SSブログ

有識者会議の結論では安定的な皇位継承は望めない [皇室典範改正]

DSC_172520210620blog.JPG
6月16日、共同通信が「安定的な皇位継承策を議論する有識者会議が16日の会合で、現在の皇位継承順位を変更しない方針を確認したと報道しました(高森明勅氏のブログから引用します)。

この記事を読んで、有識者会議といいますが、これが日本人の皇室を語る「有識者」の出した結論だとしたら、日本人には皇室を戴く資格などないとの極論が、私の頭脳の中を駆け巡り、目の前が暗くなりました。




☆☆☆

共同通信が以下のような記事を配信した(6月16日、20時46分)。

「安定的な皇位継承策を議論する有識者会議(座長・清家篤元慶応義塾長)は16日の第7回会合で、皇位継承資格を男系男子に限定する皇室典範の規定を尊重し、現在の皇位継承順位を変更しない方針を確認した。

これに伴い、女性・女系への資格拡大は見送る。

皇族数確保のため、女性皇族が結婚後も皇室に残る『女性宮家』の創設と、旧宮家(旧皇族)の男系男子孫による皇籍取得の是非の2案を軸に今後の議論を進める。
継承順位の維持は、清家氏が会合後に記者団に明らかにした。
現順位を見直せば皇室制度が動揺しかねないため、混乱を回避すべきだと判断した」

(「「女性・女系天皇」を見送るなら皇位継承の安定化は望めない」2021.6.18高森明勅公式ブログ)https://www.a-takamori.com/post/210618

☆☆☆


この結論に、唖然とするほかありませんでした。高森氏の言われる通り、「女性・女系への資格拡大は見送る」としたら、それは最大の要となる方策を、はじめから認めないと宣言したことになります。


そもそも有識者とは何者なのかと、言葉の意味を確かめるために、辞書を引いてみました。

[有識者の意味]

有識者:広く物事を知っている人。学問・識見のある人。(コトバンク)
学問があり、見識が高い人。(goo辞書)

見識:1 物事を深く見通し、本質をとらえる、すぐれた判断力。ある物事に対する確かな考えや意見。識見。 (goo辞書)

識見:物事を正しく見分ける力。また、 優れた意見。見識。((goo辞書))

[対語]

無識(むしき):見識や知識のないこと。(goo辞書)

[関連語]

有職故実(ゆうそくこじつ):有職は、古くは有識と書き、博識なること、歴史、文学、朝廷の儀礼によく通じていることをいう。(コトバンク)


今回の「有識者会議」の結論には、

物事を正しく見分ける力(識見)
物事を深く見通し、本質をとらえる、すぐれた判断力

が、まったく感じられません。

皇位継承者がたったお一人という、不安定な皇位継承の状態を何十年も続けて、平気でいられるという無神経さ、頭の悪さは信じがたいほどです。肩書、学歴と「賢さ」は、まったく別物ですね。

他の分野で学問があると言われているのかもしれませんが、肝心な皇室のこと、日本の国の本質について、何一つ知らないし、正しい判断ができない無識(むしき)な人々の集まりでした。

ご譲位の検討の時も、まったく見当違いな「天皇の公務 の負担軽減等に関する有識者会議」を設置した自民党政権のすることですから、ある程度、予想できましたが、これほどひどいとは思いませんでした。


有識者会議の結論には、「現順位を見直せば皇室制度が動揺しかねないため、混乱を回避すべきだと判断した」とありますが、筋の通ったていねいな説明をすれば、国民の大多数は納得できます。

その時に大声で騒いで混乱を起こすのは、一部国会議員と彼らを支持する頑迷固陋な一部のノイジー・マイノリティー(声の大きい少数者)です。彼らの狂信的な男尊女卑思想が、日本の未来を閉ざすのを看過してはなりません。


「皇位継承者が秋篠宮殿下、悠仁親王と2代先までいらっしゃるから」と彼らは言いますが、高森氏が指摘する通り、秋篠宮殿下が皇位継承される頃には、殿下は御高齢ですから、実質的な皇位継承資格者は、悠仁さまお一人だといえます。たったお一人の皇位継承者しかおられない、それを「安定的な皇位継承」と見るなら、有識者とは名ばかりで、先の見通せない無識な人々の集まりです。

深読みすればノイジー・マイノリティーの人々は、現皇室の継承者が誰もいなくなった後に、自分たちの息のかかった「旧宮家系男子」に皇位継承させて、平安時代の藤原氏が外戚として権力をふるったように、彼らの悲願である憲法改正を後押しする「新しい王朝」を建てようとしているのだろうかと、ふと思いました。


反対派の説得の例として、1959年(昭和54年)、「元号法制化」法案が可決された時のことを思い出します。その時にも、先延ばしをはかる、同じような議論がありました。

与党自民党議員の中にも、昭和天皇がご健在でいらっしゃるのに、今から、崩御の(亡くなられた)後のことである、次の天皇の元号法制化を議論するのは、昭和天皇に対して不敬ではないかという理由で、法制化に反対する人々が少なからずありました。彼らは、野党の反対を恐れて、現状に波風を立てたくないと思っていたのです。

それに対して、法制化を推進する人々は、天皇が崩御されてから、あわただしく決めようとするなら、すぐに決められない混乱の中で、天皇制廃止を望む革新派の声が高まり、法制化できずに元号が消えてしまうかもしれない、だからあらかじめ決めておかねばならない、と根気よく説明しました。こうして、反対意見を述べる人々を説得し、元号法制化を実現しました。

彼らの見通した通り、昭和天皇御崩御に伴い、日本国中が動揺する中で、「平成」という元号が速やかに決定され、発表されて、天皇崩御の悲しみの中でも、新しい時代の到来という希望を人々に期待させるよりどころになったのでした。平成おじさん、小渕首相の「平成」の文字を誇らしく掲げた映像を見た方も多いでしょう。

今回も、同じことが言えます。現に皇位継承者がいらっしゃるのに、順番を変えようというのは不敬ではないかと言いますが、いざ継承者が一人もいなくなってから、あわただしく決めようとしたら、なかなか継承者が決められない混乱の中で、皇室廃止論が高まって、皇室そのものが消えてしまうかもしれないと、反対派を真剣に説得すれば、切り抜けられるはずです。

時間の無い中で皇位継承を論じれば、人々が皇室を愛する故に、さまざまな混乱が起こると同時に、皇室は不要であるとの意見が国民の間に広がるのは、現在のマスコミ報道による皇室バッシングや、その記事に対する各コメントを読んでも十分予想されることで、杞憂ではないと思います。

小室さんの一件に関連する記事のヤフー等のコメント欄を見ると、このような混乱があるなら皇室が無い方がいい、との意見を書く人々が少なくありません(小室さんの一件は、小室さん本人に何の罪もないと私が考えていることは、これまで何回も述べてきましたが、その続きは、別の機会に書くことにします)。

時間があるうちに、恐れずに、反対者の説得を地道に続けることが大切だと思います。


今日も読んでいただき、有難うございました。
今日が皆様にとって有意義な一日でありますことをお祈り申し上げます。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。