SSブログ

男系男子維持派との対話(一)―安定的皇位継承を願って [皇室典範改正]

DSC_163720210528blog.JPG私が女系容認について意見を述べたことに対して、男系男子維持派の方からいくつかの質問をいただきました。ご多用の中、安定的皇位継承について真剣に考えていただいていること、率直なご質問をいただいことに、感謝しております。

この件について、真剣な議論ができることはとても良いこと、有り難いことだと思います。

これらご質問への私なりの答えを順次、掲載させていただきます。


質問1、
今上天皇、上皇が女性天皇、双系天皇を容認されていると確認できますか?
天皇は、女系容認と言われたことがありますか?

私が今上天皇も上皇も女系容認であるとネット上で述べたことに対して、男系男子維持派の方から今上天皇、上皇が女性天皇、双系天皇を容認されていると確認できるのか、女系容認と言われたことがあるのかというご質問をいただきました。

私はこの問いに次のようにお答えしました。


答え1、
(1)今上天皇、上皇ご自身が「女系容認」、と「発言」されたことはありません。
(2)しかし「一番大事なことは、天皇陛下のお気持ち(大御心)に思いを致すということ」だと考えます。


(1)今上天皇、上皇ご自身が「女系容認」、と「発言」されたことはありません。

天皇、上皇が「女系容認」と発言されない理由は、皇室典範が日本国憲法の下にあるために、憲法第4条の制約により、皇室典範改正に関する天皇のご発言は「政治的発言」とされてしまうからからです。

日本国憲法の条文は以下の通りです。

「第一章天皇

第四条 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない」

さらに憲法学者・宮澤俊義以来の戦後の憲法学では、「象徴」規定をGHQ以上に強調して、天皇の政治的権能を排除しようとしました。戦後憲法学者の、GHQよりも厳しい「象徴」解釈は、「保守」系と見られている知識人の頭脳も支配しているようです。
これらの「保守」系知識人が、天皇が「女系容認」という言葉を口にされたとたんに、天皇は国政に関する権能(政治的権能)を逸脱したと大騒ぎするのは眼に見えています。

そういう訳で、立憲政治を厳守される天皇が、女系容認と言葉で「言われた」、発言されたことはありません。


(2)しかし「一番大事なことは、天皇陛下のお気持ち(大御心)に思いを致すということ」だと考えます。

天皇が憲法の制約下にあって言いたいことが言えないとき、国民としてどのように考え行動するのがふさわしいのかが、問われます。

天皇が、憲法の制約でご発言できないとき、国民はどのように考え、行動するのか

私は、

「一番大事なことは、天皇陛下のお気持ち(大御心)に思いを致すということ」

だと、考えます。

こう申しますと、前述の「保守系」知識人らは

天皇陛下のお気持ちに思いを致すことなどできるはずがない。

というかも知れませんが、私はその意見に与(くみ)しません。


天皇が「言えない」ことも、天皇周辺の様々な兆しを注意深く見つめ、天皇、皇族の言葉を拝読して学び、祈りと真心を尽くせば、誰でも思いを致すことができます。


天皇のお気持ちに思いを致すには、3つの方法があります。

① 時々の政権の提案、元侍従長の講演から拝察する
②天皇、皇后始め皇族の記者会見などのお言葉から、拝察する
③歴代天皇の、お言葉(御製)、歴史から拝察する。


私はこの3つを学び、思索することにより、

今上陛下も、上皇陛下も、女系容認であることは、まず間違いない

という結論に至りました。


①各政権の提案、元侍従長の講演から拝察する
・小泉政権に於ける有識者会議報告書(平成17年(2005年)11月24日)
・野田政権に於ける女性宮家創設の提案(平成24年(2012))
・菅政権に於ける有識者会議ヒアリング聴取項目(令和3年3月25日、有識者会議初会合)
・渡辺允(まこと)元侍従長の講演

② 天皇、皇族のお言葉から拝察する

私の学び方は以下の通りです。
・宮内庁ホームページ(お誕生日記者会見、歌会始御製、外国訪問・各式典のお言葉)
・TV「皇室アルバム」「皇室ご一家」「皇室日記」を必ず視聴する。
・扶桑社発行『わたしたちの皇室』」(後に『皇室』に改題)を創刊号から2010年頃まで毎号購読し、全文に眼を通しました。

③歴代天皇のお言葉(御製)、歴史から拝察する
・明治天皇御製、昭憲皇太后御歌の文庫本を持ち歩いて座右の書とする。
・『歴代天皇の御歌』『万葉の世界と精神上、下』をテキストに御製を学ぶ。これまで歴代天皇22代の御方、各1~10首の御製(計100首以上)に解釈を付し文章化。
・生前退位、皇位継承に関する書籍を読む(田中卓氏、高森明勅氏の書籍など)

それぞれ説明します。

① 各政権の提案、元侍従長の講演から拝察する

・自民党の小泉政権、立憲民主党の野田政権が、独断の勝手な思い付きで皇位継承(女性天皇、女性宮家創設)を検討するでしょうか。野田佳彦氏は立憲民主党でしたが上皇の譲位実現に尽力した尊皇心の持ち主です。宮内庁を通して天皇の内々のご意思が各内閣に伝えられて、検討、提案したとしか考えられません。

・菅政権の有識者会議ヒアリング聴取項目では、男系男子関連は全10問の最後から2番目(9番目)で、優先順位が低く位置付けられ、さらに「旧宮家」の言葉が消えています。つまり聴取項目の文言は、旧宮家案は検討せずとの従来の政権発表を裏付ける文言になっています。


重要事項で事実と異なることが発表された場合、宮内庁が天皇に代わって何らかの表明をします。(皇室の報道が事実でないときなど)

小泉政権、野田政権の女性天皇、女性宮家創設の検討に天皇が反対であれば宮内庁を通して何らかの意思表示を各政権に伝えるはずです。それが一切無いことが各政権の検討、提案が天皇のお気持ちに反したものではないことの証(あかし)となります。


文章が長くなりますので、続きは明日にいたします。

今日も読んでいただき有難うございました。
安定的な皇位継承に関心を持っていただいている皆様に、心より感謝申し上げます。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。