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皇位の安定継承(3)―政府のロジック(2) [皇室典範改正]

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一昨日と同じ高森明勅氏ブログ(3月18日付)を、皇位の安定継承というテーマで、学ばせていただきます。

「皇位の安定継承、政府のロジック」2021.3.18【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/post/210318

一昨日は政府のロジックの“本音”を学びました。

ロジックという言葉について、ビジネス全般において「議論を進めていくための考え方」「筋道の通った考え方」という使われ方をするそうです。「筋道の通った考え方」として、皇位継承資格を女性・女系に拡大する以外に方法がないことを、政府も本音ではそう思っているということです。

ロジックは英語の「logic」です。形容詞にすれば「ロジカルな○○」という使い方もあります。「ロジカルな思考」により、皇位継承資格を女性・女系に拡大することであるという結論が出ているといえます。

ロジカルの反対語は、「エモーショナル」(感情的)、「イントュイティブ」(直観的)です。

最近、男系維持派と討論的な意見交換をする機会がありましたが、男系維持派の意見は、まさに「エモーショナル」(感情的)、「イントュイティブ」(直観的)である(が、非論理的)という言葉が当てはまると思いました。


☆☆☆

『②の後段(②‐2)と③は、一部の強硬な男系維持派の反発に配慮して、暫(しばら)く伏せられている。しかし、ロジックそれ自体を変更した気配は無い。国民の圧倒的多数も、上記ロジックに大きな違和感はなく、ごく当然のこととして支持するだろう。ならば、皇位の安定継承を目指す皇室典範の改正に、何の障害も無さそうに見える。だが、残念ながらそうではない。政府の本音と国民多数の願いは一致している。にも拘(かかわ)らず、政府はこれまで、最優先すべきこの重要課題について、ズルズルと先延ばしを続けて来た。


それは何故か。


男系維持派が、国民全体の中で数は少なくても、“確固たる”信念と強大な組織を持ち、結果として侮れない政治力を発揮できるからだ。だから、政府はその反発を恐れて、とっくに“正解”が分かっていて、その上、「皇族方の御年齢からしても先延ばしすることはできない重要な課題」(退位特例法の附帯決議)なのに、解決に手を着けないまま現在に至ってしまった。しかし政府は遂に、「皇位の安定継承」を正面に掲げた有識者会議の設置を決断した。もう後戻りは出来ない。


皇統問題は、いよいよ最終決着を迎えようとしている。男系維持派は政府に対して、上記ロジックを貫徹させない為に、総力を傾けるだろう。この期(ご)に及んで、又ぞろ「先送り」を図ろうとする動きも、既に見える。


心ある国民は、政府と国会の正しい判断を後押しすべく、今こそ、サイレント・マジョリティーからボーカル・マジョリティーに脱皮すべきだ。』

「皇位の安定継承、政府のロジック」2021.3.18【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/post/210318

☆☆☆

○(②‐2)男系維持に決定的な貢献をして来た非嫡出による継承可能性も排除されている
(③)皇位継承資格を女性・女系の皇族に拡大する以外に方法は無い。

の2項目の“本音”について、一部の強硬な男系維持派の反発に配慮して、政府は伏せています。

○国民の圧倒的多数も、このロジックに大きな違和感はなく、政府の本音と国民多数の願いは一致しているにも拘(かかわ)らず、政府はこれまで、最優先すべきこの重要課題について、ズルズルと先延ばしを続けて来ました。

○国民全体の中で、少数派なのに“確固たる”信念と強大な組織を持ち、結果として侮れない政治力を発揮できる彼等の反発を恐れているからです。「皇族方の御年齢からしても先延ばしすることはできない重要な課題」(退位特例法の附帯決議)なのに、解決に手を着けないまま現在に至ってしまいました。

○心ある人は、サイレント・マジョリティー(沈黙する多数派)から、ボーカル・マジョリティー(声を上げる多数派)に脱皮しなければなりません。


以下は、私の感想です。

政府は「筋道の通った考え方」として、非嫡出による継承(側室復活)はあり得ない、そうなれば皇位継承資格を女性・女系の皇族に拡大する以外に方法は無いという結論に達しています。

それでも、自分たちの強固な支持基盤である強大な組織を持ち、政治力を発揮する団体の反発を恐れて、ズルズルと先延ばしを図っています。2年も、先延ばしにしたうえ、まだ先延ばししようというのです。

男系維持派のある論客は、「国民はよく分かっていないし、我々の意見に反対する者は誰もいないではないか」と言明しています。心ある人は、サイレント・マジョリティー(沈黙する多数派)から、ボーカル・マジョリティー(声を上げる多数派)に脱皮しなければなりません。


男系維持派が、「エモーショナル」(感情的)、「イントュイティブ」(直感的)で、ロジカル(論理的でないことは、大きな問題だと思います。

私は、最近、男系維持派の人々と意見交換して、彼らの意見が「エモーショナル」(感情的)なだけで、ロジックは既に破綻していると思いました。

私自身も、かなり感情に左右されるし、直感を重視する方ですから、人のことをああだこうだと言う資格はありません。感情も直感も大切にしなければならないときもあります。

しかし、ロジックを無視して、嫌悪感や直感のみに頼って物事を判断するのは、厳に慎みたいと思います。特に、皇統継承という、重要事項に関しては、慎重かつ柔軟なものの見方が必要だと思います。

意見交換した人々の、日本の歴史や皇室の理解度が、予想以上に浅薄で知識が乏しいことに、実は、かなりショックを受けました。こんな浅はかな知識しか持たない人々が、政治力によって、皇位の安定継承を妨害していることに驚きました。無理が通れば道理が引っ込むとはまさにこのことです。

その一例をあげます、

ある男系維持派によれば、男性にしか継げない「霊統」というものがあって、「霊統」は女性が継ぐとこができない、だから女系の皇族の子孫は皇位を継げないと信じているとのことです。霊統は、古神道の言霊信仰から来ているようです。

国会議員に圧力をかけている団体に神社本庁系の人々が多いと聞きます。多くの神社の宮司や関係者は、この「霊統」という迷信を信じているのでしょうか。富岡八幡宮の殺人事件の遠因に、神社本庁が女性宮司を認可しなかったことがあると聞きます。女性宮司が「霊統」を継げないとして認可しなかったのでしょうか。そうであれば、その慣習は、もはや伝統ではなく人々を苦しめる因習だと言って間違いないと思います。殺人まで誘発してしまうほど深刻な事態を招いたのに、神社界が、その因習に固執しているのは大きな問題だと思います。

さらに、女性・女系の皇族による皇位継承を認めないというなら、神社本庁や各神社は、皇室の消滅に加担することになり、自分たちの首を絞めることになります。


一つ一つの問題をていねいに考えて、正しい意見をどんどん発信しなければならないと思いました。

今日も読んでいただき有難うございました。
桜が次々に開花しています。コロナ禍も早く終息するとよいですね。


※お断り。3月26日付で男系維持派に関する文言をかなり訂正いたしました。読み返して、ロジカルとエモーショナルは対立するものでなく、バランスよく両方備えていることが望ましいと思い直したことと、自分自身が感情的になり過ぎていたと反省したからです。どうぞご了承ください。

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