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皇位継承を巡る有識者会議第5回ヒアリング [皇室典範改正]

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6月7日「安定的な皇位継承策を議論する政府の有識者会議」第6回会合が開かれ、第5回目のヒアリングが行われました。





毎日新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/6acfbf67f1fa1e79e481ddbe186831f588646ddc

日テレNEWS24
https://news.yahoo.co.jp/articles/1c6b7727dbd386650edb26b9f341a57a28726c47

共同通信
https://news.yahoo.co.jp/articles/fe28cce7067efbcdef3dd5ec907dc064ebc6b8bd

産経新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/0c51c72ae68b52328ebcb63d7cf54d554825e9e6

産経新聞によれば、「ヒアリングは今回が最後となり、今後は計21人を対象に行ったヒアリングの結果を踏まえ、政府に対する報告をまとめる見通し。これを受け、政府は国会に安定的な皇位継承策に関する検討結果を報告するが、次期衆院選への影響を考慮し、選挙後に先送りする案が有力だ。」とのことです。

共同通信は「有識者会議(座長・清家篤元慶応義塾長)の専門家ヒアリングで順位をすぐに変えるべきだとの意見は少なく、秋篠宮さまの長男悠仁さまを含む現順位は当面変えず、将来的な課題として女性・女系天皇などの是非を議論する。政府関係者が7日、明らかにした。」と報道しています。

共同通信の報道する「政府関係者」の意見、「秋篠宮さまの長男悠仁さまを含む現順位は当面変えない」が政府の公式見解かどうか明確ではありません。「政府関係者」の実名が報道されないのですから。しかしこれが政府の本音であるなら、有識者会議の開催そのものが「出来レース」、「結果ありきのセレモニー」だったのかと、いささかがっかりしました。

出来レース:八百長・談合などにより、始める前から結果が分かっている勝負や競争
(コトバンク)

そうはいっても、私自身、各ヒアリングでの意見を読んで、自分の足りない所に気が付くこともあり、勉強になりました。まだ読み込み切れていない資料もあります。前回の有識者会議資料始め、ヒアリング資料を必要に応じて読み直したいと思います。

女系容認が「理」にかなっているので当然そうなると、油断していました。

「無理が通れば道理が引っ込む」ことが身に沁みました。仕切り直しです。

しかし、皇統継承を巡る有識者会議に関する重要な情報を、マスコミがもっと取り上げてほしいです。そして皇室のことを真剣に考える人々が、増えてほしいと思います。


第5回ヒアリングを行った4人は、産経新聞、日テレNEWSによれば、以下の通りです。

綿矢(わたや)りさ氏(芥川賞作家)

半井(なからい)小絵氏(気象予報士・女優)

里中満智子氏(漫画家)

松本久史氏(国学院大教授、近世・近代神道史)

それぞれの資料が下記の通り閲覧できます。


綿谷りさ氏
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/taii_tokurei/dai6/siryou2.pdf

半井小絵氏
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/taii_tokurei/dai6/siryou3.pdf

里中真知子氏
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/taii_tokurei/dai6/siryou4.pdf

松本久史(國學院大學教授)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/taii_tokurei/dai6/siryou5.pdf


産経新聞は以下のように概括的に報道しています。

++++

7日のヒアリングでは文化・芸能と神道の専門家4人から約30分ずつ意見を聴いた。母方にのみ天皇の血筋を引く女系への皇位継承資格には全員が慎重で、戦後に皇籍を離れた旧宮家の皇籍復帰には4人とも前向きだった。

(産経新聞)
https://news.yahoo.co.jp/articles/0c51c72ae68b52328ebcb63d7cf54d554825e9e6

++++

男系派支持を貫いている産経新聞らしいまとめ方です。

しかし、私は綿谷氏の次の言葉に注目します。

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問 4. 皇統に属する男系の男子である皇族のみが皇位継承資格を有し、女性皇族は婚姻に伴い皇族の身分を離れることとしている現行制度の意義をどのように考えるか。

今後、いつ、どのように制度の変更があるとしても、御本人が「ずっとこうだ」と言われてきた制度から、いきなりの変化が生じることは、動揺があるのではないかと思う。人生設計は個人の内面で、長い時間をかけてされてゆくものだと思う。関係する制度が、婚姻後の家庭環境にも関わってくる可能性がある。ただ一般的には、婚姻前の生活と、婚姻後の生活は大きく変わるものだと思う。家族を作ることだけでなく、自分のアイデンティティも、婚姻によって変わる部分は大きい。それは性別によって変わらないのに、性差によって違いがありすぎた場合、違和感がある人も多いのではないか。

(資料2(綿矢氏説明資料))
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/taii_tokurei/dai6/siryou2.pdf

+++++


「一般的には、婚姻前の生活と、婚姻後の生活は大きく変わるものだと思う。家族を作ることだけでなく、自分のアイデンティティーも、婚姻によって大きく変わる。(中略)それは性別によって変わらないのに、性差によって違いがありすぎた場合、違和感がある人も多いのではないか」

ここに綿谷氏の正直な庶民の感性が表現されています。「一般的に、婚姻前の生活と、婚姻後の生活は大きく変わることは、性別によって変わらないのに、性差によって違いがありすぎた場合、違和感がある人も多い。」皇室を、婚姻後の生活の変化について、性差によって違いがありすぎる形に固定化して、自然な庶民感覚からどんどん遠ざけていくのがはたして良いことなのかどうか、そこに綿谷氏も気付いていることが分かります。

里中真知子氏の意見もよく読むと次のように、女系容認についても触れています。

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問6について

女系天皇と女性天皇の違いを国民の全てが詳しく知っているとは思えず、アンケートなど(100%参考にならないが)「(その違いを)よく知らない」という答えも多い。よく知らなくても何となく「男女同権」「女性の力を生かす」というイメージで女系天皇をよしとする気持ちになっている人もいると思う。国民の声を参考にするのであれば、どうか誤解を招かないような設問の仕方を考えて欲しいとメディアには願う。

2
男系男子が一人も存在しなくなった場合を考えて、いろんなケースごとに準備をしておくことが望まれる。もし仮に「女系天皇しか選択肢がない」ような状況になれば、女系天皇、新しい王朝という事態も受け入れることも考えておく必要がある。

(資料4 里中氏説明資料)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/taii_tokurei/dai6/siryou4.pdf

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後半部分、『もし仮に「女系天皇しか選択肢がない」ような状況になれば、女系天皇、新しい王朝という事態も受け入れることも考えておく必要がある。』

将来を見通すなら「女系天皇しか選択肢がない」と思うのですが、里中氏も、他の選択肢がなければ「女系容認」せざるを得ないことは、理解されています。

しかしここで、里中氏が「女系天皇、新しい王朝」という言葉を使っているのには、いささか驚きました。里中氏は「天上の虹」(持統天皇物語)という漫画を描いてヒットさせているので、古代史にも詳しいと思っていたのですが、「女系になったら、新しい王朝になる」と考えるなら、肝心なことを、知らないようです。皇室に氏や姓が無いことの意味を知らないのだろうと思います。

民間から皇后を迎えたら、皇后の実家が、藤原氏のように外戚となって権力をふるうと、上皇さまの美智子さまとのご結婚を反対した、旧華族のようなものです。女性天皇の男性配偶者の実家がどこの王朝に該当するのでしょう。西欧の王室から配偶者をお迎えするつもりなのでしょうか。時代錯誤がはなはだしいと思います。

里中氏意見の、前半部分は「女系容認」の国民の理解について、考えさせられます。百地章氏の資料を見ましたが、令和元年のNHK,産経新聞のアンケートで「女系について理解していない」と答えた人が、全体の半数余りあるとのことです。女系天皇について正しい理解を広めるのが、今後の大きな課題だと思います。


余談ですが当ブログ冒頭で、共同通信の報道する「秋篠宮さまの長男悠仁さまを含む現順位は当面変えず」と述べた「政府関係者」について、政府の公式見解ではないだろうという話をしました。なぜ公式見解ではないと思うのかというと、以下の理由からです。

「○○関係者」の言葉について興味深いことを当の「関係者」が激白した記事が、「愛子さま 皇太子への道」に掲載されました。

『当事者が激白!皇室記事に出てくる「関係者」の正体』
https://aiko-sama.com/archives/5831

男系派論客の八木秀次氏が、自身が週刊誌の取材に電話で答えた意見が「宮内庁関係者」の声として掲載された事実を、八木氏自身が、「チャンネル桜」で激白しました。

「○○関係者」の実態は公式な関係者でなく、マスコミが、取材を受けた本人承知の上で、誤った印象操作をするために利用する、詐称に近い業界コトバであることが、「関係者」本人の証言で裏付けられました。

マスコミのいい加減さはうすうす知っていましたが、ここまでヒドイとは思いませんでした。商業主義、金儲け主義のマスコミにだまされないよう、注意深く智慧を働かせることが、読者に求められています。


今日も読んでいただきありがとうございました。
皆様にとって楽しく有意義な一日でありますようお祈り申し上げます。


タグ:女系天皇
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