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人類みな兄弟 [今上陛下]

 前回は、「いのちをくれた人」ということで自分のいのちをさかのぼる話を書きました。自分のいのちをどこまでもさかのぼると人類の最初の祖先に行きつきますが、その祖先は東アフリカで誕生したという説があるそうです。

 平成25年3月6日のアメリカ・ニューヨークの国連における「水と災害に関する特別セッション」の基調講演において、皇太子殿下は、次のように述べられました。皇太子殿下の基調講演の御文章は宮内庁のホームページから引用させていただきました。

 「東アフリカで誕生した人類の中の一握りの人々が,約5万年~10万年前に世界を巡る“人類の壮大な旅(Great Human Journey)”に出発し,その結果として現在のように人類が世界全体に広まったとの説は,多彩にみえる地球上の私達が同じ先祖を持つという点で実に魅力的です。」

(宮内庁ホームページ、国連水と災害に関する特別会合における皇太子殿下基調講演
「人と水災害の歴史を辿る-災害に強い社会の構築のための手掛かりを求めて-」
http://www.kunaicho.go.jp/okotoba/02/koen/koen-h25az-kokuren.html より)

 「多彩に見える地球上の私たちが同じ先祖を持つという点で実に魅力的です」とのお言葉を拝見し、安心感と静かな喜びを覚えました。 地球上の人類は、5万年~10万年の時を経る間に、移住した土地や気候に合わせて、肌の色、顔の特徴、身長、多彩に変化しましたが、それでも同じ先祖を持つということは、まさに人類はみな兄弟だということであり、「実に魅力的」な説だと思います。
 もともと兄弟同士であるのに、民族の違い、国の違いを理由に互いに争ったり殺し合ったりするのは、とても残念なことです。

 明治神宮発行のカレンダーに月替わりで明治天皇または昭憲皇太后のお言葉が掲載されていますが、今月1日にカレンダーをめくって、2月の御製(天皇陛下がお詠みになった短歌)があります。

 「よもの海みなはらからと思う世に
  など波風の立ちさわぐらむ

  人類みな兄弟だと思っている世の中で、
  どうして、いつまでも争いの波風がたちさわぐのでしょうか」
  (明治神宮発行、平成二十七年カレンダー、2月)

 兄弟でも意見が異なれば、けんかになることもあるでしょう。遠い昔に分かれた「兄弟」であればなおさらのことです。それでも相手のことを思いやる気持ちがあれば、やがて仲直りをして、相手をもっと深く知ることができます。そのような世界の実現を切に願い祈っていきたいと思います。

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