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男系男子維持派との対話(五)―安定的皇位継承を願って [皇室典範改正]

DSC_161120210601blog.JPG*タイサンボクの花は大きい!*
今日は、なぜ男系男子維持派とネットで対話をするようになったか、また対話の成果について、述べます。
男系男子維持派とネット上で対話したいとの願いが強まり、やっと実現できたのは昨年末のことでした。ネット上とは言え、意見が対立している方々との対話は、かなり勇気が要りました。罵倒を浴びたこともあります(^^;)。

それでも対話できたことにより、大いに得るところがありました。勇気を振るって対話できたことはとてもよかったと思います。今は対話に応じてくださった皆様に、感謝しております。

対話といっても、対面でないネット上の文字だけのやりとりですから、どこまで深い話ができたか分かりません。私が思いのたけを綴ったことについて、何人かの方から、正直なご返事をいただいたという感じです。

その中で、うれしかったのは、女系容認は左翼の人だけが主張していることだと思っていたが、そうでない人もいることが分かったという、ご返事をいただいたことでした。

また、男系維持派との対話の中で、一つの気付きをいただいたことは、大きな収穫でした。

意見の相違があっても、天皇陛下に深い思いを抱いていることは同じであり、対話を試みたことにより、新たなより高い次元のアイディアが私の中に生まれたのだと思います。

その体験は、次のように訪れました。

私の願いは、「一番大事なことは、天皇陛下のお気持ち(大御心)に思いを致すということ」との信念のもと、天皇陛下は女系容認であるのでそのお気持ちをかなえたい、それによって「安定的な皇位継承」を実現したいということです。

それで男系維持派の皆さんに、

『天皇陛下が「女系天皇容認」』だとしても、男系支持を続けるつもりですか?

という質問を投げかけたのです。

それに対して、ある方から、仮定の問いを立てての論法にはそもそも疑問を感じます、とのご返事をいただきました。

さらにその方は、以下に掲げる天皇陛下と、上皇后陛下のお言葉を引用されて、天皇、皇室が国民の叡智に深い信頼を寄せて下さっていることに頭を垂れると述べられました。


☆☆☆

即位礼正殿の儀の天皇陛下のおことば (令和元年10月22日)

「国民の叡智とたゆみない努力によって,我が国が一層の発展を遂げ,国際社会の友好と平和,人類の福祉と繁栄に寄与することを切に希望いたします。」
https://www.kunaicho.go.jp/page/okotoba/show/46 

☆☆

皇后陛下お誕生日に際し(平成7年)
宮内記者会の質問に対する文書ご回答

問4 阪神・淡路大震災,オウム真理教事件など国民を不安に陥れる災害や事件が続きましたが,こうした世の中で皇室が存在する意義や役割についてどのようにお考えですか。

皇后陛下
人の一生と同じく,国の歴史にも喜びの時,苦しみの時があり,そのいずれの時にも国民と共にあることが,陛下の御旨みむねであると思います。陛下が,こうした起伏のある国の過去と現在をお身に負われ,象徴としての日々を生きていらっしゃること,その日々の中で,絶えずご自身の在り方を顧みられつつ,国民の叡智がよき判断を下し,国民の意志がよきことを志向するよう祈り続けていらっしゃることが,皇室存在の意義,役割を示しているのではないかと考えます。

https://www.kunaicho.go.jp/okotoba/01/kaiken/gokaito-h07sk.html

☆☆☆


「国民の叡智とたゆみない努力によって、我が国が一層の発展を遂げ,国際社会の友好と平和、人類の福祉と繁栄に寄与することを切に希望いたします」と、仰った天皇陛下

「国民の叡智がよき判断を下し,国民の意志がよきことを志向するよう祈り続けていらっしゃることが、皇室存在の意義、役割を示している」と仰った上皇后さま


この方が述べられた、天皇、皇室が国民の叡智に深い信頼を寄せて下さっているということがずっと心の片隅に残っていて、今回、私が思索をめぐらすきっかけになりました。


最初のご回答、仮定の問いを立てての論法にはそもそも疑問を感じます、とのご意見をいただいたのは、何か月か前のことで、その場では反論しませんでしたが、その後、他の方々と議論を重ねる中で、私の気持ちが固まって参りました。


今の私なら、次のように答えると思います。

私は、万が一、天皇陛下のお気持ち(大御心)が「男子男系を何としても続けてほしい」だとしたら、それを否定せず、今日から、今すぐに、「女系容認」はきれいさっぱり諦めて「男子男系」を維持する方途を必死に考えます。そこに一点の迷いもありません。

仮定の問いを立てられても即答できます。天皇陛下のご叡慮を限りなく信頼申し上げているからです。限りなき信頼は何十年もかけて自分の心の中に築き上げたものですから、決して揺るぎません。

天皇の大御心に沿い奉る、それが私の唯一の願いです。


けれども、その決意とは別に、天皇陛下のお気持ちは、皇統継承の問題についてのみならず、皇室に関わる他の問題についても、国のあり方などについても、国民の間で議論が尽くされ、皇室と日本の国のあり方が、人々の間で、広く深く理解されること、国民の叡智がよき判断を下すこと、国民の意志がよりよきことを志向するよう、祈り続けていらっしゃる、願っていらっしゃるということに、思いが至ったのです。


聖徳太子の憲法十七ヶ条の、第十七条を思い出しました。

(*当ブログでも取り上げています。
https://onkochisin.blog.ss-blog.jp/2020-08-08


☆☆☆

「大事をば独り断(さだ)むべからず。かならず、衆(もろもろ)と与(とも)に論(あげつら)ふべし。小事(ちひさきこと)はこれ軽(かろ)し。必ずしも衆(もろもろ)と共にすべからず。たゞ大事を論(あげつら)ふに逮(およ)びては、もし失(あやまち)有らむことを疑ふ。故に衆と与に相弁(あひわきま)ふるときは、辞(こと)、即ち理(ことわり)を得む」(p111)

(山口悌治著『万葉の世界と精神 前篇』日本教文社)

☆☆☆

[大意]

大きなことは一人で決めてはいけない。必ず関係者全員で一緒に議論すべきである。小さいことは軽いから、必ずしも全員で議論しなくてもよい。ただ大きなことを議論するときのみ、間違いがないように疑わなければならない。それゆえに全員が一緒になって判別するときに、言葉で決めた事柄は必ず道理を得たものになるだろう。


五か条の御誓文にも次のお言葉があります。

「広く会議を興し、万機公論に決すべし」(五か条の御誓文)


聖徳太子の憲法十七ヶ条の第一条のお言葉も思いおこされます。

「和をもって(とうと)しとなし、忤(さか)ふること無きを宗(むね)とせよ」(十七ケ条憲法 第一条)

(*当ブログでだいぶ前に取り上げました。
https://onkochisin.blog.ss-blog.jp/2006-12-23


これらは日本の良き伝統であり、「君臨すれど統治せず」の立憲君主のあり方にも通じるところがあります。


「国民の叡智とたゆみない努力によって、我が国が一層の発展を遂げ,国際社会の友好と平和、人類の福祉と繁栄に寄与することを切に希望いたします」と、仰った天皇陛下

「国民の叡智がよき判断を下し,国民の意志がよきことを志向するよう祈り続けていらっしゃることが、皇室存在の意義、役割を示している」と仰った上皇后さま

いちばん大事なことは「天皇のお気持ちに思いを致す」ということです。天皇のお気持ちが安定的皇位継承であるのはもちろんのことですが、同時に、この問題をきっかけに国民が相互に品位を失うことなく、議論を尽くすことも、天皇のお気持ちであるのではないかと、拝察するに至りました。これは大きな驚きをともなう発見でした。

長くなりましたので、明日、続きを書きます。

今日も読んでいただき有難うございました。
皆様にとってすばらしい一日でありますようお祈り申し上げます。

タグ:女系天皇
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