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男系男子維持派との対話(三)―安定的皇位継承を願って [皇室典範改正]

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男系男子維持派の方からの2番目の質問は、秋篠宮様が立皇嗣の礼を行われ、秋篠宮様、悠仁親王という皇位継承の流れが出来ているのに、愛子様が皇太子に立たれることに固執するのは何故なのかいうことでした。






質問2、

(1)貴方の考えは今上陛下から秋篠宮皇嗣殿下と悠仁親王殿下という流れを断ち切って、今上陛下から一足飛びに、愛子様への皇位継承という流れにしたいとの立場に見えます。愛子様への皇位継承に固執するのはなぜですか。

(2)「立皇嗣宣明の儀の天皇陛下のおことば」(令和2年11月8日)で、天皇陛下から
「本日ここに,立皇嗣宣明の儀を行い,皇室典範の定めるところにより文仁親王が皇嗣であることを,広く内外に宣明します。」との「おことば」をいただきました。このお言葉の重みについて、貴方は、どう考えますか。

なお、私(質問者)は「男系女子」天皇までは認めますが、女系天皇(女性天皇のお子様の皇位継承)は容認できません。


答え2、

(1)愛子内親王の皇位継承を支持するのは女系容認を前提に、第119代・光格天皇以来続いて来た「、直系継承」(親から子への継承)を、断ち切りたくないからです

質問者様は「男系女子」天皇までは容認すると言われますが、女系天皇は容認しないというお立場ですね。

「女系天皇」を認めるか認めないかという一点が、質問者様と私との決定的な違いだと思います。この話は今のところ平行線です。前提が違うので私が愛子さまの皇位継承に固執していて、これまでの流れを断ち切るように見えるのだろうと思います。


しかし私は女系天皇を容認いたします。さらに『皇室典範』を改正するなら、先延ばしせずに、できるだけ早い方が良いと考えます。

女系天皇を容認しない前提に立てば、質問者様の言われる通り、男系男子優先で、秋篠宮様、悠仁親王が皇位継承される流れが筋であるということになるでしょう。

しかし、双系継承に切り替える前提に立てば「直系継承」、「傍系継承」のどちらを優先するかという話になります。

秋篠宮様は天皇の弟君ですから、その継承は「傍系継承」です。

双系継承が認められれば、第119代・光格天皇以来、約200年続いて来て、明治の旧皇室典範でも重視されていた「直系継承」(実の親子の継承)により、天皇の長子である直系の愛子内親王が皇位に就かれるのが、筋であり秩序であることになります。

現皇室典範でも、皇位継承順位は、

「一 皇太子 二 皇太孫 三 その他の皇長子の子孫」、
「四 皇次子」

であり、皇長子、皇太孫、その他の皇長子の子孫となっており、皇長子系統が優先になっています。

愛子さまという個人の皇位継承に固執しているのではありません。

女系容認を前提に、皇室の伝統にのっとった「直系継承優先」の維持を支持しているのです。

(*直系継承について当ブログで取り上げています。よろしければご一読ください。
https://onkochisin.blog.ss-blog.jp/2021-03-02


(2)「立皇嗣宣明の儀の天皇陛下のおことば」は、国事行為であり、天皇のお気持ちが入る余地はありません。お気持ちに沿わなくても、天皇、秋篠宮は決められた国事行為に最善を尽くすことしかできません。

天皇は立憲君主として国会が決定した国事行為を、粛々と執り行われたのです。そこに天皇ご自身のお気持ちが入る余地はありません。お気持ちに沿わなくても天皇、秋篠宮は決められた国事行為に最善を尽くすことしかできません。

天皇陛下、上皇陛下、秋篠宮殿下の一致したお気持ちとは別に立憲君主のお立場を貫かれたのです。

天皇、上皇、秋篠宮の皇位継承のお気持ちは一致しているはずです。と申しますのは、平成24年春ごろから天皇、上皇、秋篠宮の御三方で、月に一回、会合を開かれることが決まり、会合は何年か続き、宮内庁長官も出席しているからです。(立皇嗣の礼が御三方のお気持ちに沿っていたと思えません。)

記者会見などのお言葉を注意深く読めば、御三方のお気持ちを拝察することが出来ます。


☆☆☆

問5 殿下にお伺いします。殿下は昨年春頃から月に1回程度,皇太子さまとともに御所を訪れ,天皇陛下と定期的に懇談されています。象徴天皇としてのお考えや皇室の活動のあり方,今後の課題などが話し合われる貴重な機会となっておられると思います。ご懇談のご様子とあわせ,殿下の心に残ったやり取りをお聞かせください。また,こうしたご懇談の機会を持つことの意義について,殿下はどのようにお考えでしょうか。
殿下
懇談の様子とか,やり取りというのは,お話しするのは控えたいと思います。

ですが,天皇陛下と皇太子殿下,それで私がいて,そこに宮内庁長官がいるという一つの意味は,例えば,天皇陛下のところ,皇太子殿下のところ,それから私も含めてそれ以外の皇族,これをつなぐことができるのは宮内庁長官だけであるわけで,その意味でいろいろな事柄について見解を共有するということは,私はそれ自体非常に意義があることだと思っています。少なくとも,そういうことがなかった時に比べれば,もちろんそれぞれ意見が違うこともこれは当然あるわけですけれども,そういうことも含めて宮内庁長官が知っていてくれるということは,私は非常にいいことだと思っております。

(「文仁親王殿下お誕生日に際し(平成25年)」宮内庁ホームページ
https://www.kunaicho.go.jp/okotoba/03/kaiken/kaiken-h25.html

☆☆☆


この会合でお三方は皇位継承についてお気持ちを一致させられ、それは「愛子さまの皇位継承」、「女系天皇容認」であったと拝察いたします。女系天皇容認については前の投稿で述べた通り、様々な兆し、宮内庁から政権への働きかけを注視すれば、男系男子限定に固執されていないことが、推察できます。明治天皇が女系継承を容認されていたことも、天皇がそのお気持ちを継いでおられると考えるのが自然です。

秋篠宮殿下は非公式な場面で高齢になったご自身が天皇になることのご懸念を、お誕生日の記者会見では秋篠宮家のご公務に愛着があることを述べられて、即位を望まないお気持ちをほのめかされています。ご自身の即位を望まないなら悠仁様の即位も望まれていないことになります。悠仁様には宮家の公務を継いでいただくことを期待されていると拝察申し上げます。

その最大の理由は傍系継承よりも、直系継承を望んでおられるからだと思います。


☆☆☆

“関連質問2 殿下は秋篠宮家当主という立場を維持されました。当初の議論,皇室典範改正前の議論では,殿下が内廷皇族として皇太子もしくは皇太弟という地位といいますか称号を得て内廷皇族になられるという案も検討されていたわけですが,殿下の意向もしくは希望という面も踏まえて最終的には秋篠宮家当主という立場を維持されたという御指摘もありますが,殿下御自身はこの宮家当主という立場を維持されたということについて,どのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
殿下
 私自身はやはり約30年間,秋篠宮という一つの独立した宮家が続いており,それに対しては非常に愛着を持っています。したがって,秋篠宮家当主ということについては,私自身もそれは維持していきたいと思っていました。一方,おっしゃった内廷皇族になるという話はどこかで出ていたのかもしれませんけれども,皇太子とか皇太弟とか名称はともかくとして,恐らく内廷皇族になるというのは少し違うのではないかというのは意見として結構あったと私は記憶しています。よろしいですか。”

(「秋篠宮皇嗣殿下お誕生日に際し(令和2年)」宮内庁ホームページ
https://www.kunaicho.go.jp/page/kaiken/show/39

☆☆☆


繰り返しになりますが、立皇嗣宣明の儀の天皇のお言葉は、立憲君主として、国事行為を粛々と執り行われたのです。そこに天皇ご自身のお気持ちが入る余地はありません。

立皇嗣宣明の儀は、即位の礼に伴う一連の国事行為の一つです。国事行為は、日本国憲法上、天皇が行うものとして規定されている行為で、いずれも「内閣の助言と承認」が必要で内閣がその責任を負うものです。天皇は、政府の決定に従って最善を尽くすことしかできません。

お三方のお気持ちに反することを知りながら政府が日本の歴史上前例のない「立皇嗣の礼」を政府が強行したことに、私は忸怩たる思いでしたが、中止の願いは政府に届きませんでした。

(*関連する記事を書いたブログがあります。よろしければご一読ください。
https://onkochisin.blog.ss-blog.jp/2020-08-12


しかし、政府は有識者会議で現在の皇位継承順位を前提にしないで議論するという見解を表明しています。

政府は、(有識者会議では)予断を持たずに検討する(現在の皇位継承順位を前提にしないで議論する)と答弁しています。
https://onkochisin.blog.ss-blog.jp/2021-04-23

すなわち立皇嗣宣明の儀で宣明された継承順位にとらわれないで、有識者会議で検討するというのが、政府の見解です。

[政府への質問と見解の要点]

去る4月8日、退位特例法の附帯決議に応える為の有識者会議に関し、国民民主党の山尾志桜里衆院議員から、質問主意書が政府に提出されました。これに対して4月20日、皇位の安定的継承を検討する有識者会議における議論は、「現在の皇位継承順位を前提にしない」との政府見解が答弁書として示されました。
現在の皇位継承順位は皇嗣の秋篠宮様が第一位ですが、皇室典範が改正されれば、その順位が変更になり、愛子様が皇太子になって継承順位第一位になることも、有識者会議で検討されるということが示されました。

[議員質問]
①皇位継承の順位について、「現在の順位を変えない」ことが前提になっているのか?

これに対し、政府から4月20日に答弁書が示された。回答はおよそ以下の通り。
[政府答弁]

①「(附帯決議に示された課題について)予断を持つことなく議論していただきたいと考えている」。


予断を持つことなく、というのは、前もって判断することなく、という意味です。すなわち、現在の「皇位継承順位を変えることも議論できる」との政府見解を示しています。


現在の皇位継承順位は皇嗣の秋篠宮様が第一位ですが、皇室典範が改正されれば、その順位が変更になり愛子様が皇太子になって継承順位第一位になることも、予断を持つことなく、有識者会議で検討されることを意味します。


政府が「予断を持たずに検討する」と明言したのは、天皇、上皇、秋篠宮が一致したお考えとして、女系天皇容認であられること、秋篠宮殿下ご自身が、ご自身と悠仁親王のご即位を望んでおられないことを、政府が知っているからだと思います。


日本神話に遡り、律令制の時代、武家の時代、明治の欧化主義を越えてきた過去を顧みつつ、将来を見通した長期展望に立つ、皇室典範改正が望まれます。

この回答文は明日に続きます。


今日も読んでいただき有難うございました。
皆様にとって良い一日でありますようお祈り申し上げます。

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