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女性宮家当主の配偶者・お子様は一般国民のまま?―一代限り女性宮家の問題点 [皇室典範改正]

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やや時間がたってしまいましたが、8月6日付けの産経新聞で「女性皇族、配偶者と子供は皇族とせず 有識者会議が調整」というタイトルでニュースが配信されました。

今日はこの問題について取り上げます。



☆☆

安定的な皇位継承策などを議論する政府の有識者会議(座長・清家篤元慶応義塾長)が取りまとめを進める最終報告に関し、女性皇族が婚姻後も皇室に残る場合は当面の間、配偶者と子供を皇族としない方向で検討に入ったことが6日、分かった。秋までに行われる衆院選後に最終報告をまとめる方針。

有識者会議は皇族数の確保策について、①女性皇族が婚姻後も皇室に残る②旧宮家の男系男子が養子縁組などで皇籍復帰する―の2案を軸に法的課題などを整理するよう事務局に指示している。

7月26日の会合では最終報告に向けた方向性を確認。現在の皇位継承資格を前提に、秋篠宮さまの長男で皇位継承順位2位の悠仁さまが即位されて以降の皇位継承に関しては結論を得ることを見送る一方、「喫緊の課題」として皇族数の確保が必須としている。

(「女性皇族、配偶者と子供は皇族とせず 有識者会議が調整 2021/8/6 22:31」産経新聞)
https://www.sankei.com/article/20210806-GN5UBIKJQRJLHASE3WGJNU3PS4/


☆☆

要点を書き出してみます。

○安定的な皇位継承策などを議論する政府の有識者会議が最終報告に関し、女性皇族が婚姻後も皇室に残る場合は当面の間配偶者と子供を皇族としない方針で検討に入った。

○秋までに行われる衆院選後に最終報告をまとめる方針

○皇族数の確保策について、①女性皇族が婚姻後も皇室に残る②旧宮家の男系男子が養子縁組などで皇籍復帰する―の2案を軸に法的課題などを整理する

○7月26日会合で最終報告に向けた方向性を確認。

① 現在の皇位継承資格を前提に、秋篠宮さまの長男で皇位継承順位2位の悠仁さまが即位されて以降の皇位継承に関しては結論を得ることを見送る

② 「喫緊の課題」として皇族数の確保が必須


有識者会議の方向性は、以下2点です。

① 「現在の継承順位を変えない」、「悠仁様即位以降の皇位継承」に関しては、結論を出さないで、先送りする」

② しかし、「喫緊の課題」として皇族数の確保が必須。

[皇族数確保の案]

案その1:女性皇族が婚姻後も、皇族として皇室に残る。
しかし、配偶者と子供は一般国民である。皇室入りできない=皇族になれない。

案その2:旧宮家の男系男子が養子縁組などで皇籍復帰する=皇族になれる。

しかし、この方向性では、目先の頭数だけ確保しても、皇位の安定継承にまったく貢献しません。10年、20年先の問題解決の布石にはならないのです。

案その2は、憲法違反の疑いがあり、実現の可能性がないことを政府も、実は認識していることは、これまでも述べて来ました。

案その1について、高森明勅氏が「余りにも非常識なプラン」と書かれていますが、私も同感です。

配偶者・子供を皇族としないということは、女性宮家を創設するが一代限りであるということです。配偶者・お子様の立場を想像すれば、まさに「非常識なプラン」です。


☆☆☆

内親王・女王は皇族で、その配偶者の男性が国民のままという世帯は、少なくともわが国における皇室と国民の“区別”に対する一般的な感覚に照らして、極めて不自然と言わざるを得ない。

そもそも、配偶者が国民のままならば、憲法第3章が国民に対して保障する権利や自由は、そのまま保障されなければならないはずだ。


特別職の国家公務員を新たに設けて、皇室のご公務を分担して貰おうとしても、勿論、それを辞退する自由がある。公務員でなければ、“国民として”政治活動の自由も制限されないだろう。

経済活動、宗教活動などの自由が最大限尊重されるべきなのは、勿論だろう。


しかし、そのことと、日本国の象徴、日本国民統合の象徴であられる「天皇」、及びそのご近親によって構成される皇室に求められる、「聖域」性、政治的・宗教的中立性などとの両立は可能なのか。それとも国民なのに、憲法上の権利や自由を法的根拠に基づかず、暗黙の「空気」で抑圧するつもりなのか。


男性皇族の配偶者やお子様は勿論、皇族とされる。

一方、女性皇族の配偶者は(ご結婚の相手が“女性だから”というだけの理由から)そのお子様と共に、皇族の仲間入りを許さず、しかも国民としての権利・自由も事実上、大幅に制限するという、差別的・侮辱的なプランを考えているとすれば、そのような悪条件を跳ね返して、敢えて結婚を望む国民男性がたやすく現れるとは、楽観できない。


内親王・女王方はご結婚されなければ、そのまま皇室にとどまられる。結果的に皇族数の減少を防ぐことができる。有識者会議の本当の狙いはそちらなのか、と邪推したくなるほど悪質なプランと言わざるを得ない。


(「内親王・女王はご結婚後も皇族のまま、配偶者は国民のまま?」2021年8月9日 高森明勅公式ブログ)
https://www.a-takamori.com/post/210809

☆☆☆


高森氏は、配偶者が国民のままなら、憲法第1章の天皇条項の適用ではなく、第3章が適用され、国民に対して保証する権利、自由が保障されると指摘します。

第3章が適用されるなら、選挙権もあり、職業選択の自由もあり、移動の自由もある、議員に立候補もできる、経済界で活躍することもできる、名所毀損に対して裁判を起こすこともできます。

とはいえ、女性宮家当主の配偶者という立場になれば、たぶん特別職の公務員というような制度が設けられ、法的根拠に基づかない暗黙の「空気」の圧迫で、その公務員になることが強制され、移動の自由も制限され、様々な権利が制限されることになるでしょう。

そのような宙ぶらりんの立場を知って、一般社会で充分に活躍できる能力と人柄を備えた男性が女性皇族を配偶者に選ぶでしょうか。暗黙の「空気」の圧迫で何が強制されるか分からない、言論の自由も無い、しかし皇族ではない立場になることを考えれば、まともな男性はそのような結婚を拒否すると思います。皇族と結婚したい下心で何でもするという野心家は名乗り出るかも知れませんが、そのような男性だったら、女性皇族が拒絶されるでしょう。

一方、実現そのものが困難、ほぼ不可能なのですが、仮に旧宮家系男子が皇籍復帰し、夫婦養子で皇室に入れば、当然のように配偶者、子供が皇族になれる、男性皇族だからというだけの理由で600年前の天皇の子孫が皇室入りして、その子供は皇位継承資格を得られるのに、天皇陛下を父に持つ直系の女性皇族、あるいは祖父が天皇だった女性皇族の配偶者、子供には皇位継承資格がない、それは皇族が女性だからというだけの理由です。 皇族が男子であるか女子であるかの違いで、その配偶者、子供が、こんな差別待遇を受けるのは、理不尽なことだと思います。

こうすれば内親王・女王方はご結婚されないで皇室に独身のままとどまられるから、皇族の減少を防ぐことができるというのが、有識者会議緒の本当の狙いではないかという、高森氏の推測もあながち邪推とはいえません。

男系派は、もはや何でもありの無茶苦茶を押し通そうとしているからです。その結果皇室が無くなってもかまわないと考えているのかとさえ思うときがあります。目先のことしか、考えないのでしょうか。

目先の皇族数だけ確保できても、10年~20年先の問題解決の見通しが立たなければ、そのプランはまったく意味がありません。意味がないだけでなく、正しい解決を阻害する有害なプランだとさえ言えます。


この方向性について、「愛子さま 皇太子への道」でも、「ブログを読んで感じた、私の危機感~血も涙もない理不尽」のタイトルで取り上げられています。

☆☆☆

自分の子供が先祖からの継承を認められないなんて、
どこの血も涙もない輩が考え付くのでしょう。

自分の子供は、自分の後を継げない。
そんな事他人に決められたくありませんし、そんな事を言われたら、確実に激怒しますよね。

そんな理不尽を、
有識者会議は行おうとしています。

これは、許すべきではないと思いますし、この問題について、我々庶民が大きな声を上げるべきではないでしょうか?

https://aiko-sama.com/archives/6475

☆☆☆


筆者の「私の危機感~血も涙もない理不尽」に私もまったく同感です。一般庶民の感覚が正しいと思います。

女性皇族・女王と結婚しようとする男性に、自分の子供は、自分の後を継げないことを知らされ、さらに600年も前に家系が分かれた遠い親族の子孫が、男系男子の血筋だからというだけの理由で、夫婦で跡継ぎに据えられることが決まっています、それでも貴男はこの女性と結婚しますか、と問われるようなものです。ノーというのが眼に見えています。高森氏が言われるとおり、このような女性宮家を創設するくらいなら、今の内親王・女王が婚姻と同時に皇籍を離れて、一般国民になられる方が人間として、お幸せだと思います。

どこが有識者会議ですか、「有識者」どころか、あなた方には、人間の血が通っているのですか、人情が分かるのですか、人情の分からない鬼ですか、と問いたくなります。

生前退位の時も、上皇さまの30年間の被災地訪問、慰霊の旅などの全身全霊のご努力を踏みにじるかのような、安倍政権の「血も涙もない」対応ぶりを腹立たしく思いました。「公務負担の軽減」という見当違いの有識者会議を立ち上げ、上皇さまが深く失望されたことを、宮内庁が珍しく発表したほどでした。上皇さまが「象徴天皇」としてのお立場を天皇の伝統にかなうお役目として果たしてこられたことを、安倍政権が少しも評価していなかったことに驚きました。心ある国会議員たちの活躍で、何とか特例法の形で御譲位を実現しましたが、これも本来は皇室典範改正すべきだったのに、安倍政権が怠って特例法という弥縫策で対応した結果、憲法違反という風評を生む原因となっています。たまに譲位は憲法違反という言説を耳にしますが、憲法違反と疑われる原因を作ったのは安倍政権であり、上皇陛下では決してないということを、あらためて強調したいと思います。

今回も、女性皇族のお気持ち、ひいては天皇陛下のお気持ちを踏みにじる「血も涙もない」対応ぶりに「菅政権よお前もか」という失望が深まりました。もう自民党は絶対に支持しません。

自民党を支持する男系派、自称尊皇派は、「天皇制を守る政党は自民党だけ」と言いますが、それはもはや死語となりました。「天皇制を先頭に立って滅ぼす自民党」になり下がっています。

自民党が考えているのは、カチンカチン石頭の男系派の票田を手放したくないということだけです。

天皇、女性皇族は、男系派の奴隷ではありません。

良心のある、あたたかい血が通っている国民が声を上げることで、ただでさえ困難の多い天皇、皇族のお立場から少しでもご不自由が取り除かれて、皇族の皆様お一方お一方にお幸せになっていただきたいです。

皇室に詳しい知識が無くても、庶民の直感、80%が女性天皇、女系天皇に賛成という民意は、正しいと思います。

天皇のお気持ちに沿ったおおらかで自然な人間味あふれる皇室であっていただきたい、男系も女系もこだわらない、天皇がご満足いただける直系(実のお子様)の皇位継承であることを、素直に願う国民でありたいと思います。


今日も読んでいただき有難うございました。
西日本では豪雨が激しいようです。どうぞ皆様、お気をつけてお過ごしください。
皆様のご多幸とご無事をお祈り申し上げます。
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