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雅子さまの東北を詠まれた御歌 [皇后陛下]

DSC_122020210319blog.JPG「女性自身 Yahoo News」( 3/17(水) 11:15配信)に、皇后陛下、雅子さまの東北を詠まれた御歌4首が掲載されました。

私もかつて色々悩んでいた時、皇居清掃奉仕に伺い、上皇后陛下、美智子さまに、近くでお目にかかる機会がありました。その瞬間、悩む心が一気に消えました。

皇后陛下にお会いした東北の被災者の皆様もおなじ思いで、悩みがいやされて、明日に向かう力を与えられたのではないかと、拝察いたします。

皇后陛下の「幸福の祈り」が、おことばと御まなざしの背後にあるからなのですね。

皇后陛下の御歌にはお気持ちのエッセンスが込められていると思います。雅子さまのお祈りの込められた御歌を拝読させていただきます。


☆☆☆

『《春あさき 林あゆめば 仁田沼の 岸辺に群れて みづばせう咲く》

’96年春、福島県土湯温泉町を訪ね、仁田沼周辺を散策された両陛下。震災の年に、その美しい自然に思いをはせ詠まれた御歌。

《悲しみも 包みこむごと 釜石の 海は静かに 水たたへたり》

岩手県釜石市をお訪ねの際、釜石湾が静かに凪ぐ様子をご覧になり、地域の人々の悲しみが癒されていくよう願われた。

《ふるさとの 復興願ひて 語りあふ 若人たちの まなざしは澄む》

事故を起こした福島第一原発に近い広野町の福島県立ふたば未来学園高等学校の授業をご覧になり、生徒たちの真摯ですがすがしいまなざしの印象を詠まれた。

《あたらしき 住まひに入りて 閖上の 人ら語れる 希望のうれし》

津波被害の大きかった宮城県名取市閖上地区などをご視察。新しい災害公営住宅に入居した被災者の喜びの声に安堵され、さらなる復興を願われて詠まれた御歌。』

(『雅子さまの東北を詠んだ御歌4選「込められた幸福の祈り」』「女性自身 Yahoo News」 3/17(水) 11:15配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/4c947f4077f282bedc4abedb4170b5e2f77efaa5

☆☆☆

1首目は平成24年の歌会始、2首目は平成26年の歌会始、3首目は平成30年の歌会始、
4首目は平成28年の歌会始の御歌です。

女性自身の解説は省略されているので、それぞれの解説を宮内庁ホームページからも、引用いたします。こちらの方がくわしいので、御歌の背景などがよく分かります。


☆☆☆

(1首目)
『平成八年四月下旬、両殿下は福島県土湯温泉町をお訪ねになりました。
春浅い信夫路(しのぶじ)のハイキングコースを散策なさった折に、芽吹き間近の樹林が開けて仁田沼に出られるとそこには白い包状の花が美しい十万本のみずばしょうの群落が広がり七分咲きの見ごろを迎えておりました。その時の光景をお詠みになられたものです。
昨年の東日本大震災による被害に心を痛められ、被災地の人々や福島県の美しい自然にも思いを馳せられてお詠みになられました』
https://www.kunaicho.go.jp/culture/utakai/pdf/utakai-h24.pdf

(2首目)
『皇太子同妃両殿下には東日本大震災の被災地お見舞いのため昨年十一月に岩手県釜石市をご訪問になりました。
同市は平成二十三年三月の東日本大震災で地震と津波による甚大な被害を受け、現在は復興の途上にありますが、両殿下には、昨年五月に釜石市平田(へいた)で三年ぶりにウニ漁が再開されたことなどを現地でお聞きになり、嬉しくお思いになりました。
ご訪問になられた日の釜石湾は、静かに凪いでおりました。妃殿下には、その湾の様子をご覧になり、長年海とともに歩んできたこの地域の人々の悲しみが少しずつ癒やされていってくれているよう、そして、海が穏やかに人々の暮らしを守り、豊かな恵みをもたらしていってくれるよう、願いを込めてこの歌をお詠みになりました』
https://www.kunaicho.go.jp/culture/utakai/pdf/utakai-h26.pdf

(3首目)
『皇太子妃殿下には皇太子殿下と御一緒に、昨年十一月に宮城県の名取市閖上(ゆりあげ)地区などの被災地をご訪問になりました。その折、津波被害の大きかった閖上地区に新しく建てられた災害公営住宅に入居された被災者の方々が、生活環境が少しずつ整いつつある中で、今後に向けての希望を見出されてきたことを語られたことに安堵され、嬉しくお思いになりました。
このお歌は、その時のお気持ちを、被災された多くの方々のこれまでの御苦労を思われながら、今後のさらなる復興を願われてお詠みになったものです』
https://www.kunaicho.go.jp/culture/utakai/pdf/utakai-h30.pdf

(4首目)
『皇太子同妃両殿下には、昨年の十月、福島県に二年ぶりにお出かけになり、東日本大震災からの復興の様子をご視察になりました。その折、地域の復興を支え、社会に貢献する若者を育てることを目指して創立された県立ふたば未来学園高等学校をご訪問になり、地域の課題への取組についてのグループ学習の様子を御覧になり、生徒たちとお話になりました。このお歌は、そのときの生徒たちの真摯で清々しい目差の御印象をお詠みになったものです』
https://www.kunaicho.go.jp/culture/utakai/pdf/utakai-h28.pdf

(以上、宮内庁ホームページ 歌会始 「お題一覧」より)

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中でも、《悲しみも 包みこむごと 釜石の 海は静かに 水たたへたり》の御歌がとても心に残っています。

『海が穏やかに人々の暮らしを守り、豊かな恵みをもたらしていってくれるよう、』という、雅子さまの海への祈りがあるからかも知れません。



東日本大震災の被災者訪問について、『皇后雅子さま物語』には、次のような話が書かれています。

2013年8月20日、皇太子ご夫妻(現在の天皇ご夫妻)は東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県七ヶ浜町を日帰りでご訪問されました。 仮設住宅には40人ほどの被災者が出迎えて、高齢者が椅子に座っての懇談となりました。

☆☆☆

『雅子妃はひざを折り、視線を合わされて、被災者が語る困難な状況に耳を傾けられた。東宮職は事前に雅子妃のお身体のことに触れないよう訪問先に伝えていたが、お年寄りのなかには、つい励ましていただいたお礼に「御病気のなか来ていただいてありがとうございます」と言葉にした人もいたという。
 それを聞いた雅子妃は、笑顔で「こちらの方がこられてよかったです。お互いに頑張りましょう」と述べられた。立場や状況は違っても苦しみを持つ人間同士の言葉が通じ合ったやりとりだった。
 翌月の22日には、福島県郡市をご訪問された。仮設住宅には、原発事故で双葉郡双葉町から避難している人たちが暮らしていた。雅子妃は、被災したひとたちの言葉にならない悲しみを心に重く受け止められていたという。』

(友納尚子著『皇后雅子さま物語』p474 文春文庫)

☆☆☆

ご自身がご病気をされているので、苦しみを持つ人間の心が本当にお分かりになるのだと思います。雅子様がご病気になられたことも、それを乗り越えようと努力を重ねておられることも、ご自身のお気持ちを深める糧となさったのだと思います。人生に無駄なことは何もないと言いますが、皇后というお立場の方が、御病気になられたこと、そこから立ち直りつつあるおすがたから、畏れ多いことですが、教えていただけることがたくさんある気がいたします。御全快を心よりお祈り申し上げます。

今日も読んでいただき有難うございました。
皆様にとって、意義のある一日でありますようお祈り申し上げます。

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