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天皇の御歌(36)―第47代・淳仁天皇 [淳仁天皇]

DSC_0495白花0917blog.JPG今日は、第47代・淳仁天皇
の御歌を学びます。

第47代・淳仁天皇
御在世:733~765(崩御・33歳)
御在位:758~764(26歳~32歳)

淳仁天皇は、第四十代・天武天皇の御子の舎人親王の第七皇子、即ち天武天皇の皇孫です。第46代・孝謙天皇は、淳仁天皇に譲位されましたが、孝謙上皇との不和が起こり、孝謙上皇・道鏡と対立した藤原仲麻呂(恵美押勝(えみのおしかつ))の乱により、仲麻呂が斬罪に処せられ、淳仁天皇は淡路島に流され(764)、配流先(淡路島)で翌年、崩御されました。

御在位期間は6年間、33歳で御崩御という御不運な天皇でいらっしゃいましたが、孝謙天皇との関連で学ばせていただき、御霊様の御心の安らかであられますよう、お祈り申し上げたいと思います。

皇太子の時のお名前は大炊王(おおいおう、おおいのおおきみ)です。

☆☆☆

“天平宝字元年(七五七)十一月十八日、内裏にて肆宴(とよのあかり)きこしめす歌二首のうち、皇太子(ひつぎのみこ)(註・淳仁天皇)の御歌

天地を 照らす 日月の極(きはみ)無く
あるべきものを 何をか思はむ

(萬葉集、巻第二十)“
(p58)

(小田村寅二郎 小柳陽太郎編著『歴代天皇の御歌―初代から今上陛下まで二千首―』日本教文社 昭和52年8月15日 第5版)

☆☆☆


天地:世の中

日月:年月

御歌の意味。天と地(世の中)を照らす日と月(年月)が尽きることが無いように、皇位も極まりないものなのに、なぜものが思われるのだろうか、思い悩むことなど無いはずなのに。

皇太子の御歌としては、戸惑い、ためらいが感じられる御歌です。

萬葉集巻二十には、この皇太子大炊王(おおいおおきみ)の御歌に応える藤原朝臣(藤原仲麻呂)の歌が、集録されています。


☆☆☆

“いざ子ども たはわざなせそ 天地の
堅(かた)めし国ぞ 大和島根は

右の一首は、内相藤原朝臣の之を奏(まを)せり“

https://manyoshu-japan.com/9091/

☆☆☆

内相藤原朝臣:藤原仲麻呂

いざ子ども:さあ、皆の者(目上から目下、同僚に呼びかけるときのことば)

たはわざ:たわけた仕業

大和島根:日本の島々

和歌の意味。さあ、皆の者よ、たわけたことをしてはならない、天地の堅めた国であるぞ、この大和の島々は。

翌年に皇位を継がれる皇太子の御歌にしては、ためらいが感じられます。それに応えて藤原仲麻呂が、肆宴(とよのあかり)に集っている人々に、反乱など起こしてはならない、大和島根は、神が堅め給うた国なのだからと呼びかけて、皇太子を激励する和歌です。


萬葉集巻二十を編纂したのは大伴家持ですが、この御歌を収録した時は、すでに藤原仲麻呂は斬罪に処せられ、淳仁天皇は流されて崩御されています。そのことを念頭に置いていたのでしょう。


NHKBSの『大仏開眼』後編を鑑賞しました。衣装がきれいでした。人間模様も文字だけで読むよりもイメージが湧きやすかったです。

気になったのは安積(あさか)親王が藤原仲麻呂の命を受けた玄昉に毒殺される場面です。安積(あさか)親王が17歳で急死されたのは事実ですが、仲麻呂に殺されたというのは、そういう説があるというだけだそうです。

番組は吉備真備が主人公で、潔癖な真備と、権力に動かされやすい仲麻呂の対立が描かれていました。孝謙天皇・稱徳天皇もとても潔癖な方でいらしたようで、その点、石原さとみさんが好演していたと思います。

女性が皇太子になられたことも、一度出家した天皇が重祚されたことも、当時の歴史上初めてのことでした。皇室のあり方は、固定されたものではなく、新しい試みにチャレンジする融通性があることが、このことからも感じられます。

史上初めて皇位を継がれた第33代・推古天皇、初めて独身で女帝から皇位を継がれた第44代・元正天皇、初めて皇太子になられた第46代・孝謙天皇、女性天皇だけたどっても、「初めて尽くし」です。

畏れ多いことですが、愛子さまが皇太子になられ、めでたくご結婚されてから天皇になられたら、日本の歴史上初めて、配偶者のいらっしゃる女性天皇になられるかも知れないとの、期待をふくらませています。

もちろん、このようなことは私の勝手な空想で、大前提は敬宮愛子内親王の御幸福であり、それが最重要事であるのは、言うまでもありません。


今日も読んでいただき有難うございました。

皆様のご多幸を心よりお祈り申し上げます。

タグ:女性天皇
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