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議論に慎みの気持ちと謙虚さを [皇室典範改正]

DSC_0963花群20201214blog.JPG『皇室典範改正への緊急提言』という本を薦めていただき、昨日、読了いたしました。

著者の中島英迪氏は「日本は女系天皇を公認すべし」という立場、大前繁雄氏は「女性宮家創設と旧宮家復帰を同時に(提案)」という立場です。筆者の大前繁雄氏は元衆議院議員、中島英迪氏は文明批評家という肩書です。

中島英迪氏の経歴は、兵庫県立高校で30年間、英語科教諭を勤められ、その後、日本教師会副会長、兵庫県教職員連盟委員長を歴任されたとのこと。

県立高校の英語教諭のご経験からか、テキストのような、とても読みやすい文章です。

皇室典範改正を考える人にとって、男系男子維持の問題点がきちんと押さえられ、女系天皇公認の理由についても、要点が非常によくまとまっている好著だと思います。皇統継承の問題に興味のある方には、必読書の一つだと思います。

https://7net.omni7.jp/detail/1107135103

同著から学んだことの一部をシェアさせていただきます。

☆☆☆

“天皇という存在は言わば日本国民の中心者であり、原理として国民の誰とも等距離を保って平等な姿勢で対します。これは空間的に見た中心概念ですが、時間的に見ても過去・現在・未来を貫く歴史の中核でもあります。しかも天照大神と一体となり神仏の心をもって国民に接していますので、その慈愛の言葉や文章表現には強く国民の心を打つものがあります。ことに明治天皇から平成の天皇(現上皇)に到るまでその「御製」は皇后の「御歌」と共に、国民に多大の感銘を与えてきました。また戦前の「大元帥」であった時代には、天皇と国民の関係は「義は君臣にして情は父子」と言われていました。天皇とは日本国民にとって畏れ多い存在であり、日本の至宝・至玉であって「畏敬」の念をもって仰がれて然るべきなのです。
このような次第ですから、私ども国民が天皇や皇室を語ったり論じたりする際には、当然のこととして慎みの気持ちや謙虚さが必要になります。非礼な言葉や傲岸不遜な態度が尊皇心と両立しないのは当然です。そして皇室に関する議論を闘わす時も、自分と意見が違うからといって相手を激しく罵るといったことも控えねばなりません。いくら感情が昂ったとしても、相手側を非難するあまり「国賊!」「売国奴!」「朝敵!」といった激語を投げつけるようではとても慎みのある態度とは言えないでしょう。”

(pp118~119)
(大前繁雄著、中島英迪著『皇室典範改正への緊急提言』新風書房)

☆☆☆

前半では、“天皇とは日本国民にとって畏れ多い存在であり、日本の至宝・至玉であって「畏敬」の念をもって仰がれて然るべきなのです。”が、心に響きました。

一般の週刊誌、月刊誌の論調では、天皇、皇族への畏敬の念が感じられない、それどころか、近所の隣人にさえ使わないような罵詈雑言に近い、「上から目線」の礼を欠いた表現がしばしば見られます。

最近、知人が勧めてくれた「眞子様のご結婚について」のyou tubeを少し見て、冒頭で「眞子、眞子」と眞子様のお名前を呼び捨てにしていたのに仰天しました。同時に「保守派」を名乗る人のyou tubeも視聴を勧められたのですが、冒頭で「眞子様が発表された『お気持ち』の日本語がおかしい」という発言、これもびっくりしました。どちらも視聴は即刻中止しました。

皇室に対する基本的な礼儀をわきまえない人の意見を視聴するのは、時間の無駄だというのが私の信念です。


中島氏の文章を読んで、自分の信念に誤りが無かったと、自信を持つことが出来ました。「尊敬して親しむ」とブログに掲げさせていただいていますが、「尊敬して親しむ」というのは「親しき中にも礼儀あり」ということで、天皇、皇室に礼儀を欠くような親しみ方では、大切なものを見失ってしまいます。

美智子さまのご成婚のとき、独身時代の美智子様を「正田美智子さん」と報道していたこともあったと記憶しておりますが、皇室に入られてからは、美智子様だったと思います。

皇族方に対しては、正式な陛下や内親王でない、親しみを持つ意味での表現でも「さま」、「様」で、お呼びするのが限度だと思います。

また、推敲を重ねて国民に向けてご発表された眞子様の「お気持ち」の文について、「日本語がおかしい」と言ってのける人には、どこが「保守派」なのかと、あきれるのを通り越して、悲しくなります。

天皇は「国民統合の象徴」です。日本国の象徴であられる天皇陛下、上皇陛下、皇族方には、国民として、一定の尊敬を払い、礼儀を保つものであると思います。


中島氏の後半の文章も、読んで大いに反省させられました。

「非礼な言葉、傲岸不遜な態度が尊皇心と両立しないのは当然です」、「皇室に関する議論を戦わす時も(中略)相手を罵るといったことも控えねばなりません」、「相手側を非難するあまり『国賊!』『売国奴!』『朝敵!』といった激語を投げつけるようではとても慎みのある態度とは言えないでしょう。」

どんな相手でも、天皇は平等な姿勢で対します。反天皇の人でも、天皇に失礼な言葉を投げかける人でも、誰もが等しく、「天皇の赤子(せきし)」なのです。そのようなご姿勢でいらっしゃるので、天皇制に反対する人々が、直接お目にかかることで、すっかり天皇のファンになってしまうという現象が起こるのでしょう。

他の国民を、自分の方がものを知っているという傲岸な態度で罵ることは、自分自身を罵ることであり、天皇の大御心を悲しませることなのだと、反省いたしました。

赤子:1 あかご。ちのみご。2 《天子を恵み深い親にたとえて、その子の意から》人民。国民。


政府は「皇統継承の問題で、国論を二分したくない」と繰り返し述べています。

男系維持派の主張は、どう見ても、既に破綻しているので、国会議員がきちんと、皇室のこと、皇統継承のことを学べば、国論が二分するはずがないと思えるのですが、そこに感情的なもつれが混じっているのなら、いっそう感情的にならないよう、冷静に議論を進めなくてはならない、そのためには「慎みの気持ちや謙虚さ」を双方が持つ必要がある、それなら、自分から、極力そのように努めようと思った次第です。

間違っていると思うことは、間違っていると堂々と主張することに変わりはありませんが、自分だけが正しいというような傲岸な姿勢にならないように、また相手を過剰に罵ることがないように、今後、皇統継承について語る時には「慎みの気持ちと謙虚さ」を忘れないようにしたいと思います。

今日も読んでいただき、有難うございました。
皆様にとって、穏やかな一日でありますようお祈り申し上げます。

タグ:女系天皇
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