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天皇の御歌(19)―天皇・皇后両陛下(2) [天皇・皇后両陛下]

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今日は、昨日に続いて今上天皇・皇后両陛下の御歌(おうた)を読ませていただきます。

一昨年の「平成三十年歌会始」の御歌です。御題は「語」でした。


☆☆☆

“皇太子殿下

復興の 住宅に移りし 人々の 語るを聞きつつ 幸を祈れり

皇太子殿下には、妃殿下と御一緒に、平成二十九年十一月に宮城県名取市閖上地区の中央第一団地を訪れられ、災害公営住ゆりあげ宅の整備の進捗状況などの復興状況についての御説明をお受けになり、引き続き団地に入居された被災者の方々と御懇談になりました。
皇太子殿下におかれては、復興事業が着実に進み、被災した方々が安心して暮らせる環境が整いつつある様子をお聞きになり、安堵される一方、これまでの御苦労を思われ、被災された方々一人一人の幸せを祈られた思いをお詠みになったものです。


皇太子妃殿下

あたらしき 住まひに入りて 閖上(ゆりあげ)の 人ら語れる 希望のうれし

皇太子妃殿下には皇太子殿下と御一緒に、昨年十一月に宮城県の名取市閖上地区などの被災地をご訪問になりました。その折、ゆりあげ津波被害の大きかった閖上地区に新しく建てられた災害公営住宅に入居された被災者の方々が、生活環境が少しずつ整いつつある中で、今後に向けての希望を見出されてきたことを語られたことに安堵され、嬉しくお思いになりました。
このお歌は、その時のお気持ちを、被災された多くの方々のこれまでの御苦労を思われながら、今後のさらなる復興を願われてお詠みになったものです。“

(「宮内庁ホームページ」 「お題一覧(昭和22年から)https://www.kunaicho.go.jp/culture/utakai/odai.html

☆☆☆


この御歌を拝見しながら、東日本大震災後まもなく、上皇陛下が、御発表されたビデオメッセージの一節を思い出しました。


☆☆☆

“被災者のこれからの苦難の日々を,私たち皆が,様々な形で少しでも多く分かち合っていくことが大切であろうと思います。被災した人々が決して希望を捨てることなく,身体からだを大切に明日からの日々を生き抜いてくれるよう,また,国民一人びとりが,被災した各地域の上にこれからも長く心を寄せ,被災者と共にそれぞれの地域の復興の道のりを見守り続けていくことを心より願っています。”

(「宮内庁ホームページ」東北地方太平洋沖地震に関する天皇陛下のおことば(ビデオ)(平成23年3月16日
 https://www.kunaicho.go.jp/okotoba/01/okotoba/tohokujishin-h230316-mov.html#h02

☆☆☆


震災直後、上皇陛下のビデオメッセージで結びの部分の、このお言葉を忘れてはいけないと思っていましたが、震災から9年経ち、さまざまな日常の中で、つい忘れがちでした。この機会にふたたび、心にとどめたいと思います。

東日本大震災の全国の避難者数は、約4万4千人で、いまだに全国に避難されているとのことです。


☆☆

“令和2年4月9日現在)を把握しましたので、以下の通り公表します。
① 全国の避難者数は、約4万4千人
② 全国47都道府県、956の市区町村に所在“

(中略)

 “(注1) 自県外への避難者数は、福島県から30,211人、宮城県から3,867人、岩手県から961人となっている。“

(「復興庁 全国の避難者の数 (所在都道府県別・所在施設別の数 令和元年度公表分)」 
 https://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat2/sub-cat2-1/hinanshasuu.html

☆☆


このデータを見て、とりわけ心が痛むのは、福島県からの避難者が、全避難者約4万4千人の中、30、211人も、いらっしゃるということです。原子力発電所の事故のために帰りたくても帰れない人々が多いのではないかと思います。

心の痛むことであり、原子力発電所事故の影響が9年たった今もなお続いていることを忘れてはならないと思いました。原子力発電について、一番、気にかかるのは、発電で必ず発生する大量の放射性廃棄物の放射能の影響がなくなるまで、10万年という、気の遠くなるような時間が必要だということです。このこと一つとっても、原子力発電所については、今後、縮小、廃止以外の選択肢はないという思いが強まります。

話が福島に飛んでしまいましたが、閖上の話に戻します。


震災後、3年ほどたったころ、東北を旅行いたしました。閖上地区だったと思いますが、町がそのまま消えてしまい、海まで何もない土地が広がっている光景に、何とも言えない衝撃を覚えました。ただ頭を垂れて手を合わせることしかできませんでした。また、そのような困難な中で、明るくお店を開いている皆様から、希望を与えていただいたことも、思い出します。牡蠣が美味しかったです!

閖上地区には、平成31年3月29日、名取市震災メモリアル公園予定地にて、「皇太子同妃両殿下御歌碑除幕式」が行われて、冒頭の御歌の歌碑が建てられたそうです。刻まれた字は、名取市内の中学生が書いた字をモデルにしたとのこと、心あたたまるエピソードですね。


2020年3月1日付け、警察庁のまとめによれば、東日本大震災の死者は1万5899人、行方不明者は2529人とのことです。

亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げるとともに、被災者の皆様のご多幸と、さらなる復興の進展を心よりお祈り申し上げます。


今日も、ブログを読んでいただき有難うございました。

今日一日が、皆様にとって、安らかな一日でありますよう、お祈り申し上げます。


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