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皇室はマスコミに反論できない [皇室]

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神道学者、皇室、天皇研究者 高森明勅氏が、先月末、『「女性天皇」の成立』(幻冬舎新書)を出版されました。女性天皇を考えたい人に一読の価値ある1冊です。


眞子さま、小室圭さんのご結婚について、賛成の報道とともに、反対とバッシングも聞かれます。

過去には、上皇后・美智子様、皇后・雅子様のバッシングが繰り返されました。

その理由について、皇室の名誉を守る法的保護が機能していないことを、高森明勅氏がブログに書いています。


☆☆☆


皇室の方々の名誉・尊厳を守る法律上の保護が、建前はともかく、事実において存在していない。最低限、こうした異常な状態は速やかに解消されるべきだ。


《皇族は事実上、告訴できない》

国民には、刑法に名誉毀損及び侮辱を罰する規定がある(第230条・第231条)。

ところが、皇室については以下の通り(同第232条)。天皇・皇后・皇嗣などの場合は、内閣総理大臣が代わって告訴する。その他の皇族は国民と同様に自ら告訴する。


しかし、皇族がご自身で直接、国民を訴えるというのは、果たしていかがか。この点について、政府の見解は次の通り。


「皇族という御身分の方が一般の国民を相手どって原告・被告で争われるというようなことは、これは事実問題としては考えさせられる点が非常に多いですから、まああまりないと思います」

(昭和38年3月29日、衆院内閣委員会での瓜生順良宮内庁次長の答弁)


これは、皇族は事実上、“告訴できない”と言っているに等しいだろう。


《天皇などの告訴権は代行されず》

では、天皇などの場合はどうか。

内閣総理大臣が天皇などに代わって、適切に告訴権を行使しているのか、どうか。

しかし、私が首相官邸及び宮内庁に過去の事例を確認した限り、実際に内閣総理大臣が告訴権を代行した気配は無い。両者共、1例も具体的に答えることができなかった。


「中央公論」昭和35年12月号に、紹介するのも憚られるが、当時の皇太子・同妃(上皇・上皇后両陛下)の首が切り落とされる場面を描いた深沢七郎氏の「風流夢譚」が掲載された時は、さすがに政府内部で告訴を検討する声が出たようだが、結局、告訴には至っていない。


以上から、刑法の名誉毀損・侮辱罪は皇室の方々について、現実的には全く機能しないことが分かる。つまり、皇室の尊厳・名誉を守る法的な保護は無いということだ。


《「象徴侮辱罪」の可能性》

私は勿論、少しでも皇室を貶める言説があれば、ことごとく強権的に取り締まれ、と主張しているのでは“ない”。そんなことをすれば、むしろ皇室への素直な敬愛の気持ちが損なわれるし、何より皇室の方々が悲しまれるだろう。言論・表現の自由は、もとより最大限、尊重されるべきだ。


そうではなくて、ほとんどあらゆる自由と権利が制約された状態にある皇室の方々に対し、一部の心ないメディアやネット上の「匿名の群れ」によって、確かな事実に基づかない一方的なバッシングが繰り返されている状況の中で、法的保護が実態としては皆無の状態をそのまま放置することが、果たして人道上も許されるのかを問うているのだ。


(「皇室の名誉・尊厳を守る法的保護が事実上、存在しない異常さ」10月5日 高森明勅公式ブログ)
https://www.a-takamori.com/post/211006

☆☆☆


皇室が反論できないことを、一部の心ないメディア、ネット上の実名、匿名の群れと、それを無批判に信じた人々が知っていれば、今回のような混乱は避けられたと思います。


高森氏は次のように述べています。

「国民には、刑法に名誉毀損及び侮辱を罰する規定がある(第230条・第231条)。

ところが、皇室については以下の通り(同第232条)。天皇・皇后・皇嗣などの場合は、内閣総理大臣が代わって告訴する。その他の皇族は国民と同様に自ら告訴する。」

『政府の見解は次の通り。


「皇族という御身分の方が一般の国民を相手どって原告・被告で争われるというようなことは、これは事実問題としては考えさせられる点が非常に多いですから、まああまりないと思います」』


事実上、皇族が一般国民を相手どって告訴など出来ないということです。

バッシングする人々は、小室さんが、マスコミ報道の様々な問題に答えて来なかったことを非難します。唯一発表された28枚にわたる文書を、長すぎる、誠意が無いと決めつけています。

私は28枚の文書を全文読みました。 全文を読んで、この人はウソをつくような人ではない、誠実で真面目な人だと感じました。長すぎると評する人がいますが、それまでのマスコミの膨大なデマ報道に比べれば、少なすぎるくらいです。

その都度逐一反論しなかったのは、できなかったからです。小室さんは皇族ではありませんが、眞子さまと婚約中ですから、自分の発言が皇室に与える影響を慮って、いちいち反論できないのがあたりまえです。考えた末に、言葉を慎重に選んで発表した文書が長くて読めない人は、自らの読解能力の不足を恥じるべきです。

メディアは皇室が反論できないことを知らないはずはない。小室さんの立場を推し量れる記者はいなかったのでしょうか。知らなかったのならジャーナリスト失格です。 知っていて、真実より利益を優先したのなら、ただの金の亡者でジャーナリストを名乗る資格はありません。

ご結婚を目前にして、ようやくまともな見解を語るメディアが現れたことは、歓迎すべきことです。ご結婚されれば「めでたしめでたし」で終わりにしたいところです。ことが終わればすべてを水に流すのは、日本人の美点でもあります。

しかし、一方的なバッシングが続いて、罪のない人を悪人に仕立てたこと、雪崩のように皇室のイメージダウンの記事が氾濫したことの反省が無ければ、また同じことを繰り返すでしょう。今後の対処を考えるために、反省が必要です。

大きな問題は、皇室に無関心な多数の国民です。無関心よりも関心を持つ方がよいというのは、故高円宮殿下のお言葉でした。

今回、皇室に関心を持った人たちが、皇室への接し方、距離の取り方が分からずバッシングの方向に走ってしまったのは残念なことです。けれども楽観的に見れば、従来皇室に「無関心」だった人たちが「関心を持つ」に進歩したから、その中の何人かは正しい知識を持つことで、皇室に礼節を備えた人たちに生れかわれるかも知れないと期待しています。そのために皇室と国民の良いあり方を広く話題にして行きたいと思う次第です。

ヤフーコメントでは、もう皇室は無くなってもいいという意見もあります。けれども、皇室が無くても日本は今のまま続くだろうと思ったら大間違い。皇室が無くなり、一つにまとまらなくなった日本は、アメリカの51番目の州になるか、中国の属国になる可能性大です。今のように治安が良く、文化的にも世界に親しまれる国でなくなることは確実です。

過去にさかのぼれば、昭和天皇の御聖断がなく、終戦のタイミングが延びていたら、日本はアメリカとソ連の支配地域で、北日本、南日本に分割されたでしょう。

明治維新でも、フランス側とイギリス側に分裂していたら、今頃、日本は両国の支配地域になっていたかもしれません。

天皇を中心に一つにまとまるのは、日本人の叡智のたまものなのです。安易になくしたら、日本が日本でなくなります。

皇室をなくさないために、どうしたらよいでしょう。もはや自分が何もしなくても皇室は存続するという、安易な考えでは存続できません。

高森氏は、文化放送の【田村淳のNewsCLUB】で、現在の皇統継承の危機は1500年ぶりの危機であると話しています。
https://www.youtube.com/watch?v=9fX2mm-0hXs

分かりやすく要点がまとまった放送なので、よろしかったらお聴きください。

皇室を存続させるために何をしたらよいのか。 一人一人が真剣に考える時は「今」、1500年ぶりの危機を迎えている、「今」だと思います。

私も、自分に何ができるのか、さらに考え、行動していきたいと思います。


今日も読んでいただきありがとうございました。
今日が皆様にとって、より良い一日でありますよう、お祈り申し上げます。
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