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「天皇の主体性、能動性を徹底的に否定した」のは占領軍よりも戦後憲法学だった。 ――  今も否定し続けている保守系知識人 [皇室]

「天皇の主体性、能動性を徹底的に否定した」の占領軍よりも戦後憲法学だった。 ―― 今も否定し続けている保守系知識人


去る10月9日、東京で開催された「ゴー宣道場」に参加したときに、占領軍よりも、戦後の憲法解釈が天皇の主体性、能動性を徹底的に否定したとの話も聞いて、驚きました。

占領軍が、天皇陛下の御存在を否定し、あわよくば天皇制をなくしてしまおうとの意図によって「天皇陛下が政治に一切関与できない」「政治的なご発言ができない」ように縛ったとばかり思っていた私の先入観が覆りました。

そのことについて、高森明勅氏が、10月20日の「高森明勅の『今昔モノ語り』にくわしく書かれています。


(「2016/10/20戦後憲法学の異常さ」、「高森明勅の『今昔モノ語り』」)


 高森氏によれば、戦後憲法学においては、「マッカーサー・メモや、憲法草案の起草にあたったGHQ民政局次長だったケーディスらの構想と比べても、宮澤俊義以来の憲法学の「象徴」規定についての通説的な解釈は、常軌を逸している」とのこと。


さらに現代にいたるまで、『マッカーサーやケーディスら“より”自虐的な「象徴」解釈が、いつの間にか「保守」系と見られていた知識人の頭脳も、完全に支配』しているとのことです。


「天皇の主体性、能動性の否定」の部分をまとめると、以下のようになります。


・「天皇の主体性、能動性を徹底的に否定した」のは占領軍よりも、戦後憲法学である。


・「天皇の主体性、能動性を徹底的否定」自虐的な「象徴」解釈が、いわゆる「保守」系の知識人の頭脳も完全に支配している。


・その解釈は、現政権も受け継いでいて、天皇という存在を「戦後憲法学」的な“牢獄”に封じ込めようとしているようだ。


 占領軍よりも徹底的に「天皇陛下の主体性、能動性を認めない」いわゆる保守系知識人の意向を受けて、天皇陛下のご発言を軽んずる「有識者会議」を設けた現政権のあり方には、深い憂慮を覚えずにいられません。

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「皇室典範改正案」の公表 ―― ゴー宣道場に参加して [皇室典範改正]

「皇室典範改正案」の公表 ―― ゴー宣道場に参加して



10月9日、「ゴー宣道場」に参加しました。

道場では、高森明勅師範の皇室典範改正案が公表され、同師範がくわしく説明されました。分かりやすく、明快な改正案でした。

160名の参加者が熱心に聴いていて、高森氏による解説の後には、条文について次々に質問が出され、参加者の関心の高さと、理解力・読解力の深さに感嘆いたしました。

「皇室典範改正は安保法制に比べればシンプル」と高森氏は言います。

法律を改正するに当たっては、法律の主旨(哲学)が大切であり、高森氏は、典範改正に当たり、以下の主旨(哲学)を大切にしたとのことです。

①皇室を聖域として守ろうとしている(国民と区別する)
②直系優先をはっきりさせる
③摂政はなるべく立てない
(天皇の退位は、皇太子が18才で成人してから)

皇室典範改正に際しては、生前退位だけではなく、次の皇太子殿下についての条文も直さなければならないし、女性天皇、女性宮家創設を視野に入れた改正をする必要があります。高森氏の案には、そのことも盛り込まれています。実に美しくわかりやすい改正案です。あまりに美しかったので、既に改正が実現したような気分になっていました。

ところが、先日来、政府の有識者会議が天皇陛下の生前退位についての話し合いを始めたが、時間がかかるから特別法で解決する、あるいは生前退位そのものを認めないなどの意見もあるとNHKが伝えていました。あまりのギャップの大きさに、一気に現実に引き戻されました。

あれだけ、天皇陛下が生前退位を希望され、国民の90%が「生前退位」を認めたらよいといっているのに、「生前退位」そのものを認めないなどというのは、論外だと思います。

また、特別法による生前退位は、先日の「朝まで生テレビ」、八木秀次氏も「違憲である」と発言していましたが、明白に憲法違反です。正当な方法は、皇室典範改正しかないのです。

「皇室典範改正」が「安保法制よりシンプル」で、短期間で実現可能であること、それしか方法がないことを声を大にして発信していかなければならないとの思いを新たにしました。


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皇后陛下お誕生日に際してのご会見について ―― 承詔必謹と一君万民 [美智子さま]

皇后陛下お誕生日に際してのご会見について ―― 承詔必謹と一君万民

以下の文章は、10月20日の皇后陛下のお誕生日に書いたものです。

皇后陛下の82才のお誕生日を心よりお祝い申し上げます。

皇后陛下のこの1年間の御動静を拝見しますと、とても80才を越えた方と思われない御公務の数々に、頭が下がる思いです。深く感謝申し上げると共に、皇后陛下がこれからもお健やかであられますよう、心よりお祈り申し上げます。

皇后陛下のお誕生日の会見において陛下の御放送について述べられた次のお言葉を拝見しました。


「8月に陛下の御放送があり,現在のお気持ちのにじむ内容のお話が伝えられました。私は以前より,皇室の重大な決断が行われる場合,これに関わられるのは皇位の継承に連なる方々であり,その配偶者や親族であってはならないとの思いをずっと持ち続けておりましたので,皇太子や秋篠宮ともよく御相談の上でなされたこの度の陛下の御表明も,謹んでこれを承りました。」

(「皇后陛下お誕生日に際し(平成28年)宮内記者会の質問に対する文書ご回答」宮内庁ホームページhttp://www.kunaicho.go.jp/page/kaiken/show/3


「皇室の重大な決断が行われる場合」、「関わるのは皇位の継承に連なる方々であり」、「配偶者や親族が関わってはならない」、「このたびの陛下の御表明も、謹んでこれを承りました。」とのお言葉を拝見して、皇后陛下ご自身が謹んで承るとの「承詔必謹」を実行されていらっしゃるとの思いを深くいたしました。

また「一君万民」について「皇后陛下」であっても「万民」のお一人であるとの御自覚をお持ちでいらっしゃると思いました。

皇后陛下の次のお言葉は、国民の皆様が抱いたのと同じお気持ちを表明されたことと拝察いたしました。


「ただ,新聞の一面に「生前退位」という大きな活字を見た時の衝撃は大きなものでした。それまで私は,歴史の書物の中でもこうした表現に接したことが一度もなかったので,一瞬驚きと共に痛みを覚えたのかもしれません。私の感じ過ぎであったかもしれません。」

(「皇后陛下お誕生日に際し(平成28年)宮内記者会の質問に対する文書ご回答」宮内庁ホームページhttp://www.kunaicho.go.jp/page/kaiken/show/3


「驚きと共に痛みを覚えた」ことを素直に表明される皇后陛下のお姿にも深く感動いたしました。

 このたびの「生前退位」の御表明について、国民にも、同じ驚きと痛みを覚えた方が多くいらしたと思います。皇后陛下がこのように述べられたことには、その驚きと痛みへの深いお心配りが感じられます。



「驚きと痛みを覚え」ながら、皇后陛下でさえ、一君万民の「万民」のお手本として、「皇室の重大な決定」に「関わってはならない」「陛下の御表明」を「謹んで承る」と、ご自分を律していらっしゃいます。

まして「国民」は、たとえ政治の中枢にある方々であろうとも、「万民」の立場において、「皇室の重大な決定」である「陛下の御表明」を「謹んで承る」との、謙虚さを持っていただきたいと思います。

一昨日の東京新聞に「天皇の公務負担軽減等に関する有識者会議」について、菅官房長官から説明があったとの記事がありました。

天皇陛下がビデオ・メッセージにおいて明確に否定されている「公務負担軽減」を、こともあろうに、有識者会議の主な名称としていることに驚きました。さらにNHKニュースによれば、有識者会議では、同じく天皇陛下が否定されている「摂政の設置」や「退位の是非」まで検討するとのこと。また有識者会議では、女性・女系天皇の容認や女性宮家の創設を議論しないとのことです。

「皇室の重大な決定」をご発表された今上陛下のおことばを読んだのだろうかと疑われるような会議名称であり、検討内容です。国民の気持ちからもかけ離れていると思います。

天皇陛下を本当に敬愛しているのなら、陛下のおことばを何度も熟読して、「皇室の重大な決定」である「陛下の御表明」を真剣に受けとめていただき、「承詔必謹」を実行して、陛下の御希望のままに実現していただきたいと思います。

「退位」は「即位」と一体であり、「即位」があれば次の皇太子のことも決めなければなりません。そのために皇室典範の改正は必然です。「皇太子」を検討するためには、「女性・女系天皇」、「女性宮家」のことも検討しなければなりません。安定的な皇位継承のできる皇室典範改正を行って、天皇陛下にご安心していただきたいと願わずにいられません。

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