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天皇の祈りを指針とする―オリンピック開催によせて [今上陛下]

110628_12312620210808blog.JPG私が日々愛読している「愛子さま 皇太子への道」ブログでは、「【8/6~8/15 天皇制を考える10日間】」とのタイトルで、6日、9日、11日、15日に、それぞれに設けたテーマに沿ったブログを振り返りながら、天皇制について考察するそうです。

今日は、第1回目「1. 愛子さまの作文 ~天皇の祈りと現実の葛藤~」が掲載されました。

上皇陛下が挙げられた「(日本人が)忘れてはならない4つの日」のうちの3つが集中するこの時期に「天皇制を考える」のはとても意味のある事だと思います。

https://aiko-sama.com/archives/6357


このブログ記事で、「天皇の祈りを指針とする」という言葉が特に心に残りました。


☆☆☆

厳しい現実を前にしたとき、私達は天皇の祈りとどう向き合うべきなのでしょうか。
天皇の祈りを金科玉条として、ひたすら衝突を回避すべきか。
あるいは、現実を優先して天皇の祈りを無視するのか。

どちらも違うと思います。
国政の権能を託された私たちは、戦争も含むあらゆる手段を選択肢に入れて、日本を守っていかねばなりません。
しかし、日本を守るためなら何をしても良い、ということには当然なりません。
なるべく犠牲を出さないように。講和への道を閉ざさないように。
法の及ばない、人道的態度を保つために最も強い規範となるのが、天皇の祈りであると考えます。
日本を守りつつ、最大限、天皇の祈りを体現すること。
それが私たちに求められることではないでしょうか。

そしてこれは、戦時中に限りません。

平時の政策においても、天皇の祈りを指針とすることが、
日本が日本として発展していく上での道しるべとなるのではないでしょうか。

https://aiko-sama.com/archives/6357

☆☆☆

ここでは終戦直前の10日間の事を指していますが、私は

「平時の政策においても、天皇の祈りを指針とすることが、
日本が日本として発展していく上での道しるべとなるのではないでしょうか。」

に眼が止まりました。

色々の問題に没頭していて、天皇陛下のお言葉に帰ることを忘れていたことに気が付いたのです。宮内庁のホームページで、ご発表の都度、眼を通すことにしていたのに、その習慣からいつの間にか遠ざかっていました。それで最近の天皇陛下のお言葉をもう一度、気持ちをあらためて読むことにしました。

遅ればせながら、オリンピック開会に関係するお言葉を紹介させていただきます。
https://www.kunaicho.go.jp/page/okotoba/detail/86#303

○国際オリンピック委員会関係者ご引見
令和3年7月22日(木)(宮殿)【実際のおことばは,英語で述べられています。こちらのページでは和訳したものを掲載しています。】

○第32回オリンピック競技大会(2020/東京)開会式に出席する各国首脳等ご会見及びご引見
令和3年7月23日(金)(宮殿)【実際のおことばは,英語で述べられています。こちらのページでは和訳したものを掲載しています。】

○第32回オリンピック競技大会(2020/東京)開会式
令和3年7月23日(金)(オリンピックスタジアム)

さりげないおことばですが、ゆっくり読むと、心が静まります。

オリンピックについて、開催反対の声もありました。天皇陛下ご自身が「五輪御懸念と拝察」との宮内庁長官の発言もありました。政府に対して開催に際し細心の注意を払うようにとの陛下の御心だったのだろうかと、私見ですが、拝察しております。

私自身、オリンピック誘致の際の安倍前総理の発言、福島はアンダーコントロールであるとか(いまだに多くの人々が大変な廃炉作業に取り組んでいるのに)、その時期の日本の気候はオリンピックに最適である(この酷暑の時期に)とかよくウソを並べられるものだと、苦々しい思いで見ていたひとりでした。

それにもかかわらず、宮内庁のホームページを拝見しますと、いざ開催となれば全身全霊で取り組まれる天皇陛下の御心が伝わって来て、オリンピックの成功を応援したいと思いました。


☆☆☆

バッハ会長,
国際オリンピック委員会関係者の皆様,

 第32回オリンピック競技大会は,明日開会式を迎えます。

 現在,世界各国は,一昨年末より世界中を襲った新型コロナウイルス感染症の感染拡大という大変厳しい試練に直面しています。人が集い,繋がることが簡単ではない状況が続いています。

 そのような状況の中,新型コロナウイルス感染症に対する万全の対策を講じながらの大会運営は決して容易なことではないと思います。それぞれの競技会場の現場などで大会運営に携わる方々をはじめ関係者の皆さんのご尽力に深く敬意を表します。

 オリンピックが長く,そして広く世界で支持されてきたのには,平和と調和というオリンピズムの精神に理由があると思います。私自身にとって,1964年の東京オリンピックの閉会式で各国選手団が国ごとではなく,混ざり合って仲良く行進する姿を目にしたことが,世界の平和を願う気持ちの源となりました。

 東京2020大会のビジョンは,「スポーツには世界と未来を変える力がある。」です。スポーツに挑むアスリートや,そのアスリートを支える御家族や関係者の姿は,わたしたちに様々なことを感じさせてくれます。この大会は,新型コロナウイルス感染症に直面する中で迎えます。また,夏の盛りの熱波にも注意が必要です。この大会が,皆さんをはじめとする関係者の連携による感染防止対策に万全が期されることにより,アスリートの皆さんが健康な状態で安心して競技に打ち込み,その姿を通じて,新しい未来へと希望の灯火がつながれる大会となることを願います。皆様と共に全てのアスリートのご健闘を祈ります。

(「国際オリンピック委員会関係者ご引見 令和3年7月22日(木)(宮殿)【実際のおことばは,英語で述べられています。こちらのページでは和訳したものを掲載しています。】」
https://www.kunaicho.go.jp/page/okotoba/detail/86#303

☆☆☆


ご文章の中に、

「私自身にとって,1964年の東京オリンピックの閉会式で各国選手団が国ごとではなく,混ざり合って仲良く行進する姿を目にしたことが,世界の平和を願う気持ちの源となりました。」

とのお言葉があります。

私はオリンピックの時、小学校高学年でした。オリンピックの時、わが家にテレビが入りました。開会式で各国選手団が整然と隊列を組んで入場した様子も美しかったですが、陛下のおっしゃるとおり、閉会式で各国選手団が国ごとでなく思い思いに手を取り、肩を組んで行進する様子に、胸が熱くなったのを覚えています。競技の時も、重量挙げでしたか、勝敗が決した後で、敵だった選手が肩を組んで勝利者を祝福する姿にも胸を打たれました。

お言葉中のオリンピズムが耳慣れなかったので、辞書を見てみました。「オリンピック精神」のことなのですね。

オリンピズム(Olympism):
近代オリンピックの創始者クーベルタンが提唱した、オリンピックのあるべき姿。「スポーツを通して心身を向上させ、さらには文化・国籍などさまざまな差異を超え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって理解し合うことで、平和でよりよい世界の実現に貢献する」というもの。オリンピック精神。(コトバンク)
https://kotobank.jp/word/%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%94%E3%82%BA%E3%83%A0-1284974


「文化・国籍などさまざまな差異を超え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって理解し合うことで、平和でよりより世界の実現に貢献する」

この精神があったから、「国籍などの差異を超えて」、ライバルの肩を抱いて祝福し合い、手に手を取り合って行進する姿に心打たれたのだと思います。

それにしても、1964年のオリンピックの時、天皇陛下は満4歳でいらしたはずです。そんな幼い時にそのような感慨を抱かれ、いつまでも覚えていられるということも、驚きでした。

冒頭に掲げた「愛子さま 皇太子への道」には、広島の原爆ドームを訪れたときのお気持ちを作文にされていますが、中学生と思えないしっかりしたご文章と平和への祈りに心打たれます。

以下、「愛子さま 皇太子への道」からの引用です。


☆☆☆

この記事では、その後半で、愛子様の作文も紹介されています。ご存じの方も
多いと思いますが、愛子様が広島を訪問されたときの作文です。
https://www.sankei.com/article/20170322-LWNVTS255BM47HUSW5WI2BUT3Y/2/

《「平和」は人任せにするのではなく、一人ひとりの思いや責任ある行動で築き上げていくもの》

これが中学生の作文かと思うほど、力強い使命感を感じるメッセージですが、
この記事を書かれた記者さんが、「全国戦没者追悼式」での天皇陛下のお言葉で、この愛子様の作文を想起された感覚は、よく分かる気がします。

https://aiko-sama.com/archives/6357

☆☆☆


天皇陛下のお気持ちの深さに思いを致し、このような素晴らしい天皇を日本国の象徴として戴けることの尊さを思います。そして愛子さまが天皇の御長女として天皇の平和へのお気持ちを継がれて、お健やかにご成長されていることを、ありがたく思います。


ブログ冒頭に引用した、

「日本を守りつつ、最大限、天皇の祈りを体現すること。
それが私たちに求められることではないでしょうか。

そしてこれは、戦時中に限りません。

平時の政策においても、天皇の祈りを指針とすることが、
日本が日本として発展していく上での道しるべとなるのではないでしょうか。」


「天皇の祈りを指針とすることが、日本が日本として発展していく上での道しるべとなる」

何ごとのおはしますかは存じませぬが言うに言われぬ深さをたたえる、「天皇の祈り」を指針とすることを、日々の生き方の中で忘れずにいたいと思います。

オリンピックも残りわずかとなりました。賛成、反対、色々な思いを抱かれている方々があるようですが、それはそれとして大会がつつがなく終了し、オリンピズム(オリンピック精神)が選手、関係者、応援する人々の心に刻まれるよい思い出として残りますようにと、祈らせていただきます。なお、PCR検査、外出制限、酷暑などの苦難に負けずに全力を尽くされ、感動を与えてくれた各国選手の皆様に、心より感謝申し上げます。

今日も読んでいただき有難うございました。
皆様にとって、こころ穏やかなよい一日でありますようお祈り申し上げます。

タグ:愛子さま
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