと思います。

 事実でない報道が目に余れば、宮内庁が皇室の方々に替わって反論します。最近では週刊文春7月26日号の記事について事実と異なる点を指摘しています。

 かつての皇后美智子さまの失声症になられるほどの御心痛を思えば、各週刊誌は報道にもっと慎重であって欲しいと切に思います。

 しかし、同時に私たち国民の側でも、週刊誌報道のすべてをうのみにしないことと、皇室の方々が直接発せられるお言葉にできるだけ接して各記事の真偽を感じ取る鋭い感性をみがく、本当の意味で賢くなることがいっそう大切ではないかと思いました。


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手助けできない部分を心にとめて ― 『毎日読みたい美智子様』より [美智子さま]

手助けできない部分を心にとめて ― 『毎日読みたい美智子様』より

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学生時代に、数人の友人が家に泊まりに来て、互いの性格を色々と精神分析的に批評して、夜遅くまで語り合ったことがありました。

私はそういうことが好きだったのでとても楽しかったのですが、それから少したってその中の一人から手紙をもらいました。

「先日の分析ごっこで少し疲れました。みんながあなたの性格を○○だとか△△だとか言っていたけれど、私はあなたの全体の雰囲気、言葉にならない何か、が好きです。」

胸をつかれる思いでした。友人の手紙は「言葉にならない何か」を大切にすることに、私の心を向かわせました。

それから何年かたってこんな詩を読みました。

「そのひとが
いるだけでいい
そのまま何をしていてもいい
ただ 受け容れる

そんな
人と人との結びつきが
できないものか

(中略)

その人の そのままのありかたが
限りなくとうといものに思える

そんな
人と人との結びつきが
できないものか」

(詩集『光の四季』192頁、渋谷晴雄著、日本教文社)

 作者の渋谷晴雄先生からは、自分の先入観や価値観で人を判断するのではなく「ひとのそのままを受け容れる」ことを教えていただきました。

それはひとの本性が「限りなくとうといものである」と祈り続ける生き方でもありました。


 そして最近になって、皇后陛下の次のお言葉を読ませていただきました。


「手助けできない部分を心にとめて

人は一人一人自分の人生を生きているので、
他人がそれを充分に理解したり、
手助けしたりできない……
そうした部分に立ち入るというのではなくて、
そうやって皆が生きているのだという、そういう事実を
いつも心にとめて人にお会いするようにしています

(中略)

【解説】誰もが苦しんだり、悩んだりしていることを、他人に相談してもすべてが解決されるものではない。ただし、そういう悩みがあるのだということを常に心に留めておき、その人と接してあげることが大事だということでしょう。これは美智子様が、東日本大震災の被災地をお見舞されるときなどに見られる、被災した方たちへのご配慮、寄りそうお姿に通じるものだと思います。」

(『毎日読みたい美智子様』21頁、松崎敏弥著、光文社)

皇后陛下のお言葉は、ご著書『橋をかける』の中で、新美南吉著「でんでん虫のかなしみ」を取り上げられて、悲しみは誰でも持っている、と書いていらしたことにも通じる気がいたします。

私は日常生活の中で、幸せそうにふるまう傾向があります。悲しみや苦しみが無いわけではないのですが、そういう自分をあまり人前では見せないようにしています。

そのこと自体は悪いことではないと思いますが、時には自分の中にある悲しみや苦しみを静かに見つめることも必要なのではないかと思いました。

同時に人に接するときは、そのひとの苦しみや悲しみに、無理に立ち入るのではなく、静かに心を寄せることを忘れてはいけないのだとあらためて思いました。

皇后陛下のお言葉を読むことで、慈悲とは何か、人を愛するとは何かを考えさせられ、心の向きを修正することができます。

『毎日読みたい美智子様 愛が生まれるおことば81』のタイトルの通り、もう一度、毎日1ページずつ読み返してみようと思います。


皇后陛下お誕生日に際してのご会見について ―― 承詔必謹と一君万民 [美智子さま]

皇后陛下お誕生日に際してのご会見について ―― 承詔必謹と一君万民

以下の文章は、10月20日の皇后陛下のお誕生日に書いたものです。

皇后陛下の82才のお誕生日を心よりお祝い申し上げます。

皇后陛下のこの1年間の御動静を拝見しますと、とても80才を越えた方と思われない御公務の数々に、頭が下がる思いです。深く感謝申し上げると共に、皇后陛下がこれからもお健やかであられますよう、心よりお祈り申し上げます。

皇后陛下のお誕生日の会見において陛下の御放送について述べられた次のお言葉を拝見しました。


「8月に陛下の御放送があり,現在のお気持ちのにじむ内容のお話が伝えられました。私は以前より,皇室の重大な決断が行われる場合,これに関わられるのは皇位の継承に連なる方々であり,その配偶者や親族であってはならないとの思いをずっと持ち続けておりましたので,皇太子や秋篠宮ともよく御相談の上でなされたこの度の陛下の御表明も,謹んでこれを承りました。」

(「皇后陛下お誕生日に際し(平成28年)宮内記者会の質問に対する文書ご回答」宮内庁ホームページhttp://www.kunaicho.go.jp/page/kaiken/show/3


「皇室の重大な決断が行われる場合」、「関わるのは皇位の継承に連なる方々であり」、「配偶者や親族が関わってはならない」、「このたびの陛下の御表明も、謹んでこれを承りました。」とのお言葉を拝見して、皇后陛下ご自身が謹んで承るとの「承詔必謹」を実行されていらっしゃるとの思いを深くいたしました。

また「一君万民」について「皇后陛下」であっても「万民」のお一人であるとの御自覚をお持ちでいらっしゃると思いました。

皇后陛下の次のお言葉は、国民の皆様が抱いたのと同じお気持ちを表明されたことと拝察いたしました。


「ただ,新聞の一面に「生前退位」という大きな活字を見た時の衝撃は大きなものでした。それまで私は,歴史の書物の中でもこうした表現に接したことが一度もなかったので,一瞬驚きと共に痛みを覚えたのかもしれません。私の感じ過ぎであったかもしれません。」

(「皇后陛下お誕生日に際し(平成28年)宮内記者会の質問に対する文書ご回答」宮内庁ホームページhttp://www.kunaicho.go.jp/page/kaiken/show/3


「驚きと共に痛みを覚えた」ことを素直に表明される皇后陛下のお姿にも深く感動いたしました。

 このたびの「生前退位」の御表明について、国民にも、同じ驚きと痛みを覚えた方が多くいらしたと思います。皇后陛下がこのように述べられたことには、その驚きと痛みへの深いお心配りが感じられます。



「驚きと痛みを覚え」ながら、皇后陛下でさえ、一君万民の「万民」のお手本として、「皇室の重大な決定」に「関わってはならない」「陛下の御表明」を「謹んで承る」と、ご自分を律していらっしゃいます。

まして「国民」は、たとえ政治の中枢にある方々であろうとも、「万民」の立場において、「皇室の重大な決定」である「陛下の御表明」を「謹んで承る」との、謙虚さを持っていただきたいと思います。

一昨日の東京新聞に「天皇の公務負担軽減等に関する有識者会議」について、菅官房長官から説明があったとの記事がありました。

天皇陛下がビデオ・メッセージにおいて明確に否定されている「公務負担軽減」を、こともあろうに、有識者会議の主な名称としていることに驚きました。さらにNHKニュースによれば、有識者会議では、同じく天皇陛下が否定されている「摂政の設置」や「退位の是非」まで検討するとのこと。また有識者会議では、女性・女系天皇の容認や女性宮家の創設を議論しないとのことです。

「皇室の重大な決定」をご発表された今上陛下のおことばを読んだのだろうかと疑われるような会議名称であり、検討内容です。国民の気持ちからもかけ離れていると思います。

天皇陛下を本当に敬愛しているのなら、陛下のおことばを何度も熟読して、「皇室の重大な決定」である「陛下の御表明」を真剣に受けとめていただき、「承詔必謹」を実行して、陛下の御希望のままに実現していただきたいと思います。

「退位」は「即位」と一体であり、「即位」があれば次の皇太子のことも決めなければなりません。そのために皇室典範の改正は必然です。「皇太子」を検討するためには、「女性・女系天皇」、「女性宮家」のことも検討しなければなりません。安定的な皇位継承のできる皇室典範改正を行って、天皇陛下にご安心していただきたいと願わずにいられません。

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